紙の本
刑事の活躍が活き活きとした短編集。
2020/08/21 11:49
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪府警シリーズの黒豆コンビ、吉永と妻デコを中心にした短編集。刑事の足を使った地道な捜査と導き出される。あるいは取調室での執拗な追及と臨場感がありたまらない。
また、黒マメコンビの会話、吉永とデコとの夫婦間での会話が心の通い合った仲にしかない軽妙で味がある。単に漫才の掛け合いではない。
風景描写も細かく、大阪の街が路地裏迄絶妙に描かれその場にいるような気になる。
当時はDNAなどなく、血液型だけでの捜査など時代感はあるが、それも今となっては味がある。
今の著者の筆力で描くとまた一味いいものが醸し出されると思うので、黒マメコンビ、吉永と小沢やデコ、総長とブンなどの大阪府警シリーズを書いて欲しいと思う。
紙の本
てとらどきしん
2020/01/20 21:25
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒マメコンビの作品が読みたくて購入したのですが、短編集だとは思いませんでした。読み進めるうちに内容が精緻でトリックのネタを明かすところも良く書けていると思いました。読んでみたら、その後の黒川作品の原型となる作品が多かった気がします。
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黒まめコンビ等、大阪府警捜査一課果が関わる事件を扱う短編集。
この文庫は2014年に発行されたものだが、読んでいると、古さが感じられ……
あとがきを読んでみたら、表題作の「てとろどときしん」は1987年に書かれたものだった。
大阪人の私は普段、当然ながら大阪弁を話す。
が、いつも思うのだが、大阪弁は活字にするとひらがなばかりでとっても読みにくい。
大阪人の私はそう思うのだが…
大阪弁に馴染のない方はどうなんだろう…
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内容紹介
フグの毒で客が死んだ事件をきっかけに意外な展開をみせる表題作「てとろどときしん」をはじめ、大阪府警の刑事たちが大阪弁の掛け合いで6つの事件を解決に導く、直木賞作家の初期の傑作短編集。
内容(「BOOK」データベースより)
中毒死事件で店を畳んだふぐ料理店。単純な食中毒かと思いきや、閉店前には立ち退かせ屋が姿を見せ、あとにできた店の支配人はつぶれた店の仲居だったことが判明。大阪府警捜査一課のふたりの刑事・黒マメコンビが巧妙に隠された真相を追う―(「てとろどときしん」)。タクシー強盗事件の意外な真実や電車内で見つかった切断された指の謎を、大阪弁の掛け合いで刑事たちが解き明かす。直木賞作家による警察小説の白眉。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
黒川博行
1949年3月4日愛媛県生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。大阪府立高校の美術教師を経て、83年、『二度のお別れ』が第1回サントリーミステリー大賞佳作。86年、『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞を受賞。96年、『カウント・プラン』で第49回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2014年、『破門』で第151回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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大阪人の私としては、知っている地名が多く出てくるので土地のイメージが浮かびやすく、たぶん他の地方の人よりも楽しめたと思う。中には「大淀区」などというその後なくなった名前も出てきて感慨深い。短編集で、テンポよくすいすい読めるが「犯人当てクイズ」として書かれた作品のトリックだけは、再度読み返してもよく分からない。
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疫病神シリーズの「破門」で直木賞を受賞した著者の、デビュー間もない頃の短編集。
警察を舞台にしたミステリー小説の位置づけ。作品名の「てとろどときしん」は、、、なるほど最後にオチがわかる。個人的にはこの作者は長編のほうが面白い。
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こういう刑事モノもあるのか。もちろん事件解決が前提だけれど、トリックや動機よりも、刑事や犯人、関係者の人柄や人生にフォーカスした短編集だった。馴染みのない大阪弁もすんなり読むことができて、楽しい。次は長編を読んでみたいと思うことができた。
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てとろどときしん
指環が言った
飛び降りた男
帰り道は遠かった
爪の垢、赤い
ドリーム・ボート
著者:黒川博行(1949-、今治市、小説家)
解説:西上心太(1957-、荒川区、文芸評論家)
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疫病神のシリーズ以外の作品は初めて読みました。疫病神での建設コンサルタント二宮とヤクザ桑原のテンポの良い応酬がとても好みだったのですが、今回はそれが刑事の黒まめコンビだったりと変わってはいますが短編集でも関西弁での弾むような気持ちの良いやり取りは健在です。決してスカッとするような事件ではないのですがそのおかげですごく楽しく一気に読んでしまいました。警察小説ではありますが時に本格だったり叙述だったりテイストもいろいろです。まだ読んでいない黒まめシリーズを始め黒川さんの他の作品も是非読んでみます。
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特にハマらず。
黒マメコンビのゆるいシリーズは
気軽に読めていいかな。
マメちゃん可愛かった。
内容より会話劇、という印象。
初期作品とのことなので、
まだまだ試行錯誤中なのかな。
長編読んでみたい。
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良かったですよ。ただ警察物って夜中に読むと何だか薄ら怖くなるので、昼間の方が良いね。大阪弁で綴られるかんじとても読みやすくて好きです。後妻業もいっぺん読んでみようかなぁ?
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大好きな黒川さんの短編集。
関西弁の刑事コンビの会話の掛け合いがおもしろかった。
やっぱり短編より長編が読みたくなった。
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【内容】
・短編集。それぞれの事件そのものは一見よくあるタイプですが暴かれる真相にはかなり意外性あります。
【感想】
・それぞれの事件に関わってくる刑事を中心に登場人物たち(とくに会話)が魅力的なミステリ。
・ちょっと前の大阪が舞台で、地元なんで知ってる地名がよく出てきて場所のイメージしやすいです。世の中には東京が舞台の話が比較的多いんで東京の人は有利なんやなあ。
・関西弁がとても自然で読みやすいです。達者やなあと思いました。といいつつぼくも純粋な関西人とはちゃいますけど。
▼簡単なメモ
【一行目】「ほんま、何でこんなえらいめにあわなあかんねやろ」
【黒さん】黒木憲造(くろき・けんぞう)。住居は天神橋筋六丁目のゲタばきマンションの三階。ウチの仕事場のすぐご近所やな。
【誠一】吉永誠一。大阪府警捜査一課深町班所属の刑事。デコちゃんにベタぼれ?
【槌田】日興新聞のベテラン記者。サツ回り。
【デコ】吉永照子。誠一の妻。誠ちゃんにベタぼれ? 公設市場で父親のやってる「岩朝(いわき)塩干店」を手伝っている。探偵として優秀。
【寺田稔】大正署捜査三係の刑事。誠一とは警察学校の同期。
【野村】大阪府警捜査一課の刑事。
【文田】誠一の同僚。
【マメちゃん】亀田淳也(かめだ・じゅんや)。大阪府警捜査一課宮元班刑事。黒さんの相棒。三十近くだが童顔小柄でころころしてるので「マメダ(豆狸)」のマメちゃん。おしゃべり。その辺が武器で刑事としての性能はよい。あだ名の通りマメな性格。千里ニュータウンの公団住宅に妻、娘といっしょに暮らしている。
【三柴/みしば】大阪府警捜査一課の刑事。
【宮元】大阪府警捜査一課。頭頂部が禿げて短い前髪をなでおろしているところから「バテレン」と呼ばれている。
【メガネ】羽曳野南署の刑事。
【モヤシ頭】羽曳野南署の刑事。
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大阪府警の捜査員を描いた短編集。
2話目と6話目は容疑者や事件関係者の視点で、残り4話は捜査員の視点で描かれている。全6話。再読。
* * * * *
個人的に気に入っているのは「黒マメ」コンビが捜査に当たる話。(1・4・5話)
マメのマメさと卓越した推理力が痛快なのはもちろんだけれど、黒マメの会話が何と言っても軽妙でおもしろい。テンポがよくてユーモラス。往年のオール阪神巨人の漫才を彷彿とさせるしゃべくりです。
そして全編に渡って、会話部分で物語を展開させる手法も見事です。もちろん会話でごまかしてしまうような作りではありません。
短編で勝負を早くしなければいけないという縛りがあるにも関わらず、どの話も読み応えがあり、謎解きが納得いく展開だったのもよかった。
ぜひ黒マメコンビの長編を読んでみたいと思いました。
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表題作「てとろどときしん」含む6作の大阪府警・捜査一課事件報告書
「てとろどときしん」は、1987年2月オール讀物に掲載 黒川さん初の短編小説だそう
2023年、令和5年に読むと36年も前になるのか
いまの時代と合わない、だいぶ変わっているところもあるが、悪人のやることは同じ いまも昔も、犯罪は、手口は変わるが、なくならない 金に目がくらんでの殺人、下着泥棒、男女の愛のもつれ
一つひとつ、裏を取り、聞き込みをして、真相に迫る、刑事とは大変な仕事だと毎回思います
最近、黒川さんの初期の作品ばかり読んでいたので新作も早く読まなくては!