紙の本
長谷川一家の激しい東京ぐ暮らし
2020/03/11 21:53
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
父を早くに亡くし、女ばかりになった長谷川家。お母さんがワンマンだからなのか、それとも長谷川町子さんが、型破りする内弁慶だからのか。その苦労ぶりが、気にならなくなる不思議。もしかして、「いじわるばあさん」のモデルって作者自身?本書を読んだのちに、サザエさんなりいじわるばあさんなり再読すれば、また違う世界が広がりそうです。
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
サザエさんのモデル一家が語る昭和の良き時代の家庭。懐かしくもほのぼのとしていて、苦しくてもホッとできる世界がそこにはあった。
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ご参考までに。
“単行本 ニ○○八年四月 朝日出版社刊
「先輩たちとのお付き合い」「それからの
七年」は文庫のための書き下ろしです。”
〜232頁より〜
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ところどころの文章を、何かで読んだ気がするんだけど、なんでだろう……?
それはまあいいとして、あまりにも有名な「サザエさん」の作者、長谷川町子さん。
読んで思ったのは、「敵に回したくない人」。
子供の頃は喧嘩だって男の子に負けないくらい強いし、過去にあったことをいつまでも恨みに思ってるし(笑)
極度の人見知りで、かわいらしいなあと他人は思うところもあるけれど、身内だったら大変だったんじゃないかな。
年を取ってからの、洋子さんと町子andまり子の確執は、洋子さんの方に同情します。
母や姉たちに何もかも決められる人生。
そんな中、六十近くなってからの独立宣言。
すごいじゃないの、がんばれ!と笑って送り出してあげてもよさそうなものなのに、お姉さんたちは許せなかったんでしょうね……。
なんだか残念です。
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あまりにも有名な長谷川町子さんの実妹、洋子さんが描く長谷川家の話。
もっとサザエさんっぽいコミカルな楽しい話だと思ったら、年齢を重ねるにつれ、姉妹の確執やら寂しい話も多い。3姉妹+母の女だらけの家族だとこうもなるかな。。
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季刊誌『考える人』の、この冬号の「家族ってなんだ?」特集や、その後ミシマ社のサイトで読んだ編集長インタビュー※がおもしろかったので、以来「考える人」メールマガジンに登録。
メルマガは週に1度で、こないだは『サザエさんの東京物語』が紹介されていて、おもしろそう!読みたい!と思ったら、文庫になったばかりのようで、午後になって本屋へ行って買う。そして、日が暮れるまでに読んでしまった。
これは、サザエさんやらいじわるばあさんを描いた長谷川町子の実妹・長谷川洋子さんが"姉の素顔"、家族の中での町子のことを書いた本。著者は文庫版あとがきで、「私の見た町子像も、妹という限られた立場から見た町子の一面にすぎないこと」(p.222)をことわっている。
長谷川町子は極端な人見知りで知られたというが、それは一家で上京したあとのカルチャーショックがあまりに大きかったのかもしれない。うまれ故郷・福岡での小学校時代、町子の「悪童」ぶりがスゴすぎて、読みながらあちこちで笑ってしまう。帰ってきた同居人に読んで聞かせても笑っていた。
おもしろくて、そして3姉妹の「末妹」が書いたところに、3姉妹の「姉」の私はあれこれと妹のココロを想像し、姉たちの胸のうちを想像しながら、寝るまでにもう1周読む。
姉ちゃんたちが「串だんご」と称した3姉妹は、妹の遅い"自立"で溝ができ、歩いて10分くらいのところに住んでいたのに、以来、姉たちは妹を"許さなかった"らしい。死ぬまで妹と会わず、手紙さえ開封せずに送り返してきたという。
姉たちは、妹が自分の思うように生きたいということの、何が気に入らなかったのだろう。それから死ぬまで会わずに通すほどの怒り(?)は何なんやろう… と、「姉」の私はしばし考えてみたけど、よくわからなかった。
この本を書いた「妹」は、「大学なんてやめてボクの社に来なさい」(p.46)という菊池寛の一言で、大学を途中でやめて文藝春秋へ入っている。もしかして石井桃子と時期が重なってる?と思って石井桃子の評伝の年譜をみたら、数年ズレていた。とはいえ、この頃の文春は、一介の女子大生にも心を配り、入ったばかりの新入り女性に仕事を与えるなど、菊池の度量の大きさがひかる。
そして、姉妹たちの「母」がスゴイ。35才で夫に死なれ、その後、上京して娘たちを育て、戦中に福岡に疎開するも、戦後には再び上京して「姉妹社」(サザエさんの本などを出した会社)をつくったり。娘たちには、毛利元就の三本の矢の話で説教し、「姉妹社という粟粒のような存在でも、三人が心を一つにして邁進すれば、社会に立ち向かうことが必ずできる」(p.67)と熱弁をふるったという。
この母の熱弁については、こう続く。
▼母がいう社会とは、背広を着てネクタイをしめている集団のようで、男社会の中で女性がいかに不利かということを身をもって実感した母らしく、言葉のはしばしにそれが強調された。その影響で、娘達には男性、即、敵という観念が培われたような気がする。(p.67)
この女性たちは、町子が1920(大正9)年うまれ、その姉が一つ上で、妹である著者が1925��大正14)年うまれ、母上はおそらく明治30年頃(1897年頃)のうまれのようで、男社会の中での苦労は、いまよりもずっとずっと大きかったことだろう。
一方で、著者が女子大の数専科へ行きたいとがんばったとき、町子姉はなぜかものすごく反対したらしい。「ダメよ数学なんて、お嫁のもらい手がなくなるわよ」「国文科にしなさい。国文科。女らしくていいじゃない」(p.43)と言い、最後には「大体ね、理数系なんて女がやるものじゃないのよ、元々、男性とは頭の構造が違うんだから」(p.44)とまで言って、大手をひろげて通せんぼせんとする迫力だったと。
小学校時代には男の子との喧嘩も辞さず、ギュウという目にあわせたのが町子だというが、なぜに妹に対しては「女らしさ」だの「嫁のもらい手」だの「頭の構造が違う」などと言ったのだろう?
町子の仕事のあまりの忙しさに、健康を案じて、家族は何かにつけて「こんなしんどい仕事は、もうやめたら」(p.222)と頼んでいた。だが、あるとき町子が「でもね、いい作品ができたときの嬉しさや満足感は、あなた達の誰にもわからないと思うわ」(p.222)と語るのを聞いて以来、著者は口をはさむのをやめたそうだ。
これが作家というものだろうか。
妹の綴った物語を読んだあと、町子自身が書いた"自伝"(かつての朝ドラ「マー姉ちゃん」の原作になったもの)があると知って、その『サザエさんうちあけ話』を図書館で借りてきて読んでみた。
町子の自伝を読んでみても、こんなに仲良くやってきた姉妹の関係を、なぜ姉達は切ったのだろうと、それがやはり気になる。
(3/26了)
※『考える人』編集長・河野通和さんインタビュー(ミシマガジン)
http://www.mishimaga.com/special01/065.html
http://www.mishimaga.com/special01/066.html
http://www.mishimaga.com/special01/067.html
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サザエさんで知られる、長谷川町子の妹さん。
文藝春秋社に入社後、『姉妹社』にて長谷川作品の出版に携わり、その後は『彩古書房』で、児童心理学を中心とした、ご自分の納得のいく本を出版して来られた。
本書は、長年編集に携わってきた作者の、最初の著作。
とても初めての著作とは思えない、読みやすく、味わいもあり、品格のある文章で、末っ子の目から見た長谷川家を描かれている。
やはり家族の目から語るせいか、臨場感半端なく、皆生き生きとしている。
母、まり姉、町子姉、強烈なキャラクターである。
作者はその中でこまごまとした用事をもくもくと片付けている、という印象。
長谷川町子は、サザエさんっぽくもあるけれど、いじわるばあさんにも似ているな~
海外旅行でのバッグの置き忘れ話など、漫画を読むように面白い。
そんな、串団子3姉妹から、離れて自由に生きたい、と思ったのは50代半ば。
姉たちは彼女を許さなかった。
特にまり子姉の怒りは激しく、町子の死も作者には知らせず、最後まで手紙も突き返し、とうとう亡くなるまで和解を拒んだ。
家族というものを考えさせられる一冊でもあるが、男社会で、昭和をたくましく生き抜き、必死で働いた女たちのエネルギーあふれる書である。
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筆者は、サザエさんの作者・長谷川町子さんの妹。
サザエさんで描かれる昭和の原風景のような三世代同居の家庭ではなく、母と三姉妹の型破りな家庭でのあれこれ。
戦前・戦中・戦後と、なんて力強く賑やかに生き抜いてこられたことか。
還暦も近くなった頃、これまでどおり、いっしょに遊んだり助け合ったりしながらも、姉たちと別の家で自分の時間を持ちながら余生を送りたいとの彼女の思いが、姉たちに拒絶され、絶縁という形になってしまったことは、なんと言っていいのか・・・。
だけど、その後も、小さな出版社を起こし、自分の思いに沿った本を世に送り出そうとする筆者の生き方は、とても豊かなもののように思います。
とりわけ、アメリカで癌の闘病中だったフリージャーナリストの千葉敦子さんの本を出したいと感じ、全く面識もないところから依頼の手紙を送るくだりは、私もあのころ、週刊朝日で連載されていた千葉さんの闘病記を読んでいて、幼いながら、なんて大人でかっこいい女性なんだろう、と感じてただけに、印象深かったです。
洋子さんも、やりたいという気持ちに、とても素直で、強さを秘めた方なのでしょう。
近所の図書館の蔵書検索で、今はなき、彩古書房の本を見つけ、なんだか、うれしくなりました。
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ブログに掲載しました。
http://boketen.seesaa.net/article/418875653.html
妹の目から見た長谷川町子一家。女6人家族の迫力に圧倒される。
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サザエさんやいじわるばあさんを書いた長谷川町子さんの妹、洋子さんの視点から見た家族のことが書かれている。長谷川町子さん、結構強いキャラだったんだなー。
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サザエさんの作者長谷川町子の妹が語る、三姉妹と母の日常。
戦争に向かう日本で50歳前後の働き盛りで亡くなった父の無念。
残された母の果断な行動力。
姉妹3人は「串だんご」のように結束して母のもとで生き抜いてゆく・・・
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長谷川家の日常における小話がたくさん読めて楽しい。
しかし妹の洋子さんが出版社を立ち上げ、
我がバイブル「ニューヨークの24時間(千葉敦子)」を手掛けられたとは驚いた。
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母の影響で子どもの頃から朝ドラ好き。「マー姉ちゃん」も楽しく見た思い出深いドラマの一つ。そのドラマで扱った時代から後日談も含んだ1冊。ドラマで取り上げられた以後の三姉妹の軋轢にはとても残念な思い。文章はすっきりとして読みやすいが所々両姉への感情が見え隠れする。あくまでこの本は洋子さん側からの視点であり、溝ができた本当の理由、姉たちの言い分はわからないが、母親が亡くなってからの断絶はまるでエプスタイン死亡後分裂していったビートルズのそれのよう。本のタイトルに「サザエさん」の名前を使い、表紙絵にサザエさんの絵を使えたのは姉たちの死後だったからだろうか。洋子さんが出版社を立ち上げ、あの千葉敦子さんの本を出版されていたことは知らなかった。
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文庫向け書き下ろしの「その後の7年」のエピソードも入っています。長谷川家の物語…ですね。筆者の洋子さんが千葉敦子さんの本を出版されていたこと、初めて知りました。
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「家族」、それも同じ性別の妹洋子さんの目から見ての長谷川町子像。他にも語られる様々な昭和のエピソードも併せて、懐かしいような、独自の息苦しさのような、「リアル」さがあった