電子書籍
シリーズ完結。
2022/05/04 22:00
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投稿者:michaq - この投稿者のレビュー一覧を見る
全く違う媒体ですが、ゲームのジャッジアイズの2作目のプレイして本作を思い出しました。悪いことをしても裁かれない、裁けないなら罪を隠して私刑を加える。著者の他の作品でも感じるけれど、正義とは悪とは一概に言えないのでは…と考えさせられます。1、2作目よりもボリュームが多く世界観を完結するに相応しい1冊でした。
紙の本
テレビドラマ化で
2017/07/10 04:14
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投稿者:ろぺ - この投稿者のレビュー一覧を見る
WOWOWの放送は観れないのでストーリーが気になり、購入したのですが、書かれた年代が少し前なのですが、思った通り面白かったです。そして、考えさせられることも多かったです。
紙の本
症候群三部作 最終作
2020/06/15 15:30
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投稿者:neige - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人を他人から依頼されて代行する者がいるかもしれない。警視庁の環敬吾は特殊工作チームのメンバーを集め、複数の死亡事件の陰に殺し屋の存在がないか探れと命ずる。事件の被害者はみな、かつて人を死に至らしめながらも、未成年であることや精神障害を理由に、法による処罰を免れたという共通点があった―愛する者を殺されて、自らの手で復讐することは是か非か。社会性の強いテーマとエンターテインメントが融合した「症候群三部作」の掉尾を飾る傑作!【「BOOK」データベースの商品解説】
ドラマを観たので原作を。
ドラマより登場人物が多くて少し混乱気味。
法で裁かれない加害者に復讐することは是が非か。
個人的には被害者家族になったらと考えると、「あり」
まぁ、それで気持ちが晴れるかと聞かれれば、晴れないだろうけど。
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2002年、貫井徳郎の症候群三部作の三作目。
警視庁の特殊任務チーム、今度は殺人事件に挑む。
この作品は文庫で712ページにもおよぶ大作。読む前からその分厚さに気力が萎えてしまうほど。のっけからむごい殺害シーンから始まる。どうなるの?たたみ掛けるように話が展開していきグイグイと引っぱられる。
加害者が未成年者や精神障害者であれば殺人でもその量刑が、被害者遺族からすればあまりにも軽すぎる。その憤りをどうするべきか?法治国家であればそれに従わざるをえず私刑を加えることはできない。
にもかかわらず加害者がその後、なぜか殺されるという事件がおこる。被害者遺族の犯行を立証できず、まさに現代の必殺仕事人、職業殺人者が存在するのだろうか?
さらに、別の殺人の話が絡んでくる。心臓移植を待つドナーの母親が息子のあらたな心臓を得ようとドナーカードを持つ若者を次々と殺していくという。殺した相手の心臓が確実に自分の息子に移植されるとは限らないにもかかわらず息子を救うために他人を殺すという。
結構、展開が強引過ぎるところもある。そんな偶然があるのかと首を捻る場面もある。しかもそれぞれの登場人物の場面が同時進行的に小刻みに変わるため一気に読まないとこんがらがってくる。それぞれ無関係かと思われるストーリーがいつしか結びつきラストへ一気に持っていかれた。
現実の世界でも起こっているような殺人事件。自己中心的な殺人、自分の大切な人のための殺人。
身近に起こってもおかしくない恐怖を感じるとともにいろいろと考えさせられる内容でした。
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「“症候群”シリーズ」として一部に知られているという3作品だが、“シリーズ”と言うよりも、何か「第3部―殺人症候群」に収斂する「長大な一作」という趣だ…この『殺人症候群』は名作だと思う。
『殺人症候群』で問われる怨恨と復讐、復讐と正義、正義と暴力、命や愛というテーマ…考えさせられた…本作の“主要キャスト”ということになる、原田、武藤、倉持の3人だが、各々が「何かのシリーズの主役」であっても違和感が無い程度に惹かれるものが在る…
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「失踪症候群」「誘拐症候群」に次ぐ、症候群シリーズの3作目にして最後。
登場人物と活躍する組織は3作とも共通するため、1作目から読むとより深く楽しめるが、この作品から読み始めても十二分に楽しめる。
心無い少年犯罪に巻き込まれ、愛するものを無残に奪われたやり場のない怒りを、復讐代行という形で晴らしていく職業暗殺者。
加害者少年への手厚すぎる擁護に、被害者側苦しめられる。現代日本の抱える深い闇が恐ろしくもリアルに描かれている。
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少年法、精神障害に阻まれ、加害者は法の裁きを免れる。
更正のため、病気のため…被害者遺族にとっては到底受け入れることの出来ない現実。
そんな怒りを請け負う者がいるのではないか…
警視庁の特殊工作グループが動き出す。
しかし、そこには大切な人を失い、傷付けられ、復讐したいと強く願う人たちの思いが渦巻いている。
それはいけないことなのか…
社会的な難しいテーマ。
2022.12.11
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評価は4。
内容(BOOKデーターベース)
殺人を他人から依頼されて代行する者がいるかもしれない。警視庁の環敬吾は特殊工作チームのメンバーを集め、複数の死亡事件の陰に殺し屋の存在がないか探れと命ずる。事件の被害者はみな、かつて人を死に至らしめながらも、未成年であることや精神障害を理由に、法による処罰を免れたという共通点があった―愛する者を殺されて、自らの手で復讐することは是か非か。社会性の強いテーマとエンターテインメントが融合した「症候群三部作」の掉尾を飾る傑作!
殺人の被害者保護に関することは永遠の課題だと思う。ここに着眼点を置いておりとても興味深く読めたが・・・響子の浅はかな行動や考え方が今一。更に言えば同じ事に関する説明や心の中の言葉が多すぎて少々面倒に感じた。
しかし、歩が彼とは・・・ここは驚かされたわ。
結末に関してはこの作者特有なんだろうな~。誰が生き残ってどうなったのかは読者の想像で終わり。
分かっていたはずなのにもやっとした。
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殺人の動機色々。憎むべきは加害者か被害者か。洋画なら職業殺人はヒーローかも。鏑木刑事の出来すぎた捜査は、のちにそういう事だったのかと感心。凄いミステリーだった。
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理不尽に他人の命を奪った者は罪を償えば許されるのか?
そもそも罪を償うとはいったい何を指して言うのか?
誰がその罪を許す権限を持っているのか?
答えのない問題を突きつけてくるような・・・そんな物語だ。
愛する者が突然に奪われたとき、その死を受け入れることが簡単に出来るはずがない。
わずかでも救いがあるとすれば犯人が逮捕されることぐらいだろう。
だが、犯人が未成年の場合、その氏名すら被害者家族は知ることが難しい。
加害者側からの謝罪すら受けられないこともあると聞く。
少年法とはいったい誰を守る目的で作られたものなのだろう。
「更生の余地がないとは言えない」
この言葉で加害者の人権は法の下で守られる。
人の命を奪うということがどういうことなのか。
それすらも理解できない人間に反省などできるはずもない。
少年だから、まだまだ人として未熟だから、病気なのだから。
そんな理由で諦めろと言われても、果たして本当に諦めることができるだろうか。
奪われた命は何をしても戻ってはこない。
遺族や関係者たちの心に刻まれた深い傷もまた、簡単に消し去ることなどできない。
加害者が誠心誠意反省し、その後の人生においても自分のやったことの責任を果たし続けるならば、もしかしたら許す日が来るのかもしれない。
でも、辛く哀しい出来事を忘れることは絶対にないだろう。
倉持のしたことに正当性があるのかどうかといえば、法的にも倫理的にもないと思う。
けれど、加害者にも苦しんでほしい。忘れてほしくない。
そう願う被害者側の感情も倉持の思いも理解できる。
やり切れない結末に、答えのでない問題がのしかかってくるような気がした。
長編ではあるけれど、あまり長さを感じることなく読み終えられた。
ずっしりとした手応えが残る物語だった。
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読み応えがあり、重厚感あり、読んでいて辛くなってしまう物語であった。正義とは何か、絶対悪とされる人物を許さないがゆえ、やり場のない怒りを感じたり、加害者はいずれ社会に出てくるが失われた家族はもう戻って来ないという遣る瀬無い気持ちを感じたり、途中途中出てくる残虐なシーンは身震いする程で気分が良くなかった。加害者の反省の弁がない気持ち、起きてしまったから事の重大さに気づかない事が感じられる場面からも今後更生させるにはどうすれば良いのかいうか問題が浮き彫りにされている、司法の問題も感じられる。
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途中まで騙されていたことの悔しさは置いておいて、凄まじい内容に一気読み。加害者の復讐という解決出来ないテーマをかなり掘り下げて描いていて読み応え充分だった。
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何とも救いのない話ではあった。
前2作を読んでいれば印象が違ったかも知れないが、裏の捜査チーム各人の行動理由が良く見えない。
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内容が重過ぎて、心の整理がつかなくて、なかなか読み進めなかった。小説としては、凄いです。読み終わった今は、クタクタです。
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未成年や精神障害者に大切な人を殺されても、犯人は正当な罪に問われることもなく、被害者遺族は泣き寝入りをすることしかできない。しかし、自分に変わって犯人を殺害してくれる、と言う職業的殺人者がいたとしたら。 症候群シリーズ最終巻。とんでもなく面白かった。この本が埋もれているのは惜しい。ただ、まあまあな前二巻を読んでからのこれというところが、より面白さを増している。