紙の本
これは買いでしょう
2015/10/11 13:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さんぴん - この投稿者のレビュー一覧を見る
マルクス「資本論」を造詣の深い知の巨人二人が読み解く。ピケティが出てきたことが大きいんでしょうが、この二人ですから面白くないわけがない。読み進めるのが途中でもったいないくらいでした。買い。
紙の本
資本論は読んだけど?の状態から脱出できたか
2015/12/01 20:06
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:森のくまさんか? - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品でも資本論の大枠が理解できると思います。
マルクスの資本論を読む前でも後でも この作品は有用でしょう。
資本主義下で生きているので
資本論に書かれている理屈を理解するのは
大事なような気がしました。
資本家にこそ 資本論か?
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「資本主義のこの国で、考え方を見誤らないように、マルクスの『資本論』を読むと良い」という『資本論』の宣伝のような一冊です。『資本論』は、難解なので一般の人が読んで3巻を読破するのに三か月は掛かるでしょうとのこと。それ以上時間がかかる様だと、かえってってわからなくなるそうです。ハードルが高いです。
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資本論の何たるかは知らないが、お二人の言説には親しんでいるので読む。
池上氏の、「資本主義はどうしてこんなにいろいろな問題が起きるのかという内在的な論理、まさにそれを研究分析したのが『資本論』」という言葉に納得。
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ピケティとマルクスの対比から始まり、マルクス主義の歴史を振り返りながら、イスラム国の解説まで持っていくところがお見事。
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150530/
日本の歴史を振り返ると、1920年代には「段階的に日本社会を変えていこう」という力が強かった。民主的な選挙制度も導入されました。しかし、国際的な経済情勢の悪化に伴って、「段階的」な考え方は後退し、「一挙に物事を解決すべきだ」という人たちが出てきました。
当時、日本でいちばん優秀な官僚集団は陸軍でしたが、近代的な戦争をしたのは1904〜05年の日露戦争が最後でした。25年も戦争をしていない軍隊は完全に官僚化し、戦争の本当の怖さが分かりませんでした。そして2回ほど、大きなクーデターの試みがありました。クーデター自体は失敗しましたが、政治家も民衆もその再発をあまりにも恐れ、全体主義的なシステムになってしまいました。残念ながら、21世紀の今、そういう時代に郷愁を感じている人が出てきています。「日本人は非常に優秀な民族であるから、問題は一挙に解決できる」と信じているのです。
近い将来、日本にもナショナル・フロント(国民戦線)ができると思います。それと同時に、いわゆる「イスラム国」(IS)のように、革命のような形で「宗教によって一挙に平等を実現したい」と考える人も出てきます。「ドラスチックに物事を変えてしまおう」というこのような考え方に対して、どうやって対応していけばいいと面合わせか?
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資本論を知の巨人2人が語る。永年にわたり取組まれてきた資本論関連の著書があるお二人だけに、その対談は躍動的で面白い。
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結論はシンプル。マルクスの「資本論」を読みなさい。ただ、この対談・著書のすごいところは、「なぜ資本論を読むべきか」を、これまでにない分かりやすさで説いているところ。それともう一つ。ピケティ陶酔者への警鐘。ピケティはデータをもって所得格差の実態を暴いた。しかしそれ以上でもそれ以下でもない。それを論理的に説明できないため、単なるヒューマニストで終わっている。だからピケティは日本で一瞬だけのブームで終わってしまった。その理由は明確。ピケティは生産論と分配論の違いを理解していなかったから。だからといってピケティを否定するわけではない。不易流行。温故知新。ピケティのような新風に耳を傾けつつも決して浮かれず、マルクスのような古来からの論理を大事にしていく。そんな視点で経済を見ていきたい。
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資本論をめぐる対談。ピケティ、マルクス主義、イスラム国とコミンテルン、女性の扱いと立ち位置、知性という最大の武器。資本論の読書案内。
深く読み込んで理解した二人の対談、すごいなーと思いますが、力量不足ゆえ、なるほどとか、そうだったのか、までは至りません。
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マルクス経済学の賃金論の三つの要素の要約が印象に残りました。1、次の1ヶ月働けるエネルギーを蓄える(衣食住とレジャーの費用)2、次世代の労働者階級の再生産(子どもに労働者となれる教育を受けさせて社会に出す、その間の費用)3、技術革新が起きるので、それに合わせて本人が自己学習する費用とのこと。資本主義が回っているときはこの3要素が満たされる。古い概念だとも思わないし、これを維持するよう努力することが社会のシステムとしてあるべき姿であると思えました。
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面白かった! マルクスの「資本論」も,ピケティの「21世紀の資本論」も全然理解できていない私ですが,すごい議論が繰り広げられていることだけはわかったような気がします。
普段,我々の前でやさしい言葉で語りかけてくれる池上さんが,知の巨人・佐藤優氏とハイレベルの議論を展開しています。敬愛する池上さんの教養の深さを改めて感じました。
しかし,「私達は資本主義の限界にどう向き合うか」というサブタイトルの問いに対する答えを,残念ながら私は読み取ることができませんでした。
この両名の対談の内容を理解するには,やはり「資本論」を読まねばならないという結論に至りました。
またいつか読み返したい(読み返さなければならない)一冊です。
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話の切り口はトマ・ピケティによる21世紀の資本論なのだが、そこからマルクスの資本論まで掘り下げ、労農派、講座派の説明に移り、資本論の切り口で、格差問題に議論を転ずる。
読めば読むほど、資本論に対する期待が高まり、修得したいという欲求が擽られる。本著は池田信夫同様、格差形態の異質性からピケティの理論は日本社会には当てはまらないとの立場だ。加えて、21世紀の資本論が、植民地に起因する問題、女性劣位に対する考察の不足についても佐藤優が指摘している。
格差を論じるには、労働力の商品化と再生産、余剰利益の分配について理解しなければならず、そこから、再生産に必要な次世代を生み出す女性の役割(しかし、再生産には相当の時間を投じなければならない)、帝国主義の遺産である植民地搾取という、偏りの前提条件を揃える必要があると考えたのだろう。これらを民主主義的な解決策に委ねたとしても、教育格差を孕む民主主義の現形態で、それが達成できるか?
資本主義の限界については、様々な書物で論じられる。商品化された労働力の売り先がなくなれば、対価が支払われない。生産性があがれば、資源と運営システムが労働力の代替機能となり、その再生産によりカロリーは賄われるが、交換媒体は一部の特殊技能に偏在する。従い、カロリーの得られぬ階層が生まれる。その階層が多数派になれば発言権を持ち、そうならぬように、セーフティネットが敷かれるが、そもそも、発言権を持つような次世代の再生産が叶わず、淘汰され、人口減少に繋がる。商品化された労働力は、代替機能とのコスト比較により採択され、超安価な単純労働作業者として残る。帝国主義が国単位の収奪主義ならば、資本主義とは家族単位の収奪主義に他ならない。そして資本主義の勝者は、この筋書きを念頭に、民主主義とセットで勝者階級の創出を目論む。つまりは、正当化した手続きに則り弱者を騙し討ちするような思想なのだ。共産主義とは、この資本主義の終わりに生まれる暴力による階級闘争を先取りした思想に過ぎない。しかし、不要とされた労働力は、機械や軍事に最早勝てない。近代では、革命は有り得ず、ただテロあるのみである。然るに、資本主義の勝者争いとは、出世競争の事だが、佐藤優は、これに警鐘を鳴らすのだ。
善意に任せた再分配などは有り得ず、競争による淘汰が貧民階級を絶滅させ、ブルジョアジーの中で更に貧民階級を生み、これが繰り返す事により、人類の進化が進む。我々は、この大局の中で諦め、あるいは勝ち続け、進化する側にならなければならないのだ。佐藤優の言う、出世競争から発想を転じよというアドバイスは、慰め程度に過ぎないのではないか。
様々な著作で、佐藤優はこの勝ち方を教えてくれている。まさに、彼の言う、教養本ではなく、修養本なのだ。彼の発言に脱線が多いという意見もあるかもしれない。私の解釈も乱暴だろう。しかし、佐藤優は、一つの基軸に沿った連関により論を展開しており、少しも脱線していないと思うのである。
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面白い!
けど佐藤優さんの資本論だと「いま生きる資本論」を先に読んでいたので、内容がかなり被るなーというのが初読後の感想。
「いま生きる〰」に比べ、
池上彰さんの合いの手が入ってるので表現は柔らかに、毒も少し効かせました
みたいな印象です。
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「資本主義はガン細胞。気をつけてうまく付き合うしかない。」の例えが秀逸。が、基本的には佐藤氏が一方的に知識を展開するのみで、池上氏は相槌のみ。2人のレベルが違いすぎた。流行のテーマを著名人対談本で出せば売れるという出版社の思惑なんだろうが、デキはあまりよくない。たぶん死ぬまで資本論の原本を読む事はないだろうが、生きていく上で概要程度は抑えておく必要はあるのだろう。ガンとの付き合い方みたいなモノだから。
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資本論に対する二人の対話形式の一冊
内容が骨太で難読
自分にはまだ到底理解しきれない
再読により思考を高めるべし