紙の本
ハンガリー出身でイギリスで活躍された作家バロネス・オルツィ氏の古典ロマンの傑作です!
2020/06/19 11:57
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、19世紀の終わりから20世紀の初期にかけて活躍されたハンガリー出身のイギリスを舞台に活動された小説家バロネス・オルツィ氏の作品です。同氏は、歴史ロマンス作品『紅はこべ』シリーズで人気を博し、安楽椅子探偵の先駆けと言われる『隅の老人』シリーズでも知られる人物です。同書は、1792年9月、フランス革命下のパリで血に飢えた民衆によって日夜ギロチン送りとなる貴族たちを救うべく、彼方イギリスから謎の秘密結社「べにはこべ」がやって来たというストーリーです。冒険とミステリーと愛憎劇が織りなす古典ロマンの傑作です。ぜひ、多くの方々に読んでいただきたい名作です!
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怪傑と密使の知恵比べ
2018/05/12 18:18
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投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう怪傑譚を読んだのは久しぶりだった。途中、冗長なくだりもあるが、スリルに満ちた物語である。
フランス革命政府のギロチンから貴族を救うため、謎の英国紳士"べにはこべ"が活躍する。その彼を付け狙う密使ショウヴラン。富裕な英国貴族パーシイ・ブレークニイ卿の妻で本編の女主人公マーガリート。彼女はあるきっかけから"べにはこべ"の正体を知り、彼の窮地を救わんと革命下のフランスへ渡る。
物語の見どころは、マーガリートのフランス上陸後である。上流社会の夫人である彼女が、一命を賭して裸足で敵の尾行を続ける展開は、強く心打たれる。本来は人間愛を謳った筈の革命派ショウヴランは、貴族への憎悪に燃えた冷血漢である。それだけに、大胆不敵で機知に富む"べにはこべ"の高潔さが際立つ。
革命の名の下に無辜の人々を血祭りに上げたフランス革命政府の凶暴性を、作者は本編を通じて強く批判している。それ故、"べにはこべ"とマーガリートの人間愛が一層輝きを増すのである。
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フランス革命下のパリ。血に飢えた絞首台に送られる貴族を救うべく、イギリスから謎の秘密結社〈べにはこべ〉がやってくる!絶世の美女を巻き込んだ冒険とミステリーと愛憎劇。古典ロマンの傑作を名訳で。
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「花子とアン」人気の恩恵で、村岡訳の古典が復刻!訳本としては、かなり読みやすい。冒険小説は波乱万丈の大長編も多いので、それらと比較するとやや物足りなさを感じるが、歴史、恋愛、ミステリーなどあらゆる要素がコンパクトな文庫一冊にまとまっているので、ちょっとしたスリルを楽しむには丁度良かった。
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表紙がかわいくて買った本。
頭がよくてタフな女の子ががんばる話、大好きです。
16章、マーガリートの心が動き、パーシイの心が動き、それでも触れ合えないもどかしさ!リズムの良い描写に入り込まされます。
主体的な努力、情熱、そして敬意を忘れないということは、冒険する少女たちの、ますます磨かれていくべき強さとして描かれたのでしょう。
純粋にストーリーのみ楽しんでしまいました。とっても面白かった。しあわせです。
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子供の頃、春陽堂少年少女文庫が好きだった、と言いながら、読んだことのなかった『紅はこべ』。先月出かけた東京国際ブックフェアで、村岡花子訳の『べにはこべ』を見つけたのでもちろん購入。
感想。子供の頃感じた読書のワクワク感が再び味わえて大満足。
思えば子供の頃に読んだ本って、言葉遣いがちょっと古風なものも多かった。最近の本は字も大きくて読みやすいけど、なんとも薄っぺらい印象のものも多いんだよね(もちろん一番重要なのは内容だと理解していますが)。
で、『べにはこべ』の内容。前半は多少冗長だけれども、中盤、マーガリートが夫の正体に気づきフランスへ追いかけて行ったあたりから、いきなり話が面白くなる。
これは子供の頃に読んでいたら夢中になっただろうなぁ。なんていうのか、こういう気持ちを思い出させてくれてありがとう。
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舞台、スカーレットピンパーネルを観てみたいと思っていたのと、朝ドラの村岡花子訳ということで読んでみたいと思っていて、偶然古本屋で見つけて即購入。
結構読むのに時間がかかってしまい、ようやく読了という感じ。前半が登場人物がつながらず、物語の全貌もやや不明でダラダラしていて、登場人物の関係性を理解するのが少し難しかった。前半で投げ出しそうになるも、後半は動きがありサクサクと面白く読めた。
しかし、主人公のマーガリートに感情移入できず、というか好きになれず…ヨーロッパ一の才媛、叡智としつこい位にうたわれるのだが全くそう感じられず、ヒステリックで軽率なところにイライラさせられる。もう少し思慮深く素敵な主人公だったらなぁと思わされる。
まあ、若いし仕方ないのかな…後半の行動力はいいけど…でもいちいちヨーロッパ一の頭脳という感じは全くないな…とモヤモヤしながら読んだので☆3.5(笑)
あとはできればパーシーや紅はこべ団からの視点というか、動きが詳しく知りたかったとも思う。
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以前に呼んだのは子供向けの簡易版だったのかな?記憶より詳細だったような。
マーガリート、途中まで「おいおい」って思ってたけど、舞踏会の後のシーンくらいから俄然、応援したくなった。頑張った!
ハッピーエンドで良かった!
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<べにはこべ>は誰なのか、私の正義とは。
宝塚を観てきたので読んでみたシリーズ。主人公がマーガリートですね。人間関係も結構違います。アルマンは8歳上の兄、両親を亡くしてからマーガリートの親代わりとして二人生きてきた。アルマンはアンジェルド・サンシールを愛したが、身分の為にサンシール侯爵にひどい目にあわされた。マーガリートはそれを忘れず、サンシール侯爵とその家族を告発してギロチンに送り込んだ。それを侯爵のいとこであるトルネイ伯爵夫人は恨んでいる。娘のスザンヌはマーガリートの学友であり、彼女を懐かしんでいるのだが。マーガリートとパーシィ卿の仲は冷え切り、昔馴染みのショウブランは倦んでいる彼女に接近する。
マーガリート視点なのでパーシィが本当に謎。燃え上がった恋愛の日々は本当にどこに行ったんだ、というくらい、不仲状態でずっと進む。マーガリートは兄アルマンのために誰かの命を危なくしてしまうのだが、このアルマンは心配されるアルマンじゃない。そこもマーガリートの弱さとして愛おしい感じだけど。何気にアンドリュウ・フークス卿が大活躍。ラストの大逆転は舞台とは違って、ある意味ちょっと地味だけど、夫婦の物語としてはよい終わり。
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訳、特に台詞回しに古さがあるものの
歴史物以上に、
マーガリートの女性としての心情の変化が、
大変生き生きとして面白い
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会社のヅカオタの同僚から「スカーレットピンパーネル」のブルーレイを借りて視たので、原作も読みたくなり、読みました。
フランス革命を舞台に、絶世の美女マーガリートが、謎のヒーロー「べにはこべ」を追って大冒険、最後は夫の真実の愛に気付いてハッピーエンド。少女小説のロマン満載です。
宝塚版との違いを比べながら読むのが楽しかった。宝塚版は、パーシィ、マーガリート(マルグリット)両方の視点から物語が進行しますが、原作は終始マーガリート視点で描かれています。
最初はマーガリートが高慢ちきであまり好感が持てなかったのですが、真実を知り、今までの自分を反省してひたむきに頑張る姿には心打たれた。終わってみれば傲慢なところも含め、可愛い女性と思えた。
村岡花子さんって有名な翻訳家さんなのかな?古典作品だけど、読みやすかったです。
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"題名は知ってるけど読んだことないので読んでみよう"がマイ•ブーム…というわけではないのだが、試しに読んでみた。その結果………。疲れた。
『いわゆる、昔風の少女マンガって、こういうところから出来上がっていったんだろうなぁ』ということが確認できたのが最大の感想です。あと宝塚ファンの人とかが好きなんだろうと思いました、知らんけど。一見すると冒険活劇なんだけど主役は貴族の女性…とかね。1905年の出版だから、あらすじもテンプレート化してしまっていて先が読めてしまうのも仕方がないもんね。「最後までよく読んだよオレ」と、自分で自分を褒めてあげました。
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うーん、期待しすぎた。
期待しすぎるのはわたしの不幸のすべての原因である(なんの話?)
プロメテウスが行動の前に考える人、エピメテウスが後から考える人、とするとマーガリートは何も考えない人、に見えた。思考を放棄している。
たとえ裏目に出ても、自分で考えて判断して行動して、
「誰かのために勇気をふりしぼって」進むのは女の子であってほしい、と思うのは、80年代少女小説、そのあとの代田さん翻訳のYAを読んできたせいかもしれないけれど。
時代のせいかなあ。
ゼンダ城のプリンセスはもう少しかっこいい。最後のところがとても。
私にはプリンセスとして生きてきたこれまでの人生があり、それも同じくらい大切なものなのです。
翻訳としては、カタカナが少ないのが素晴らしいですね。翻訳家なら、金原瑞人さん、代田亜香子さん、柴田元幸さんあたりが好きです。
なぜか同時進行で14世紀イタリアの話を読んでいたので、虐げられてきた民衆の怒り、悲しみが、貴族に生まれただけで悪いことはしていない、としても許せないくらい、溜まっていたのだと思うと恐ろしいことです。
暴力に暴力で返すのはなんの解決にもならないけれど。
よりよい世の中になっていくとよいなあ。人間の感情は水だとすると、あふれたり持て余したりしたらどうしたらいいんだろう。
正しく流して作物が育ちますよう。