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商品説明
世界は野蛮で残酷な牢獄に満ちている―。その「虜囚たち」の姿を容赦なく描いた、超異色短編集。【「BOOK」データベースの商品解説】
世界は野蛮で残酷な牢獄に満ちている−。時代や場所に関わらず、社会に時折現出する抑圧と奴隷状態。その「虜囚たち」の姿を容赦なく描いた異色短編集。『新潮』ほか掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
突然原理主義者らしき兵士に襲われ、泥に囲まれた島に囚われてしまった女子高生たち(「泥」)。村の長老との結婚を拒絶する女は舌を抜かれてしまう。それがこの村の掟。そしてあらたな結婚の相手として、ある少女が選ばれた(「雀」)。アイドルを目指す「夢の奴隷」である少女。彼女の「神様」の意外な姿とは?(「神様男」)。管理所に収容された人々は「山羊の群れ」と呼ばれ、理不尽で過酷な労働に従事せざるを得ない。そして時には動物を殺すより躊躇なく殺される。死と隣り合わせの鐘突き番にさせられた少年の運命は?(「山羊の目は空を青く映すか」)。
時代や場所にかかわらず、人間社会に時折現出する、さまざまな抑圧と奴隷状態。それは「かつて」の「遠い場所」ではなく、「いま」「ここ」で起きてもなんら不思議ではない。本作を読むことも、もしかすると囚われのひとつなのかも――。
何かに囚われた奴隷的な状況であることのみが共通する、七つの物語。桐野夏生の想像力と感応力が炸裂した、超異色短編集。【商品解説】
収録作品一覧
雀 | 5−25 | |
---|---|---|
泥 | 27−46 | |
神様男 | 47−68 |
著者紹介
桐野 夏生
- 略歴
- 〈桐野夏生〉1951年金沢市生まれ。「柔らかな頰」で直木賞、「女神記」で紫式部文学賞、「ナニカアル」で島清恋愛文学賞、読売文学賞を受賞。
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紙の本
発想がすごい
2015/10/22 22:24
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「東京島」にしろ「残虐記」にしろ、発想が素晴らしい作家だと思う。本書の場合も生の根源に迫るテーマを7編、短いながらもじっくり読ませてくれた。人間は、まさに様々な意味で奴隷だと知らされた。