紙の本
念願叶う
2020/01/30 23:39
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投稿者:ロイス - この投稿者のレビュー一覧を見る
天皇の料理番は上下巻に分かれているが、上を"努力編"とするならば下は"大成編"と呼べるだろう。主人公が重ねた努力が身を結ぶ待望の瞬間は、最初から読み進めてきた人にとっても感動の瞬間だろう。主人公の人生から人生にとって大切なものを考えることができる作品。
紙の本
テレビドラマと結構違っておもしろかった。
2015/08/30 00:30
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投稿者:koharu - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビドラマを見ていたので、興味があって読み始めました。ドラマと内容が結構違っていて、その違いがおもしろかったです。
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下巻のほうが良かった。読んでて楽しい♪
ついにフランスへ!そして待ちに待った天皇の料理番。
篤蔵のすばらしさは料理の腕前だけでなく、前例を気にせず挑戦する前向きさ、行動力、真心、そして誰にも勝る努力なのかなあ。3代の天皇の料理番を全うした篤蔵はついに永眠。おつかれ様、と言いたい。
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下巻はどちらかというと、伝記や回顧録といった印象。少しかけ足で書かれていた気がするので、もう少しゆっくりが良かったなぁと。だけれど、所々笑えるエピソードがあって面白かった(新聞記者とも墓場の場面、スッポンを料理する場面とか)そして相変わらずの頑固さと、きかんぼうは健在。オタンコナス!なんて久々に聞いた(笑)でも、本人は至って真面目なんだからそれがまた面白い。"仕事も遊びも一生懸命に"なんていうけれど、まさにその通りの人間。
余談で、今週の日曜日からはやっとドラマがスタートするので、この人間臭いけれど魅力的なキャラクターを佐藤健くんがどのように演じるのか、非常に楽しみである。
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大正天皇即位の礼を控え、外国からの賓客に本格的なフランス料理を提供できる料理長として、パリの日本大使館の推薦により宮内省に招かれ宮内省大膳寮司厨長に任じられた福井県出身の秋山徳蔵をモデルにした物語。
年少の頃から天皇の料理番になるまでの話が魅力的で引き込まれました。時代背景も魅力的でした。後半は、時々挿入される歴史的な激動に比べて物語は少し駆け足で平板的に思えてしまいました。福井出身の方がこうした活躍をしていてうれしいものです(^^
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ドラマ放映開始を前に読了。篤蔵に憑依された佐藤健の映像が頭の中を縦横無尽に駆け巡る。自分の脳がでっち上げた妄想映像込みでこの主人公の人生ドラマを満喫したが、もしも佐藤健が演じることがなかったら、果たして私はこの小説をそれほど楽しめただろうか? そもそもこの小説に興味を持つこと自体なかったと思うし、よしんば何かのきっかけがあって読んだとしても、物足りなく感じたのではなかろうか。
純粋に小説として評価するならば、この書き手はストーリーテラーとしての力量にやや欠ける。いくつものエピソードをただつないだだけのような印象だ。実在の秋沢篤蔵という人物がとんでもなく個性的で人間的魅力に満ちているのでエピソードの羅列でも十分に面白くはあるのだが、ひとつのドラマとしての一貫性やメリハリに欠けていて、「えっ、ここをはしょっちゃう?」「いったいこの時彼は何歳であの時から何年経ってる??」「今突然登場したこの人物はどこの誰???」などと面食らう場面が多々ある。もっと手練れの作家の筆で読んでみたいと思ってしまうのだ。
男性作家にありがちなことだが、仕事がらみの人間関係の描写は詳細なのに、家族関係の描写がおざなりなのも女性読者にとっては物足りない。兄弟はたくさんいたらしいのに、前半の郷里での少年時代には病弱な兄貴しか出てこないし(次男の篤蔵は幼くして他家に養子に出されたという事情もあってのことだろうが)、終盤でその兄が死んだところでようやく「家督は三男が継ぐ」とさらっと書いてある。つまり兄は長男なのに独身だったってことか? 最初の妻との別離の顛末もどうもすっきりしないし(離縁の手続きをどうしたのか全く書かれていない)、初恋の女性に似た二度目の愛妻についても、ラブラブエピソードはちょこっと出てくるが、彼女が病気で死ぬ直前になって唐突に子供が2人生まれていたことが語られる。
魅力的な主人公であるだけに、読者としてはその公の顔と私の顔を両方見てみたいのだ。仕事仲間や友人との「私の顔」はふんだんに書いてあるのに、家族との「私の顔」の描写がとても少ないのは、いかにも男性の視点だと思う。ほんの少ししか描かれない家族とのエピソードがとても面白く、そこをふくらませれば小説としても格段に深みを増すだろうに……。
たぶんテレビドラマはそのあたりに特別リキを入れるのだろうことは想像に難くない。どうやらかなり設定を変えてフィクションを混ぜているようだが、篤蔵氏の実子も監修に加わっているのなら、私が小説に対して感じた不満をドラマが解消してくれるだろうか。幕開けが楽しみだ。
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どこかで聞いたなあと思いつつ、とっても興味をそそられるタイトルだったので買ってしまいました。読んだ後の解説を読むと、この本は1979年に出版され、1980年には堺正章主演でドラマ化されていて、それが今年佐藤健で再ドラマ化されるとのこと。いわゆる復刻版でした。
主人公は、このタイトル通り、宮内庁の厨房で、明治天皇から昭和天皇まで、3代の天皇の毎日の食事を賄った料理長、秋山徳蔵(本の中では秋沢篤蔵)。当時日本一の料理長と言われた男の話でした。
しかもこの料理長は、なんと自分の故郷である福井県の出身ということで、いわば故郷の英雄の一人だったようです。知らなかったなあ。
・今の武生市で育った秋山は、裕福な家庭の次男坊として生まれ、請われて近くの八百屋の養子となる。陸軍の調理場に野菜を運ぶうち、料理人と知り合い、そこで初めて食べたカツレツが、強烈に旨かったとのことで、そこから料理の世界に入る。
・やがて結婚した秋山は、あの時のカツレツの味が忘れられず、料理人になるため、妻を残して一人東京に。華族会館(旧・鹿鳴館)で料理人として修業を開始し、先輩料理人を殴ってそこを辞め、街中の洋食レストランで修業して、店の奥さんとねんごろになってそこを辞め、日本で最大級の大きさを誇る精養軒で修業し、そこでフランスに憧れて、フランス修業に。
・敦賀からウラジオストックに行き、シベリア鉄道でヨーロッパ、パリに。ホテル・マジェスティックで修業して、先輩料理人にナイフ突きつけて辞め、カフェ・ド・パリで修業中、フランソワーズという女性とねんごろになり、しかしその料理の腕を認められ、宮内庁から天皇の料理人として抜擢され、日本に帰国。
・放蕩な秋山ですが、さすが天子様の毎日の食事を作るという大役に最初は慄き、包丁を持つ手が震えたとのこと。宮中では、多くの晩さん会が開かれ、その食事も秋山が担当。明治時代、まだ日本は欧米に学ぶこと多い時代でしたが、しかし秋山の作る料理は、各国の大使館や訪問した元首からも絶賛されたとのこと。
・中でも、昭和天皇がまだ皇太子だった頃、初めてイギリスを訪問した際には、英国王室の晩さん会の厨房に入りこみ、徹底的に研究。翌年英国皇太子を日本に招いた時には、英国風と日本風の料理で皇太子じきじきから称賛を受け、後に王室から勲章まで与えられ、料理人の頂点となる。
・しかしその秋山も、第二次世界大戦中の料理については相当苦労した模様。皇室には専用の田畑、牧場が当時はあったが、戦災でそこからの食材が手に入らず、皇室なので闇市から買うわけにもいかず、戦後は天皇といえども、一般国民と同様、配給制で与えられる食料だけで賄ったとのこと。
・昭和34年、皇太子様と美智子様の結婚式の祝宴も秋山が担当。その時の折詰のカマボコとして採用されたのが、当時はまだ名も知られていなかった紀文。紀文にとっては一大事で、下命を受けた後、工場を一旦閉鎖し、大掃除、大消毒を行い、従業員は出勤後入浴し、下着を取り換え、万全の態勢でカマボコを製造し納めたとのこと。
・その後昭和47年に引退。明治、大正、���和の歴代天皇の料理番は、その翌々年永眠。
前半の主人公は、上述したように荒くれ者で放蕩無頼な青年のようでしたが、明治時代の料理人は、今のような専門学校もなく、丁稚・下働きから始まり、先輩料理人から味を盗んで一人前になっていくしかなく、逆に、そのくらい強い人間でないといけなかったのでしょう。
ただ彼にとって幸運だったのは、福井の実家が裕福だったということで、東京での修業、パリでの修業もあまり金には困らなかった様子。ここがなんとなく、物語としても、ドキュメンタリーとしても、泣けるものではないのが残念。
しかし、物語後半の、皇室を支える厨房の世界や、晩さん会での料理の工夫、メニューの意味などいろいろ知ることも多くありました。ただ、まあたぶん、佐藤健のドラマは見ないけど。
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取り留めのないまま話が終わった。
篤蔵の人となりがよく分からない。仕事にがむしゃらだったことはわかる。家庭人としての篤蔵は? 子供については「二人いた」だけ。
必要と思えないエピソードも多い。ちょっとがっかりな本だった。
※'17/5/1(?)売りに出す
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201504/ドラマは未見だけど気になって読んでみたら面白かった。ひどい男だなって思う箇所もあったけど、時代も考えると相当の情熱がないとこれだけのことを成し遂げられなかっただろうな。
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フランスでの料理人修業に人間関係の取り方の修業も加わって大変。いよいよ宮内省主厨長としての仕事が始まる。持って生まれた性格がガラッと変わるわけもなく、自分の信念に基いた言動を貫く篤蔵さんには恐れ入ってしまう。周りの人達の目が怖くはないのだろうか?いやそれぐらいでないとあの立場での仕事は出来ないのかも知れない。テレビドラマがどう創っていくか楽しみです。
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☆2015年5月23日
前夜、上巻を読み終え、下巻も一日で読了。
35年前のドラマの中で、堺正章ふんする篤蔵が、幼い皇太子の希望にこたえて、宮中で寿司屋を再現するシーンがあった。それが強い印象とともに記憶に残っていたのだが、それがどう描かれるのか…と期待していたのだが…。
こういう生き方の人物が、つい最近までいたのだと思うと、日本も変わったなぁと思う。
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上巻に引き続き下巻もサクサク読めてしまう。
下巻は篤蔵が精養軒勤務を経て、いよいよパリへ料理修行に向かう。当時は料理修行のための留学は前代未聞。
篤蔵の情熱的な向上心がヒシヒシと伝わってくる。
留学中のエピソードはなかなか秀逸。
留学を終え、ついに宮内省出仕。厨子長に任を拝命する。普段天皇・皇族がどのような食事をするのかはまさに「雲居」のお話なのでイメージが湧かなかったが、本書「雲の上」では当時の宮内省大膳寮での仕事内容や雰囲気を鮮明に伝えてくれる。
宮内省出仕の身でありながら「トンチキ野郎」とか「オタンコナス」などべらんめぇ調な篤蔵には人間味を感じる。
八千代さん、フランソワーズ、兄・周太郎、新太郎さんとの間の人間模様はよく出来ているな、という感想。ちと無理矢理感も否めないが。
下巻でついに篤蔵の立身出世物語は完結。読後感は爽快であり、700頁があっという間であった。
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なんというか、生き方まで豪傑な人だったんだなーと。そりゃ、天皇様の料理番になるくらいなんだから並大抵の人では務まらないのだろうけれど。ドラマは見ていないけれど佐藤健君が演じているようで、なんかキャラがあっているのか想像しがたい。
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今ドラマでやっている天皇の料理番の原作。
フランスのホテルでの修行から終戦後までを描いている。
上巻に比べると事実を淡々と述べていく印象が強かった。下巻だと宮内庁にはっきりと物申す人という印象で、上巻の方が特徴的な人物であったと感じられた。
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ドラマがとても良かったので、原作も読んでみた。明治〜昭和にかけて、福井から裸一貫で飛び出してきた男のサクセスストーリー。ドラマはだいぶ脚色されているけれど、また違うものとして楽しめた。描かれている料理がどれも美味しそう!