紙の本
少女から大人の女性に
2020/03/05 21:57
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
思春期独特の揺れ動く心を描いた、「たけくらべ」は不朽の名作です。表町と横町の対立と、遊女の妹と僧侶の息子とのすれ違いに涙してしまいます。
紙の本
ピンク。
2019/08/15 09:17
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投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る
恋愛小説とは言わないまでも恋愛が幅をきかせる3作。
Aセクの自分には正直あまり面白みを感じられませんでした。
当時の男女感というのが分かる表現が多いのは興味深かったですけど。
ワイニンゲルの話は最初イラッとしつつも、後半で凄く納得。女に恋愛は無い。慧眼。
美登利の終盤の大人しさって本編関係無いやつでは・・・と感じながら読んだら
実際そういう説があると知って納得した。作者が女性だし、そうじゃないかなあと。
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第3回配本、第13巻『樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外』2015年2月14日発売開始!
樋口一葉「たけくらべ」川上未映子が新訳。
他、上京した青年の惑いを描いた漱石「三四郎」と鴎外「青年」。青春小説の傑作を集成です。
「たけくらべ」は新訳。擬古文が訳されることで、より青春世代の皆様にも共感できる作品となりました。
「一葉が今「たけくらべ」を書いたら絶対にこう、と信じきって、全力全愛でとりくみました」
と語る傑作に仕上がっています。
川上未映子氏の公式サイト(http://www.mieko.jp/blog/2014/11/13/654.html)
「一文字一文字をおでこに埋め込んでゆくような気合いとあんばいでもって取り組んできたのやった」
「多くのみなさんにとってもきっとそうであるように、やはりわたしにとって『たけくらべ』がいかにとくべつな作品なのかということを思い知る、ほんとにありがた
い時間でした」
と、一葉への熱い情熱が綴られています。
帯は浅野いにお氏描き下ろし美麗イラスト。一度は読んでおきたい青春小説の名作を、美しい造本でお楽しみ下さい。
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やっと読み終わった。長かった!!!
樋口一葉の『たけくらべ』
夏目漱石の『三四郎』
森鴎外の『青年』
たけくらべは、川上未映子氏の現代語訳版です。初めて読んだ気がします。
あまりにもおっさんが読むには時期を逸しているようで、あまりにも幼いころの話でありそういう感受性は失われていることを認識しました。
三四郎と青年は続けて読むと、非常によく似ており
その雰囲気や情緒が感じられ面白かったと思います。
本当に忘れていたのですが、『青年』は昔昔、大学の1年か
2年の時に読んだことがあることを思い出しました。
その時は、自分の年代とあっていたこともあって
とても感銘を受けたことを思い出しました。その時の
自分の人と群れる感じに対しての嫌悪感や、男女の
関係にての正義感や、潔癖な感じ(本当はその
ころでもずぶずぶだったのですが)。社会や
大人に対しての反発や恐れなんかをもっていたこと
を今再度読んで思い出しました。
その時の感覚は懐かしく、恥ずかしく思いました。
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躍動感いっぱいの現代的なたけくらべ。逆に原書を読まないと。そうすればさらなる魅力がこの訳に詰まっていることが実感できると思うから。漱石、鷗外を含めた全体のテーマは東京の若者。3作品を通じて若者の初々しさ、当時の東京と遠いようで案外近いような感覚を持ちました。
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時は明治、舞台は東京。思春期の少年少女の淡い想いが交錯するた一葉「たけくらべ」(新訳・川上未映子)、上京した青年の惑いを描いた漱石「三四郎」と鴎外「青年」。青春小説の傑作を集成。
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川上未映子さん訳の『たけくらべ』目当て。たけくらべのみ読了。勝手に川上未映子さんと明治文学は全く結びつかないイメージだったので新鮮。怒涛のまくし立て未映子節が今作でも読めたので良かった!恥ずかしい位にピュアな信如と美登利の恋。や、恋とも呼べないような淡い想い。むくわれねーの。
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実際読んだのは「たけくらべ」だけですw
小学生の頃、「ガラスの仮面」でマヤと亜弓が演じた時にざっくり知った「たけくらべ」のお話を、じっくり読みたくて図書館に借りに行きました。が・・・文語体で読めず。
高校で文語体の文章を学べば読めるかもと淡い期待を抱きましたが、私の学力では当然読めずww
高見まこのマンガでも「たけくらべ」を読みましたが、主人公が江戸っ子口調じゃないのでイマイチ。
今回やっとこの作品の世界を楽しめました。
今どきの思春期の子なら、この時期に進路選択を迷いますが、当時の子たちは思春期にはすでに自分たちの運命は決まっていて、しかも自分たちの力ではどうにもならないということを受け入れていこうとする心の動きに切なさを感じずにはいられませんでした。
また、気持ちの行き違いが重なって、好きなのに嫌い、嫌いと思ってしまい、その気持ちを持て余してどう処理していいかわからない・・・そんな心の動きの描写が丁寧で共感できて、やっぱり樋口一葉って天才だったんですね。
訳してくださった川上未映子さん、感謝。
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第三回配本である。なかなか次に進めなかった。中上健次から一挙に現代日本文学の王道に入る。少し尻込みしてしまった。
しかし、「たけくらべ」を現代文に訳して、とっつきやすくして呉れて助かった。何度も挫折していた樋口一葉の作品を初めて読んだ気がする。
朝に夕に、秋の風がしみわたって、上清の店先の蚊取り線香は懐炉灰に替えられて、石橋の田村屋のせんべいの粉をひく臼の音も、もうほとんど聞こえなくなった。吉原でもいちばんの店と言われる角海老の時計の響きもなんだか哀れな音色をおびて、そうなってくると、一年のあいだずうっと目に入る日暮里の火の光を見ていても、ああ、あれは人を焼いている煙なんだよねと、なんともいえない気持ちになる。(48p)
江戸の名残りのある都会の秋の、喪われた風景。その感覚の鋭さにも初めて気がつくし、実は花魁の妹・美登利と寺の子・信如との幼い恋の話ではなく、2人と長吉、正太郎、三五郎たちの少年少女の群像劇だったことに思い着く。
最後、快活な美登利が急におとなしくなったのは、信如がいなくなったからでも、水揚げがあったからでもなく、初潮があったからなのだ、と(研究者の間では論議があるらしいが)私は自然に思った。あれで、物語の子ども時代は終わったのである。
明治28年にそういう物語が閃光を放って消えたあとに、明治41年明治43年と、「三四郎」「青年」が、古文とはっきり決別し、西洋文学を咀嚼して登場する。現代日本文学の青春時代が始まったのである。
その狙いは良く分かったのだが、やはり夏目漱石と森鴎外の代表作品はこのふたつではない。むしろ、ふたつとも後期作品と比べれば駄作に近い。
明治という時代を知るには、面白い巻だった。特に巻末の明治44年ごろの現文京区(旧小石川区・本郷区)の地図は、とても興味深かった。これをスマホにデータに落として、今度東京散歩をしてみたいと思う。
2015年10月12日読了
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川上未映子訳の「たけくらべ」に興味があった。川上未映子訳に対して賛否あるようだが、これはこれで良いのではないかと思う。
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お目当と言えばおきゃんな未映子がおきゃんな美登利をどう描くか興味津々だった「たけくらべ」、しかしながらやはり原作が原作だけに大きく崩すわけにもいかず無難にまとめたかなの印象。
などと偉そうに言うものの実は私自身ガラスの仮面版たけくらべしか読んでおらずマヤの演技が「こんな美登利見たことない!」と絶賛されても「どんな美登利?」程度のものでしかなかったのだ。
水仙の造花が切ないしっとりした悲恋の物語を堪能した上での初くらべ、しっくりくるのは亜弓さんではなくやはりマヤだと思うのですが…そうですよね、月影センセw
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB17993711
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「たけくらべ」の川上三映子の現代語訳がアマゾンなどで酷評されているけれど、僕は悪くないと思った。全編にわたってリズム感があり読みやすい。さすがに散文作家でありミュージシャンであると。ただ、あまりに「現代語」にこだわり過ぎたのではないか。確かに「まんもす校」はいただけない。一葉の文語調に対して口語訳であればよかったのではないだろうか。舞台は僕の家の近所だが、江戸の雰囲気がまだ強く残る明治の色彩を表現して欲しかった。
「三四郎」は高校の時いらい。これが漱石の最高傑作というわけではないと思うが、いきなり「それから」でもないだろうし、良い選択だと思う。今読み返すと長年の記憶違いも多く、楽しく読める。
「青年」も面白い。鷗外は多くの傑作があるにもかかわらず、いまだに高校の教科書には「舞姫」が収録されているそうだ。これでは鷗外を読まなくなる人を増やすだけでしかないのではないか。
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2016/10/22
たけくらべ
これまで、樋口一葉がなぜお札に載っているのか不思議だった、という以前に気にもとめてこなかったのだけれど、たけくらべ、面白すぎて一気読み。文体が軽快でリズミカル。読んでて気持ちがいい。そして何より、思春期の登場人物の心の内を表す文章は秀逸で、それはもうかゆくてかゆくてたまらない背中をピンポイントでさすってもらったかのように、私の胸にストンと落ちた。今回は川上未映子さん訳で楽しんだが、また違う翻訳でも読んでみたい。
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いやはや、これは。
はぁぁあ。
なんとも。
いいっ!
カーソン・マッカラーズの「結婚式のメンバー」のあとがきで、「たけくらべ」を思い出した。だなんて村上さんが書いてたもんだから、気になって気になって文庫をペラペラとめくってみたんですが、原文はもとより、口語訳でさえなんだかちんぷんかんぷんと思ってたところ、池澤夏樹編の日本文学全集で、川上未映子が訳してるって聞いて、そりゃぁ好きだわきっとと思い、このかわいいピンクの全集を手にしました。
それがほんとに私にしっくりピッタリ!だって川上未映子の「乳と卵」も、「先端で、さすはさされるわ…」も面白いねと思ってたから、そりゃもう楽しめたし、好きだったし、これ読む前に川上未映子の普通の小説も読んでおこうと思って「ヘヴン」も読んだとこだしで、しっくりハマりすぎました。
なんて繊細で、生き生きとした物語がえっといつの時代ですか?これは江戸ですかね?一葉が書いたのは明治ですかね?まぁとにかく大昔に、私の大好きな青春文学の世界が繰り広げられていたとは…
大黒屋の軒先で信の鼻緒が切れて、声もかけられない切ない美登利のあの姿、あれを知っているのはやはり「ガラスの仮面」で読んだからですけどもww
いやぁ、美登利は、「悲しみよこんにちは」のセシルだったー!!