ウィンディ・ガール （光文社文庫 サキソフォンに棲む狐）

音楽に生きる少女の物語

ジュンク堂書店福岡店さん

高校1年生の永見典子が街の質屋で手に入れたアルトサックスには、クダギツネのチコが棲みついていた!?高校の吹奏楽部で音楽に打ち込む典子だったが、そんな吹奏楽部で起きるいくつもの不思議な事件。その謎を典子とチコは解き明かしていくが……。

音楽に情熱を注ぐ少女と不思議なクダギツネが送る物語。不思議な生き物は存在していても、現実の事件は不思議なだけでは片付きません。またそんな不思議な事件を不思議な存在が解き明かすという展開は若干皮肉が効いており、青春ミステリーでありながら一風変わった作品に仕上げています。

この物語の核はなんといっても主人公である永見典子。肉体的にも精神的にも立場的にも“強い”わけではありませんが、音楽が好きという芯の強さだけは誰にも負けません。どんな苦境に立たされても音楽を諦めないその姿勢は、時に周囲すらも変えていきます。

ちょっと重めのストーリー展開でありながら所々笑いどころもあり、さらっと読むことも出来る物語ですが、最後は衝撃の展開!!続きが非常に気になる終わり方なのですが、同じく続きが気になった方は2014年8月に続編「ストーミー・ガール」の単行本が発売されていますので、ぜひそちらもご確認ください。