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前作『異業種競争戦略』のわかりやすさはそのままに、事例やフレームワークがアップデートされた印象。事例を扱った競争戦略の本は旬を過ぎると陳腐化してしまうのが悩ましい。
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事例集。もう少し深堀してほしい。
参考
「既存事業の防衛戦略 ―新たな挑戦者にどう対応すべきか―」と題して行われたこの講演の最後に内田教授は、「またか、と言われそうだけど」と独りごちながら、20世紀フランスの文学者マルセル・プルーストの次のような言葉を紹介してみせた。
『本当の発見の旅とは、新しい土地を探すことではなく、新しい目で見ることだ』
慌てて手元の書物を紐解いてみる。2009年の著書『異業種競争戦略 ビジネスモデルの破壊と創造』、そしてこの日の講演に合わせるかのように発売されたばかりの新刊『ゲーム・チェンジャーの競争戦略 ルール、相手、土俵を変える』。5年の時を挟んで双璧を成す両冊の掉尾を、内田教授は確かに同じプルーストの、同じこの言葉で結んでいた。
そしてその前段に添えられた教授自身の言葉もほぼ変わらない。
「私の経験からいうと、ほとんどの場合、答えはすでに皆さんが持っている、あるいは、皆さんがいまやっていることのなかにあります。」
答えはすでに自分のなかにある。
そのことに気づかないチルチルとミチルが、幸福の青い鳥を探して幻想世界へと旅立ったのは1908年のこと。ベルギー生まれの劇作家モーリス・メーテルリンクが児童劇『青い鳥』を発表したこの年は、奇しくも隣国の文豪が『失われた時を求めて』の原点となる作品の執筆に着手したその時でもあった。
答えはすでに自分のなかにある。だとしても、それを見つけ出すのは思いのほか難しい。ひとの目は外に向かって開かれている。新しい土地を探すのには長けていても、自らのうちを覗き込むようにはできていない。それは、21世紀を東洋の島国で生きるビジネスマンにとっても同じことである。
そこで内田教授は、まず「自」ではなく「他」の姿を私たちの目に焼き付けようとした。
ゲーム・チェンジャーとは、新しい戦い方で業界を大胆に変えていくプレーヤー、既存企業の側から見れば「新たな挑戦者」である。この、他者としてのゲーム・チェンジャーを、教授はまず鮮やかに分類して見せる。ソートに用いられるのは「儲けの仕組み」を縦軸に「製品やサービス」を横軸に、それぞれの新旧で分けた次の四類型である。
A:プロセス改革型(Arranger)
B:秩序破壊型(Breaker)
C:市場創造型(Creator)
D:ビジネス創造型(Developer)
各類型について教授は、流麗な口調で豊富な事例を並べつつ、それがなぜゲームを変え得たのかという理由も併せて解き明かす。
A:既存のバリューチェーンを見直す「プロセス改革型」。
アマゾン、セブンカフェ、ゾゾタウン。
B:既存の儲けの仕組みを無力化する「秩序破壊型」。
スマホゲーム、リブセンス、コストコ。
C:顧客が気付いていない価値を具体化する「市場創造型」。
JINS PC、東進ハイスクール、青山フラワーマーケット。
D:想像力と創造力を発揮する「ビジネス創造型」。
価格.com、オキュラスリフト、カーシェアリング。
これら��々たる「新たな挑戦者」たちが次々と突き立てる「矛」に対し、既存企業の防衛戦略、つまり「盾」はどうあるべきか。
ここでも教授は、「挑戦者」の時と同じ四類型を用いて説明する。
A:顧客視点で足下を見直す「プロセス改革型」。
野村證券のネット取引、コマツのコムトラックス。
B:既存の儲けの仕組みを否定し、事業の定義を変える
「秩序破壊型」。
ブリヂストンのリトレッド事業。
C:新しい製品やサービスを増やす、あるいは市場をずらす
「市場創造型」。
ヤマト運輸のクール宅急便、ベルリッツのビジネス教育。
D:有効な防衛戦略にならないことが多い「ビジネス創造型」。
CCCのTポイントカード、ネスレのドルチェグスト事業。
わざわざ四つの類型に分けたのは、単に説明のわかりやすさのためだけではない。防衛側の既存企業にとって、挑戦者側と同じ型で迎え撃つのは一般的に不利となる。つまり、同じ土俵で勝負をしないためには、挑戦者がどの型で攻め入ってきたのかを正確に把握する必要があり、そのための類型化である。
そして、型が違えばいい、というものでもない。教授は、B「秩序破壊型」は自己否定の要素が強いという意味で防衛戦略としてはもっともリスクが高いと言い、D「ビジネス創造型」は(攻撃戦略としてはともかく)そもそも防衛戦略としては有効なもの足り得ないと言う。
すると残るは、顧客視点で足下を見直すA「プロセス改革型」と、新製品・新サービスを増やすC「市場創造型」に絞られる。しかも挑戦者側がA・Cどちらかの型で来れば、既存企業が選ぶべき型は、自動的にもう一方に決まってしまう。
ここまで制約が強いと、既存企業の側が採るべき策はむしろ簡単だ。
視座・視野・視点を自在に変えながら、プルーストの言う「新しい目」で自らの姿を見つめ直す。生み出している価値はなんなのか。いまだ見えない顧客の真のニーズとはなんなのか。
このような思索を深めながら、A「プロセス改革型」とC「市場創造型」を中心に、新たな挑戦者にやられる前に先んじて打ち手を考えておく。そして案出された打ち手を、リスクを恐れず、勇気をもって次から次へと試していく。その帰結として、当然のように大小の失敗が積み上がるだろう。しかしその山の中にきっとあるであろう、微かに光を放つ密やかな成功の種を見つけ出し、それをビジネスに育て上げていく。
そう、お気づきの通り、結局のところそれは自らが「新たな挑戦者」、ゲーム・チェンジャーになっていく過程である。受け身の防衛戦略で現状に留まろうとする限り、その企業に未来はない。自ら変わることのできる者だけが、ゲームを変えることができるのである。
チルチルとミチルは長い長い旅の果てに、自宅の鳥籠の中に幸福の青い鳥を発見する。しかし、手にしたと思った刹那、ふとした隙に鳥はするりと指の間を抜けて大空へと飛び立ってしまう。
ビジネスにおける青い鳥もまた、すぐ目の前にあるけれど、手にした瞬間に色褪せ、消え失せてしまうものかも知れない。それは、どこか特定の企業、特定の事業の中に約束されてあるものでは��い。青い鳥は、不断に考え、追い求め、自ら変わろうとし続ける、その姿勢の中にのみ存在する。
青い鳥を追い続けるのは難しい。しかし、ひとたび自らが青い鳥になってしまえれば、そこには無窮の蒼穹が広がっている。
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競争ルールの破壊をするための4分類
①プロセス改革型(既存の商品サービスのバリューチェーンを見直すexアマゾン、セブンカフェ)
②市場創造型(儲けの仕組みが今までと同じだが顧客が気付いていない価値を提供ex JINS、東進)
③秩序破壊型(既存の商品サービスが今までと違う儲け方をするexスマホゲーム、LINE、コストコ)
④ビジネス創造型(これまで存在しな方商品・売り方exオキュラスリフト、価格ドットコム、カーシェアリング)
市場をずらすということ。市場創造をすることが多くの場面で有効。つまり、アウトサイダーであり続け、自分で自分の土俵を作れるような業態でなければならない。土俵をずらす。
正攻法で勝てるのは規模が大きいものであり、重厚長大な組織がものをいう。
常に顧客の思っているんだけれど気づいていないことを探し続けなければならない。
新し価値を提供すること。画期的な商品・サービスは何も言わなくてもそれがデキル。しかし、新しい価値を提供できるのに伝わらない場合がある。コピーの力はそこで発揮されるべきであり、マーケティングの軸となる。
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■Arranger(プロセス改革型) 既存製品×既存の儲け方
バリューチェーンの個々のプロセスを再評価する
①やめる: スーパーホテル、セブンカフェ
②強める: スタジオアリス、スルガ銀行
③混ぜる: ヴィレヴァン、クスリのアオキ
④単純化する: ベアーズ、ブックオフ、公文
■Breaker(秩序破壊型) 既存製品×新しい儲け方
自社の立ち位置を変えるか、価値の提供方法を変えるか
事業連鎖を組み替える
①省略: スマホゲーム
②束ねる: トリップアドバイザー、@コスメ
③置き換え: LINEによる通話
④選択肢の広がり: ネスカフェアンバサダー
⑤追加: セブン銀行
■Creator(市場創造型) 新製品×既存の儲け方
利便性の向上か、不便さの解消か
ニーズ起点か、シーズ起点か
事業連鎖を組み替える
①省略: VOD
②束ねる: スマホ
③置き換え: 東進ハイスクール
④選択肢の広がり: トクホ
⑤追加: JINS PC、GoPro
⇒競合相手の脅威にさらされた場合、
対抗策は基本的に市場創造型で、自社の強みを活かし、戦いの場をずらす
■Developer(ビジネス創造型)新製品×新しい儲け方
ニーズ起点か、シーズ起点か
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それぞれのケースに対して細かく書いてあるが、最初と最後の章を読めば中身はつかめる。熟読するとまた新たな発見はありそう
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すんゲーおもろい。
自社のビジネスと、その破壊者についてわかり易くかいてある。
BPをきちんと紙におとして、ニーズやサービスの提供視点にも触れ、どのように組み換え、削り、統合し、付加するのか、、、が記述されている。
会社のモデルを
1.秩序破壊型
2.市場創造型
3.ビジネス創造型
4.プロセス改革型
と定義しているのもよりわかり易くしている。
提供したいサービスをまずは、プロセスに落としたい。
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「ー」
ゲームチェンジャーは4種ある。
プロセス改革型、秩序破壊型、市場創造型、ビジネス創造型。
この中でも、市場創造型の企業は大きく社会に貢献するだろう。なぜなら、パイが大きくなるからである。
企業は変わらなければ生きていけない。新しい技術を取り入れた新しい形の会社が次々と起きる。
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今までの競争ルール、業界ルールを変えてしまう企業を「ゲーム・チェンジャー」として、そのタイプには、新しい製品やサービスを提供しているか、業界の今までの儲け方に新しい仕組みを導入したかで、「プロセス改革型」、「秩序破壊型」、「市場創造型」、「ビジネス創造型」に分類。それぞれの特長や企業事例で良し悪しを説く。なじみのある企業が多く、かつ、わかりやすく書かれているので筆者の言わんとしていることがよくわかる。
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これから事業立て直しの仕事に就くので大変参考になった。
世間の事象を類型化するというのはとても有意義なことで、わかりやすかった。日々見直しながら自身の業務に役立てていきたい。机に置いておこう。
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戦略を、ルールを、土俵を変える企業(プレイヤー)をゲームチェンジャーと呼び、具体例をまじえながらそのタイプを4類型に分けて解説していく。事例が興味深かったけど、同じものの重複も多くて、もっといろいろ知りたいと思った。
それに対しての既存プレイヤーたちの攻防の事例まであげているのは面白かった。
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カーシェアリング、LINEなど新しく生まれてきたビジネスについて、こういう見方もできるんだな、と思った。
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整理として非常にわかりやすい。一方、攻め方や守り方のヒントは僕はイマイチつかみ切れなかった。
仮説思考、論点志向の内田さんの本。
経営戦略における既存の競争のルールを破壊するプレイヤーをゲームチェンジャーと呼び、そのパターンを4つに分類している。
1)相手の儲けのしくみを無力化する(秩序破壊型
2)顧客が気づいていない価値を具体化する(市場創造型
3)新たな事業モデルを作り出す(ビジネス創造型
4)バリューチェーンを見直す(プロセス改善型
既存/新規のサービスや商品軸と既存/新規の儲けのしくみ軸でマトリックスにして、それぞれに事例を中心に分析している。
事例が多くわかりやすく、攻め方、守り方については、考え方のヒントはキチンと明示されている。
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業界のルールを変えてしまうプレーヤーを「ゲームチェンジャー」を名付け、縦軸を「儲けの仕組み」横軸を「製品・サービス」とし、4類型に分類したもの。
・プロセス改革型(Arranger)
既存の儲けの仕組み × 既存の製品・サービス
既存のバリューチェーンを見直す
例)アマゾン、セブンカフェ、ゾゾタウン
・秩序破壊型(Breaker)
新しい儲けの仕組み × 既存の製品・サービス
既存の儲けの仕組みを無力化する
例)スマホゲーム、リブセンス、コストコ
・市場創造型(Creator)
既存の儲けの仕組み × 新しい製品・サービス
顧客が気付いていない価値を具体化する
例)JINS PC、東進ハイスクール、青山フラワーマーケット
・ビジネス創造型(Developer)
新しい儲けの仕組み × 新しい製品・サービス
想像力と創造力を発揮する
例)価格.com、オキュラスリフト、カーシェアリング
注目すべきページは31P、126P(の図表)くらい。
もう少し踏み込んだ視点、問題提起があれば興味深かった。
「変化しないものは生き延びられない」ってそんなこと誰でもわかってるYO!
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タイトルの通り、ビジネスモデルや競争ルールを変えるゲームチェンジャーを類型化し、その特徴や対応の考え方について、整理・紹介された本。良著である。
<メモ>
・競争の土俵が変わる、競争の相手が変わる、競争のルールが変わる。こうしたゲームチェンジが起きている。
・サービス製品の新規、既存 ビジネスモデルの新旧を軸に
「プロセス改革型」amazon・セブンカフェ・ゾゾタウン 提供方法を変えることで新たな価値を生み出す。既存のバリューチェーンを見直す。
「市場創造型」JINS pc ・東進ハイスクール・青山フラワーマーケット モデルはそのまま、新たな製品サービスを生み出す。新市場創造し、競争ルール変える。顧客が気付いてない価値を具体化する。
「秩序破壊型」スマホゲーム・コストコ 新しい儲けの仕組みを導入する。既存企業の儲けの仕組みを無力化する。
「ビジネス創造型」価格ドットコム・カーシェア
これまでなかった製品サービスを新しいビジネスモデルで提供する。イマジネーションとイノベーションを結びつける。
・秩序破壊型、消費者起点で考えることが重要。whoが変わればwhatが変わる。howが変わればwhatが変わる。主体や方法が変われば提供価値が変わることがヒント。事業連鎖でとらえる。
・市場創造型、利便性向上と不便さの解消がそのヒント
・顧客が知らない価値をとらえる5つの視点①省略中抜きする②束ねる 結合する③置き換え 代替する。④選択肢の広がり 選択肢を増やす。⑤追加 新しい機能や価値を付け加える
・利便性を高めるには これと一緒に何が使えると便利か、どんな用事が一緒に済ませると助かるか 、同時実現したいことが他にないか、などの問いを立ててみる。束ねる、追加するがヒント
・不便さの解消には省略、置き換えがヒント。
・ビジネスモデル創造型、4要素①経営資源②製品サービス③顧客層④儲けの仕組み
・資源と活動が同期すると模倣されづらい。
・プロセス改革型 バリューチェーンを構成するここのプロセスを再評価すること。アプローチは4つ①やめる②強める③混ぜる④単純化する
やめる 引き算発想で低価格実現。
・プロセス改革のための視点 ①顧客視点で発想する②合わせ技を使う③サービスの担い手を変える④ビジネスの型を整える
・既存企業の防衛戦略 プロセス改革型へは顧客視点で足下を見直すこと。野村のネット取引など
。市場創造型へは新しい製品サービスを増やす、あるは市場をずらす。ベルリッツのビジネス教育など。秩序破壊型へは既存の儲けの仕組みを否定し、事業の定義を変える。ビジネスモデル創造型へは、有効か防衛戦略は難しい。
プロセス改革型へは市場創造型で対抗。市場創造型へは市場創造型で対応、秩序破壊型へは市場創造型で対抗、ビジネス創造型も同様。
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既存のシステムを大きく変えるゲームチェンジャーの企業について書かれた一冊。
ゲームチェンジャーをそれぞれ特性ごとに秩序破壊型、市場創造型、ビジネス創造型、プロセス改革型に分類して、豊富な実例や表などを使いながら戦略を紹介すると共に、既存企業がどうゲームチェンジャーと対峙していくかも紹介されています。
厳しい競争のあるビジネス社会でITの普及によるインフラの変化や少子高齢化などで社会が変化していくなかでゲームチェンジャーが現れてきている現状、そして私たちの生活に変化が起きていることを読んで凄く感じました。
そんななかで共通して言えることは顧客目線にたって考えることが重要なことだと感じました。
そこから、今までにないビジネスを創るのか、既存のシステムを変えるのかによって4類型に分かれてくるのだと感じました。
ビジネスは生き物で変化していくものです。常に顧客のニーズを考え、それにアプローチしていく姿勢が大切でそのニーズに応えられた時、ゲームチェンジャーとして既存企業から一歩先を行く存在になれるのだと感じました。