紙の本
色々と考えさせられもしたし、ミステリーとして純粋に楽しむこともできた。
2015/08/17 20:58
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は、犯した罪をいつまで背負い続けるべきなのか?非情な形で身近な人を殺された遺族は、どこまで恨みを抱えて生きるものなのか?そのことを作品の中で絶えず問い続け、強く主張している一冊だと思った。個人的な意見は様々にあると思う。けれど、どんな意見を持つにしても、犯罪とその償いということについて何かしら考えさせられるにはちがいない。ずっしりと重く、それでいてストーリーには非常に勢いがあるので重苦しいとは感じさせない作品。
話の主眼は、主人公が娘を殺されたある母親(今は故人)と昔取り交わした約束(=犯人への復讐)を果たすかどうか、そしてそれを果たすように主人公を脅迫してくる人物の正体とは…というところにある。ただ、主人公自身過去に犯罪を犯しているということが段々明らかになってくることもあって、感情的にはあまり主人公に肩入れできなかった。ネタバレを避けるため内容には触れないが、最初から最後まで息づまるような展開で、おもしろかった。
紙の本
先が読める
2015/10/27 16:33
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
歯切れの良い文章で、ラストまで一気に読ませるのだが、同時に、結末まで早くに読めてしまう。一応、ネタバレは避けておくが、ひと捻りないと、ミステリの味が半減する。
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贖罪、ってなんなんだろう、と。
かつて犯した罪を償うことって本当にできるのだろうか。しかも、誰かの命を奪った罪は、だれがどう裁き、どうやって償うのか。大切な人の命を理不尽に奪われたら、どんな償いをもってしてもそれを受け入れることなんてできるはずもなく。たとえ法に則って刑に服したとして、そんなものがいったいなんだというのだ。人間の尊厳を踏みにじり命を奪った罪がなぜ同等の苦しみを伴わないで済まされるのか。もし自分の大切な人にそれが起こったとして、多分私も同じことを考える。命を持って贖え、と、きっと何年かかっても復讐しようと思うだろう。
きちんと罪を認め刑期を終え更生し新しい人生を歩いているヒトと、それを許せず命を持って贖えと復讐を誓うヒトと、罪から逃げ過去を隠し別人として生きて来たヒトと。読んでいる途中と、読み終わって冷静になった後と、誰に自分を置き換えて誰に共感しているのかが全く変わって来る。
誰が一番罪深いのか。言葉にすればどれも同じ「罪」という一言だけど、その言葉の持つ意味とその深さ、そして抱える悲しみは、どれも全く、違う。
新たな罪を犯すことになったとしても、その後の自分の人生を失うことになるとしても、それでも許せない罪というものはあるのだ。
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本作品の残念だった点は、
主人公に、同情も、共感もできなかった点でそぅか…。
主人公の置かれた状況に、同情ができず、
その状況の中での苦悩に、共感もできなかったためか、
お話が展開していっても、何となくしらけた感じが…。
もちろん、お話の内容によっては、
主人公に、同情や共感ができなぃことが、
お話の面白みに繋がっていく作品も多くありますが…、
少なくとも、本作品は、そのパターンではなぃので…。
むしろ、本作品の各登場人物の設定的には、主人公が、
真犯人の脅迫に屈して、ダークサイドに堕ちていく…、
そんな展開の方が、面白かったかも…。
薬丸さんは、お話作りはお上手ですが…、
今回は、キャラクターの使い方が、失敗だったかな~?
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モヤモヤ〜。
どうして公平は落合の店に入ったのだろう。どうやってたどり着いた?わからないことが多いかな
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20数年前に交わした呪詛のような誓約。
今の幸せを守るため、再び闇に足を踏み入れる。
先の全く読めない展開に完全に絡め取られた。
やはり薬丸岳は、凄い。
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どうやっても、癒されない被害者遺族の気持ちが、交錯する。
加害者の処罰がいかほどであっても、遺族の心情は安らがない。まして加害者に反省の気持ちがなかったり、裁判での量刑が納得できないものであれば、その気持ちはより強いものになる。
その人達の感情がぶつかりあった物語は、読み終えた後もいろいろな想いが沸いてくる。
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展開が早く、自分だったらどうするかとドキドキしながらあっという間に読み切った。
最後の無理矢理感と、都合のいい偶然ばかりが気になったけど、楽しめた。
主人公については、昔の行いを思えば自業自得。何故家族を持ってしまったのか…昔の罪を完全に償ってもいないのに、幸せになんてなっちゃいけない。
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主人公は顔にあざがあることにコンプレックスを抱き、粗暴な性格になり、少年院を出たり入ったりを繰り返す生活を送っていた。ある犯罪からヤクザに拉致され、その際ヤクザに傷を負わせ逃亡する。そんな時、一人の女性と出会う。その女性は娘2を人の男性に暴行を加えられた上、バラバラにして殺された過去を持っていた。その加害者の男性2人は刑務所に入っており、出所してからその2人を殺してくれたら500万円をあげるという。悩んだ主人公はその金を手にし、整形して新しい戸籍を手に入れ、幸せな生活を送っていたのだが、ある日、殺しを依頼した女性から手紙が届き・・・。
なんだかありえない展開が多く(まあ、小説だからしょうがないんですが)、著者の都合の良いように物語が展開され、最後も無理やり収束してしまったような感じがします。でも、読んでるうちは楽しくグイグイ読めたので4つ星。
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影で向井を操る奴の正体が全くわからずもどかしい時間が続いた。奴が分かったと思ったら、ひっくり返された。この事件の背景にはなかなか壮絶なストーリーがあった。ラストは未来を思わせる終わりとなった。どれ程の悪事を働いたとしても、それが強姦や殺人でなく今を真面目に誰かのために命を懸けて生きている
なら許すのか。許さないのか。当事者しか答えは出せないだろう。
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ヤクザから逃げるために戸籍を買い生まれ変わった男。
整形手術の金を貸してくれた老婆。娘を監禁陵辱されバラバラ殺人にされた。犯人が出所したら復讐する条件で500万円をくれた。
レストランの仕事は順調。妻子もいる。手紙がきた。二人の出所を住所を知らせてきた。スマフォをわたされGPSで監視。最初の一人を殺しに行くが、思いとどまる。
翌日、男が殺されていた。指紋付き刃物で自分が犯人。戸籍を変えたのも報道されている。脅迫者は近くにいる。バイトの佐藤は、昔、強盗に入った女の子供。
仕事のパートナーが脅迫者だった。その女の元恋人。
女は実父に犯され妊娠。バイトは近親相姦できた子供。
それを隠していた。自殺。原因は強盗ではなかった。
自殺をはかるが止めに入り、代わりに刺された
全てが明らかになる。レストランを社員に昇格したバイトとシングルマザーにまかす。
被害者の会で老婆ろオーナーは繋がった。
戸籍を売った男はヤクザに口を割らず
昔の仲間に会いに行くとビースト時代を思い出す
老婆は癌ですでに亡くなり、消息不明。
犯人と小学生時代の友人の手紙が手がかり
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過去を消すことはできない。が、現在、これからどう生きるか。が大切だが大切な人を殺されたらどんなことがあっても許すことは出来ないだろう。
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2015.5.25.主人公向井がなぜ黙って追い詰められていくのかすごく歯痒かったが、妻子に知られたくない事情があったことに納得、そして、全然同情出来ないと、突き放してよんでいたら最後、なるほど〜と良い読後感で終われた。途中、何度も投げたしたくなったが最後まで読んでよかった。
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なかなか読み応えもあり、展開もスピーディーで面白い。
どこかで誰かが負の連鎖を止めなければ墜ちて行くばかり。
一番大人だったのは公平だなあ。
再読あるかも。
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罪を償うということはどういうことなのだろう?と考えてしまった。犯人に操られ追い詰められていく展開はテンポが良くて楽しめた。(途中で何となく犯人がわかってしまったのが少し残念)が、ひどい目にあうことで罪を償っているようには見える主人公だが結局のところ過去の罪をきちんと償っていないのでは?というモヤッとしたものが残ってしまい素直に楽しめなかった。