紙の本
教師批判論序説
2018/05/19 12:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、タイトル通りに学校の教師の中で「残念な」教師がたくさんいることを実例でもって解説している。評者も、中・高時代は教師と教え方や教える内容について喧嘩したこともあるくらいであり、とても共感できることが多かった。教師のなり方を理解している者ほどこの著者の意見に賛同する者が多いのではないだろうか?現在の教育課程への批判と教師への批判が見事に詰まった作品である。そして、評者が特に評価しているのは、著者自らが「プロとしての」教師を実践していることである。その考えや行動、言動は称賛に値する。日本全国の教師への贈り物として本書は役立つだろう。
投稿元:
レビューを見る
<目次>
第1章 教育現場の実状
第2章 教師の技術
第3章 教育現場における「評価」
第4章 教員の成長
第5章 授業について
第6章 教員が技術を身に付ける順序
第7章 身に付けてほしい3つの力
<内容>
なかなか痛い本。って内容がおかしい、のではなく、教育業界に対し、正鵠を射ているな、という意味。教育業界内にいて、うすうす感じている問題点をしっかりと分析している。
また、技術論以降は若い教師に読ませて、勉強させたい(著者も言う通り、役に立たない中高年教師は勉強しないし、仮に読んでも改善されることはない、悲しいけど…)。
中学、高校の教員にとって、本職である授業にしっかり取り組むためには、やはり部活動は邪魔なんだよね…。
投稿元:
レビューを見る
衝撃的な内容だった。「残念な教員」が、”普通”に働ける教育現場の実態が浮き彫りにされているからだ。指導技術もさることながら、教育現場で働くということに対する根本的な認識を考えさなければならないのでは…と。
しかしながら、ここに書かれていることは、何も教育現場に限ったことではなく、多くの現場で活かせる示唆を含んでいると思う。
筆者の的確な分析と辛辣な意見だけでなく、”成長した”教員の具体例が載っているのもいい。心を打たれると同時に、改めて本業の技術が確実に伸びる必要条件は”素直さ”なのだと痛感させられた。学び多き一冊だ。
折にふれて読み返し、自己をチェックしていきたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
モンペが読んだら怖いなと思う本です。というより保護者への機嫌取りが満載。この著者の方法を実践したら、教員は過労死します。自慢話か、理想論か、わかりません。書いてあることを手抜きせず、全部実践するのは、時間的・空間的・経済的にあり得ません。
『残念な教員』にはつい腹が立ってしまいました。
遂にこういう保護者へのごますり教員が出たかと思いました。
まあ昔からいるし、私の勤務していた大学もその傾向でした。
自己撞着を突くと限りないのですが、
自分の授業・講義のビデオを毎回見て、
多くの作文の添削。
これだけやるだけでどれくらい時間がかかるか。
作文・レポートの添削は私も速い方なのですが、
まずは物理的にあり得ない。
教員を潰す気かと思ってしまいます。
投稿元:
レビューを見る
あーいるいる。と思わせられる先生が多数(自分も含めて)。
「残念な教員」がたくさんいることも事実であるが、「残念な教員」が「すばらしい教員」になるには、どうすればよいか、もう少し考えられるとよいと思った。
投稿元:
レビューを見る
著者が見聞きした「残念な教員」をこき下ろし、自身の教育実践の素晴らしさを説いた本、とでも言おうか。内容自体は頷けるところも多々存在はする。「私は、プロフェッショナルとして生徒の成長という『結果』を重んじるスタンスで教育活動を行っている(p15)」というそのスタンスは素晴らしいと思うし、生徒のことを第一に考えようとしている点も(全面的には賛同できないが)まぁ良い。
ただ、この著者の自己陶酔っぷりに辟易としてしまうのもまた事実。自分は素晴らしい、(この本で例に挙がっているような)教師はクズだ、というような書きぶりにはすこぶる違和感が残る。国語教師たるもの、こういう他人をこき下ろす文章を書けばたとえ良い内容だったとしてもなかなか心に響いてこないものだとは分からないものなのかな、と。まぁこの本の意図かもしれないが。
以外、本書の中で納得いかなかった点をいくつか。まずクラス全員の前で生徒を叱るという事例は納得できない(p219)。ストレス耐性を測るという名目のもとらしいが、そのような"実験的な"目的で叱ることに意味があるとも思えない。指導の目的は叱ること自体ではない。生徒の反省を促すことである。それは生徒の自尊心を傷つけるような形でなくても可能であるはずだ。
また「『先生には全て見透かされているような気がする』と言われた」という記述が何箇所かあったが(例えばp220)、自分ならそのような教師は気持ちが悪いと感じると思う。教師に生徒理解が必要なのは言うまでもないが、すべて見透かされていると思ったらバカでもない限り本心を隠そうとするだろう。人にすべての心理を知られるのは怖い。分かっていても「自分はすべて知っている」という態度を全面的に出すというのも疑問だ。何事も適度が大事。
そもそも自分は「熱すぎる教師」というものが苦手だ。それは小学校の頃の教師が関係していると思う(熱すぎる教師はたいてい暴走する)。だからこの著書のような熱い人が自分の先生だったら好きになれたかどうかというのも甚だ疑問。それに自身の経歴に大変な自信を持っておられるのだなぁと。この人自身、周りから彼の欠点を指摘された時にちゃんと聞く耳を持つのかな?きっと持たないんだろうな。自分を正当化しちゃったりするんだろうな。
とはいえ、著書の「生徒のために」という頑張りには敬意を示したい。ただ生徒の言葉だけを真に受けるのもいかがかと思うが。
最後に。中国語に「給人一杯水自己要有一桶水」という言葉がある。他人に一杯の水を与えるには自分にはバケツ一杯の水が必要だと。教師たるもの、知識を人に伝え教えるためにはその内容の何倍もの知識が必要であるものであることを肝に銘じ、日々勉学に励む必要があると思う。これは自分自身の決意です。
投稿元:
レビューを見る
高校(中学も少し)現場教員からみた教員としての機能を果たしていない残念な教員の実体とそれが生み出され継続する状況についての考察。内容が多岐にわたったため少し浅い議論になっている。残念な教員の心構え(プロ意識)のなさを嘆き避難する論調が多いが,その厳しさを自分にも当てはめている点は賞賛されるだろう。厳しい現状を指摘した上で,教員養成・育成・成長のために著者がどのような道を描くかを次に期待したい。
投稿元:
レビューを見る
心にグサッと刺さる本。納得できる箇所もありました。「学ばない教員」については確かにそうだと思える箇所がありました。技術向上に向けて具体的に色々書いてくださっていて,参考になる部分も多いです。
しかし,著者がやっていることを現場の教員がやるとしたら睡眠時間は全然足りず,過労死する教員が増えることは間違いありません。あと,教える技術などについて「言い訳」と断じているのに対し,改善するべきことに関しては「時間がなく・・・」とあっさり書いてしまっている。矛盾を感じてしまうところもありました。
あと,いかにも「上から目線」な表現は反感を買うのでは・・・と思いました。
投稿元:
レビューを見る
教員はプロフェッショナルであるべきという理念のもと、「学ばない教員」「学ぼうとしない教員」を様々な角度から分析している。
大手新聞社、ジャーナリストと異端の経歴をもつ著者だけに入念な取材に基づいて書かれているように感じられる。
「自分にはできない」とあきらめずに、真摯に学ぼうとする態度を見習いたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
教育現場が,今,どのように大変な状況なのかも分かっていて,この本が出ている…というか,だからこそ,本書が読まれているのかも知れないと思う。現場の教師が書いた,現場教師暴露本である。
確かに,本書に書かれていることの殆どは,本当の事だと思う。部活しか考えない教員もいるし,優等生として育ってきているので,耐性の弱そうな教員もいる。できない子を「その子」のせいにしてる教員もいるように思う。
だが,しかし…,国家や社会から,教員に求められている様々なことについて(しかも,それは10年余りでコロコロ変わるノダ…ゆとり,支援,学力向上,生きる力…),一教員がしっかり受け止めて,価値あるように反応するのは,今の現場の状況では,不可能に近いと思う。こう言ってしまうと,わたしも「残念な教員」の仲間入りとなるのだろうか。
教員を批判するのは簡単だが,「ではどうするばいいのか」の対案を示さないと,単なるバッシングで終わるだけだ。
その点,本書にも,少しは,「こうすればいいよ」という指導法も紹介されている。とくに,新任教員は,もっと先行事例を研究したほうがいい。なんでもオリジナルを求めたがる今の新任指導は,時間ばかりかかって(結果,被害を蒙るのは子どもたち),あまり得るものがない。教育ほど先輩教師の文化遺産を大切にしない現場はないのではないか…という指摘には,うなづける。わたしたちは,自分の授業を考える時に,もっともっと昔の人の指導例を学習する必要がある。
ともあれ,ここまで書かれると,今,現場にいる一般的な教員は,みんな「残念な教員」だということになりそうで,なんだか,この結論が,残念だ。
読後,なんとなく違和感があった。それは,著者の言うとおりのことをやろうとすると,たぶん,いろんなところ(家庭で,地域で…)で,無理や不和や不信が生まれてくるのではないかということだ。
「子育てをしたり,恋もしたり,お寺の掃除もしたり,地域のお祭の世話人もしたり……という人間的な生活をしながら教員も続けていける…そんな職場の創造を目指していく」という取り組みも同時に行わないと,いけないと思うのだ。
今の小学校でさえ,帰宅するのは午後8時を過ぎている人が多くいる。朝は5時頃に来ている若者もいる。土日も学校に来ている人も多い(部活はないのだが…)。こんな現状の教師に対して「残念だ」「プロじゃない」と言ったって,次は,病気になるだけじゃないかとも思う。
教師が楽しく学ぶための対案を出すと同時に,教師がもっとはたらきやすくするための現場づくりの対案も示して,行政にも働きかけるべきだ。
今の現場では,著者がいうプロ教師は育ちようがない。「オレができているんだから,お前たちもやれ」では,ついてくる人はいないだろうなあ。
投稿元:
レビューを見る
部分部分については、賛成したいところはある。
ただ、もう少し冷静にと感じてしまう。抑制の利いた文体で書かれていたら。
投稿元:
レビューを見る
民間から教師に転職してきた身として共感できる部分も多い。著者の自慢がいちいち鼻にかかるが、ネタとして見れば面白い。
「教育に遅効性はない」という言葉が胸に刺さった。
「今はわからないけど、大人になったらわかる」という指導は教師の言い訳だ。
そのときに心に刺さらなければ、大人になる前に忘れているものだ。自分自身の経験からも納得できる。
その瞬間に必要な指導を与えなければならない。
投稿元:
レビューを見る
文章が高飛車でちょっと読みづらかった。
著者からすればなかなか教員に値しない人も多いのだろうけど、私の現場からするとそんなにいないけどなあと疑問に思った。
それとだいたい「何%」いるってその人の感覚だから根拠がないなあとがっかりした。
この問いは大事 98
教師の姿勢 斉藤喜博 154
投稿元:
レビューを見る
上司に借りて読みました。
どんな理由を述べようと行動しないのは、他者よりも自己を優先した思考。
フットワークが軽くない私には、戒めになりました。
最少で年間300冊の読書量。
私は、まだまだです。
投稿元:
レビューを見る
教師が目指すべき姿、教育とは何か、考えていたときに出会った本。
著者の林純治さんの教育への確固たる思いが述べられている。現状の学校教育の問題点、教師に必要な技術が具体的に書かれている。
なかなか厳しめの意見で、教師の仕事はこんなに大変なものかと思った。
教師という道を選ぼうとしている自分に、考えさせてくれる機会をくれた本。