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商品説明
北の大地・北海道にある特殊な私設博物館「レトロスペース・坂会館」。始まりはゴミ捨て場にあった一体のマネキンからだった−。生涯かけてモノを蒐めた男・坂館長と対峙した渾身のドキュメント。【「TRC MARC」の商品解説】
始まりはゴミ捨場に打ち捨てられていた一体のマネキンからだった。生涯をかけてモノを蒐めた人間の、人生を凝縮した私設博物館。都築響一氏の『珍日本超老伝』(ちくま文庫)でも紹介された坂館長。混沌は一滴の雫から始まり、整然とした大河の流れとなる。超人・坂館長と対峙した渾身のドキュメント。
北海道人なら誰もが知っているというお菓子に「坂ビスケット」がある。それを製作しているのが坂栄養食品工業(札幌市西区)だ。そして、同じ敷地内に不思議な博物館がある。交通量の多い大通り。見上げるとガラス窓には下着や水着を身に着けたマネキンがずらりと並んで見える。一般人はそうした雰囲気から、それはいかがわしいところではないかと思っている。レトロスペース坂会館は秘宝館とは違う。運営するのは坂一敬館長。入り口には、裸体絵があり、お色気ポスターもあり、そして裸像もある。それは「混沌」だけではなく、たしかにどこかいかがわしさを感じさせる。ゆえに当館内に入るには勇気が必要なのだ。モノを集めるという行為には限りなく大きなエネルギーが必要である。強い意志も大切になる。その持続がなければ多くのものは集まらない。哲学的蒐集家・坂館長の頭の内部を徹底的に覗き見る。【商品解説】
著者紹介
北野 麦酒
- 略歴
- 〈北野麦酒〉1958年生まれ、札幌育ち。業界紙、経済誌の記者を経て、フリーランスライターとして活動。
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紙の本
「昭和の心」(143頁)を飾る私設博物館
2022/04/10 10:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
知る人ぞ知る「レトロスペース・坂会館」(北海道札幌市)に関するルポルタージュ・ノンフィクション。評者がかの太田八重子について調べていたところ、同会館のことを知り一読。個性的な(というべきでしょう)坂一敬館長のキャラと人生と蒐集の歩みで読ませる一書でした。(評者が入手したのはたまたま館長のサイン本でしたが、「志 坂一敬」と記されています。)
「坂館長と話していると、必ず昭和は人を信用できた、人間が人間を信用できる最後の時代だったのかもしれない、という。今は違うという言葉が坂館長の口から出てくる。」(94頁)
「「人にいろいろなことを訊くことがなくなった。旅行をしていても隣の人と話すことがない」 昭和の時代はそうではなかった。すぐに隣の人と仲良くなった。困った人がいたらすぐに手を差し伸べた。昭和の時代はそうした時代だった。」(106頁)
「それが自殺の本当の理由なのかも分からない。ただ、こうした事実をその後、週刊誌のトップ屋といわれる人たちが調べた。それを坂さんが先輩後輩ということで聞き出したという図式だった。「自殺したところの海岸というのはゴミの山で、とても歩けたものじゃないと。靴を脱いでいた。自殺した足の裏は何もついていなかったんだって。それでも自殺で終わりね。先輩から聞いた。」(135~6頁)
「太田さんはピンク映画にもなった。モデルさんは本名を名乗らない人が多いから、太田というのも本名かどうかは分からない。あくまでも、私もそう思う。」(148頁)
(鶴田浩二は)「特攻崩れとなっているが、あの人は整備兵だから、特攻とは何の関係もない」(158頁)
「太田さんの体調が悪くなったのはレントゲンのモデルのせいだと思う」(188頁)
なお、肝心の太田八重子に関する記載は、本書の130~8頁と148頁、187~9頁にあります。ご参考までに。