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紙の本
枯木灘 新装新版 (河出文庫)
著者 中上 健次 (著)
紀州・熊野の貧しい路地に、兄や姉とは父が異なる私生児として生まれた土方の秋幸。悪行の噂絶えぬ父・龍造への憎悪とも憧憬ともつかぬ激情が、閉ざされた土地の血の呪縛の中で煮えた...
枯木灘 新装新版 (河出文庫)
新装新版 枯木灘
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商品説明
紀州・熊野の貧しい路地に、兄や姉とは父が異なる私生児として生まれた土方の秋幸。悪行の噂絶えぬ父・龍造への憎悪とも憧憬ともつかぬ激情が、閉ざされた土地の血の呪縛の中で煮えたぎる。愛と痛みが暴力的に交錯し、圧倒的感動をもたらす戦慄のサーガ。戦後文学史における最重要長編「枯木灘」に、番外編「覇王の七日」を併録。【「BOOK」データベースの商品解説】
【毎日出版文化賞(第31回)】【芸術選奨文部大臣新人賞(第28回)】紀州・熊野の貧しい路地に、兄や姉とは父が異なる私生児として生まれた土方の秋幸。悪行の噂絶えぬ父・龍造への憎悪とも憧憬ともつかぬ激情が、閉ざされた土地の血の呪縛の中で煮えたぎる…。表題作ほか、番外編も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
枯木灘 | 5−371 | |
---|---|---|
覇王の七日 | 373−391 |
著者紹介
中上 健次
- 略歴
- 1946年和歌山県生まれ。74年『十九歳の地図』でデビュー。76年『岬』で芥川賞、77年『枯木灘』で毎日出版文化賞、芸術選奨新人賞を受賞。他の作品に『千年の愉楽』『地の果て 至上の時』『日輪の翼』等。
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紙の本
秋幸三部作の中でも大傑作
2024/01/26 22:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
秋幸三部作と言われる中の二作目である。大傑作です。小説というより、まさに物語です。とてもリズムがある文体で、同じフレーズが何回も出てくる。それがいいリズムになっている。中上健次はこのくらいから、とてつもない作家になっていったような気がする。
紙の本
中上健次氏によって1977年に発表された非常によく出来た長編小説です!
2020/05/31 09:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、昭和に活躍した中上健次氏による初の長編小説として話題になった作品です。1977年に発表された作品で、発刊当初「このいとおしい思い、この激情、人の寄って立つ土地と血への愛と痛みとを、自然に生きる人間の原型と向き合い未生の暗闇に探って、現実と物語のダイナミズムを現代に蘇らせる話題作」と評されました。同書の内容は、紀州の「路地」を舞台に、肉体労働に従事する青年を中心とした複雑な血族の愛憎の物語となっており、それが中上氏の緊密な文章で描ききられています。毎日出版文化賞、芸術選奨新人賞を受賞した名作です。
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根源的なもの
2023/08/29 11:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ダタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
描かれる風景や人間たちは
あまりに日本的であり土着的であるが
立ち上がってくるドラマは
国や土地を超越した普遍的なもので、
神話の様な気配が漂っている。
繰り返される労働と
夏の山野の描写に
不思議な高揚感を覚えた。
夏の炎天で全ての輪郭が溶け、
ごろっとした生命の塊が現れた感じ。
唯一無二の作家。
もっと生きて欲しかった。
紙の本
「血」の匂いがする小説
2019/01/26 22:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
強烈だ。フォークナー、ドストエフスキーを読んでいる時と同じような、血のにおいがする泥を全身に浴びたようなの衝撃が走る。この小説にたびたびでてくる「路地」というのは、はっきりというと「被差別部落」のことだ。舞台設定されている今から50年近く昔だと、部落内と部落外のもの同士の結婚というのはそう多くなく、部落内のもの同士の結婚が多かったことが、この小説のテーマである「地縁」と「血縁」をさらに深く色濃く掘り下げられていく。中上自身も、舞台となっている路地の出身であり、「あの男」と呼ばれている主人公、秋幸の実父・龍造も中上の実父がモデルになっていると言われている。この路地にある、血がつるはしにまとわりつく40年代も村上春樹の小説にでてくる静かにジャズが流れる40年代も同じ40年代なのだ
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今まで読んだ中で一番つまらない本
2016/07/08 02:48
4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る
複雑な人間関係を描いた作品だが面白くない。
まず、キャラが悪い。登場人物の大半がクズか鬱陶しいくせに個性が薄っぺらい。居なくてもいいキャラが、過去の出来事をグダグダと話すばかりで不快なだけである。
さらに、これといった事件が終盤まで起こらずとてもつまらない。
そして、ことあるごとに過去と現在を結び付けるが、場面転換が唐突で分かりづらく読んでいてイライラが募る。エピローグが特にひどい。
キャラが悪く、退屈で、読みにくい。正に不快要素の数え役満である。
作者は「人は過去に囚われるものだ」ということを言いたかったのだろうが、つまらなさすぎて小説失格。Amazonでベタ褒めされていたから読んでみたががっかり。他人の評価などあてにならないということを学べたことにしか価値を見いだせない作品だった。