紙の本
ユニコーンの物書き
2016/10/07 04:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:neko - この投稿者のレビュー一覧を見る
途中で、最後まで行きつくかなって、悩みましたが、無事読み終わりました。いわゆる、私小説みたいで、太宰治が今いたらこんなのを書くのかなって感じです。(走れメロスしか読んだことないけど)
たぶん、お話しを書くってのは、頭の中のプロットから、骨格を考えて、あとは、チカラ仕事。で、主人公は、本を読んで頭の中にプロットを蓄えてるし、それを骨格にする能力は十分だけど、チカラ仕事の部分のトレーニング中って感じですか。アメリカの大学だと、第2外国語コースとかでさえ、ライティングのコースはあるけど、日本の大学はあまりチカラ入れてなさそうですね。3ヶ月ぐらい、語学留学してみるのも悪くないかも。
2016/10/07 追記
ちなみに、いづみさんはマザーボーイとユニコーンのどちらを選ぶと思いますか?ユニコーンが増殖するワケです。
紙の本
ストーカー小説!?
2022/07/31 14:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の実緒は気持ち悪い。その感覚はわかるし、実緒ほど卑屈でもコミュニケーション下手でもないつもりだが、ちょっとだけ共感してしまった。
投稿元:
レビューを見る
著者のデビュー作「左目に映る星」を読んですごくいいな、好きだなと感じ、
今作を期待度大で読み始めたのですが、出だしから素晴らしかった。
――目に見えない本がある。
なんのこっちゃって感じ。タイトルからSFものかな、とか想像したりしていたんだけど出初めからガシっと心つかまれてしまった。さらに続く。
――書棚にあるその本を、誰も手に取らない。視線も向けない。インターネット上の書店においても同様で、在庫数はいつ確認してもまったく減っておらず、読書家が集うSNSにも、もう一年以上、新しい感想は投稿されていない。実はこの本は自分にしか見えないのではないかと、実緒はときどき不安に駆られた。しかし、現実に本はある。書店で触れることも可能なら、新聞の書評欄で紹介されたこともある。本は確かに存在している。
だけど見えない、私以外の誰にも。
物語の主人公である実緒は高校生のときに佐原澪というペンネームで新人賞を受賞し小説家となる。茄子紺色のカバーの本を出版し、インタビューもたくさん受け、大学には進学せず上京をするも、それ以降物語を書けないまま5年が経ち23歳である。
上記の出だしは実緒の単なるエゴサーチである。自分という作家が確かに存在していたこと、あるいは存在していることの確認。世間が自分を見出してくれているか、忘れ去られていないか、あるいはとっくの昔に忘れ去られてしまっているのかの確認である。
あるとき実緒は自分の本が未だに置かれている書店を発見する。右隣は映画化常連のベストセラー作家、左隣には還暦を超した大御所作家。その間に居心地悪そうに収まっている自分の本を発見して以降、それがそこにあることを確認することも日課のひとつになった。
ある日いつも通りに書店に向かうと、青年が自分の本を引き出そうと指をかけている場面を実緒は目の当たりにする。青年はぺらぺらとめくっただけですぐに書棚に戻してしまい、結果として購入には至らず依然として本はそこにあり続けるのだが、実緒は青年を失いたくない衝動に駆られ尾行し、住まいをつきとめる。
そしてそれから一切書けなかった小説が、実緒の頭の中で物語として動き、形となる。出来上がった掌編を青年・千田春臣の家のポストへつぎつぎと落としていく。やがて実緒はFBに登録し春臣のタイムラインをみることも日課となり、春臣の彼女・いづみのタイムラインものぞき見をする。小説家志望であるいづみとひょんなことから繋がり、現実の世界でも春臣といづみと友人となるなかで、実緒は依然として掌編を春臣のポストに落とし続ける。。。という物語。
ハッピーエンドか、バッドエンドか。はたまたなにも起こらないのか、実緒の不器用さが痛すぎて、読んでいて怖くなった。いつ崩壊してしまうのか、はらはらしたけど、想像したよりも哀しい崩壊ではなかったのがまたよかった。出てくる人物みんな優しい。ずるさとか卑しさとかはあるにしろ、優しい気がした。だから崩壊した直後のラストを読んだときは震えた。きっと、この先の実緒は小説家として輝かしい未来が待っているんだろうな、と。
表紙絵がすごくきれい。淡くて現実と非現実が��じりあった感じがすごく好き。とても繊細な物語で好感度高かったです。次回作も楽しみ。久しぶりに読んでて静かに興奮した。
投稿元:
レビューを見る
左目に映る星より断然良かった
主人公の実緒にどんどん引き込まれた
ラストで春臣といづみとはもうダメだか
ちゃんとまた書けるようになったのは良かった
読んでいて実緒の行動は切なかった
投稿元:
レビューを見る
若くしてデビューしたコミュ障の女性作家が、その後書けなくなり、それでも作家でいたいと苦悩する。
苦悩の末にどういうわけか全裸生活をするようになったり、自分の過去作品を手に取った若い男とその彼女にストーカーまがいのことをするようになる。
読んでいるともう破滅の予感しかなく、いつくる?いつ壊れる?と破滅待ち状態になる。
でも予想していたよりは派手に壊れなかった。
作中にでてくる短編のネタが素敵で、そちらの話しを読みたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
新人賞を取ったっきり2作目の書けない新人作家が「自分は誰からも注目されてない」との思いから自身が透明人間であるという妄想と現実世界を行き来することになる物語。最終的には創作の道を見つけ出すことになるのだが。
投稿元:
レビューを見る
実緒は高校3年生の時、新人賞を受賞。
今はスランプで小説は一作も書けていない。
ある時、書店で自分の本を手に取る男を見掛けあとをつける。
会いたくなったら透明人間になり彼の部屋へ行く。
あるきっかけから、彼の恋人と仲良くなる。
いつもひとりだった実緒。
楽しい夏の思い出も作ることが出来た。
実緒の友情は続き、新しい小説を書けるのか。
実緒の世界観に引き込まれしまうと
それがどれ程危ういのか分からなくなってしまう。
その世界観が心地よく、実緒に親近感を覚える。
投稿元:
レビューを見る
すばる文学賞受賞第一作。装丁と作品のギャップが凄まじい作品。帯に書いてあるとおり、地味で冴えない女性作家のグレーな青春小説である。白でもなく、黒でもなく、2つの色を混ぜ合わせたグレー。妄想というのは自由なのだが、いきすぎると他人に迷惑をかけてしまうのだなと思った。主人公にはグレーゾーンというのがわからないのかもしれない。だから、いきすぎた行動をとってしまうのだろう。そのせいで、一時の幸せまでぶち壊す事になるとは…。
投稿元:
レビューを見る
もう2度と読みたくないと思った。
全然救われない。主人公が気持ち悪い。
出てくる登場人物に良い人が一人もいない。
投稿元:
レビューを見る
辛すぎる内容でドキドキした。自分が実緒にならなかったのはたまたまであって、全然なりうるって思いながら読んでました。
投稿元:
レビューを見る
新聞の書評で紹介されていたのでメモに残しておいた作品。
ふと読みたい本の隙間が空いたのをきっかけに図書館で借りて読むに至る。
ものごとの背景を知られないことの残酷さと哀れさを痛感させられるラストだった。
投稿元:
レビューを見る
自分の書いた本を書店で手にする人物を見かけたら。
うん、確かに気になる。ちょっと悪いなと思いながら後をつけたりするかもしれない(家まで行くかどうかはわからないが)。
そこから、相手のことを想像することは許そう。
でも、直接関わりを持とうとするのなら、正面から向かっていくべきでは。
自分がやられて気持ち悪いことは、他人にやっちゃいけないよね〜。
投稿元:
レビューを見る
新人賞を受賞し小説を出版でできたは良いものの、その後の作品が作れず、世間から忘れられていこうとしていた時に、自分の本を一度手にとった男に惹かれてしまった女の子(実緒)のお話です。
まず、ただただ気持ち悪いです。
この主人公の女の子が。
主人公の本を手にとった男(晴臣)とその恋人(いづみ)、バイト先のリーダーも含めて、ろくな人間は出てこないようには見えますけどもね。
晴臣に惹かれて、知られないようにこっそり小説を投函し続け、想像の中で晴臣の家に行ったりするところなんて、気持ち悪さの局地ですね。
いづみと知り合うことで良くなるのかなと思ったら、そういうこともなく。
いづみと晴臣も、地味に実緒に好意をろくに抱いていたわけでもなかったりというのが、海に行った後の帰りの音声録音ではっきりしてたので、あれ?とはなりましたが。
いづみはすごくいい人に見えたんですけどね。
途中出てきた、元担当の渡瀬が口だけのろくでもない人なのかと思ったら、最後の最後でちゃんとしてくれたのは想定外でした。
最後に、晴臣に小説を届けていたのがバレたことで、活路が見いだせたのが救いでしょうか。
すっきりしたんだかしないんだかよくわからない感じでした。
投稿元:
レビューを見る
孤独だ。そして独りよがり。
甘く自由な妄想の世界と、寂しい現実を行ったり来たり。
全裸生活が、特に自由で孤独で気持ち悪くて、素晴らしいと思った。
きっと彼女は、孤独でなければ小説を書けないのではないだろうか。
だけど孤独で痛くて可哀想であり続ける彼女の小説ならば、わたしは誰よりもそれを読みたい。
投稿元:
レビューを見る
前作は好きだったのですが、これはちょっと無理かな。
主人公の感情的なぐじぐじした部分はありかもしれなけど、裸での生活は無しです。何かの解放とか表現しているかもしれないけど・・・うーん。
これを男女入れ替えたら、かなり気持ち悪いかも。