紙の本
うつに悩む家族に希望を
2016/01/31 10:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:菊男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の妻も長年患っています。
この本を読むまでは、精神科の医師は薬物療法しかしてくれないので
どこの病院・クリニックでも同じだとあきらめていましたが
思いきって 井原先生の病院にお願いすることを決めました。
内容はうつ病に対する日本の現状(製薬会社と医師の関係)が
赤裸々に描かれていて大変参考になりました。
紙の本
まあそうなんでしょうが。
2015/10/03 05:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たい - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルが過激というか、エビデンスとしてはわかりますが、巷のクリニックの医師のほとんどは、訴えがあれば薬を処方するし、性格習慣改善中心の精神療法を行っている医師も、ぼちぼち見るという程度でしょうか。生活リズム表を記入してもらって、媒介にしているパターンがちらほらという感じです。治療方針としての正しさはよくわかります。本当はあまりいらないんだろうなあ、という薬によって、やや覚醒度が落ち、メリハリのない生活の一因になってしまっている人は不幸だと思いますから、著者の主張はまっとうでしょう。たぶん精神療法の保険点数がもっと多ければ、先生方も一所懸命生活指導するんでしょう。でないと一日に20人以上診るのは疲れてしまい、思わず薬だけの治療という方に流れるんでしょうね。
電子書籍
うつの実態
2018/09/23 09:54
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投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本には、うつの実態が書かれてある。
この本を読めば、己の未熟さを痛感することだろう。
そして、自分と向き合うようになると良いだろう。
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精神科歴5年のオイラにとっては衝撃的な内容。この本読むと薬は効くのは2割。その効いた薬の3分の2はプラシーボ効果だという。なかなか治らないのも頷ける。馬鹿らしくて薬の減量に成功。あと4ヶ月でやめれそう。
ホントこの本のおかげです。
心の風邪キャンペーンで心療内科にかかる患者が増えたこと増えた事。行かなくていい奴まで通って、薬漬けにされてしまい抜け出せなけなってしまう。
製薬会社の継続して薬は飲んでもらい、たくさんの種類を出してもらう精神科の薬とマッチしている。製薬会社の私腹をこやす為に鬱になるのは馬鹿らしい。
会社もコミュニケーション能力を一番求める人材ではなく、会社にちゃんと来る人を雇いたい。
休職者に渡す給料ほど馬鹿なものは会社もない。
とにかく精神科、心療内科は見直すひつようがある。
追記で【精神科】より【心療内科】という言葉のほうが患者の病院に通いづらいと思うハードルをかなり下げている。あと病院の開業する立場の人も最低限の机、椅子、部屋さえあればいいので開業しやすい。
しかも薬だけだしての3分診療が如何に多いか。
医者も見直しが必要である。
最後に重要なのは睡眠と正しい生活リズム。引きこもりでの睡眠リズムの乱れや、休職期間に関しても生活リズムを正すのは難しい。睡眠と生活リズムが滅茶苦茶で気分が悪いから鬱になったと思い込む馬鹿もかなり多い。
睡眠を正す事がどんな薬よりも治療効果として高いのである。
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最近マスコミでも話題になっている本。一気読み。著者の書籍は学ばされることが多く好んで読ませていもらっているが、これは一般向けの本であり、現代のうつ病や双極性障害治療に対するアンチテーゼであり、よくよく考えると当たり前のことがわかりやすく書かれている。印象に残ったフレーズとして、現在の薬漬け医療は「精神科医・製薬会社・患者の三位一体として理解する必要性」、双極性障害を「睡眠・覚醒リズムのの失調」として捉え直す、『クルマ乗るなら酒飲むな、クスリ飲むなら酒飲むな』、精神科クリニックにかかるのは今やギャンブル、安易な休職のすすめの再考、うつ病の休職にも損益分岐点がある、休職による利益と損失が交わる点がある、家族や周囲の者は「日薬」と「目薬」で接する、生活習慣の基本は①睡眠量②睡眠相の安定③アルコールの制限、精神科医に名医はいない。すごく簡単なことで基本的なことであるが、睡眠とアルコールについて強調されていることにいたく共感した。
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うつに軽く悩んでいる人には参考になるかもしれないが、
少し厳しい内容も多く、実際に本当に悩んでいる人にとっては、良し悪しかも。
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自分の人生の主役は自分自身。自分を治すのも自分自身。主治医は手助け。
まずは睡眠量、睡眠相、断酒で生活を立て直す。
睡眠は7〜8時間。過労者は睡眠不足改善、老人は不活化を防ぎ散歩30分、寝過ぎない。不登校児は朝日を浴び生活リズムの立て直し。
家族や周囲の日薬と目薬。(時間が薬である〜時間が癒してくれる、あなたは一人では無いと伝え続ける)若者には夢を、年寄りには思い出を。自殺さえ食い止めれば鬱は治る、とにかく治ると希望を与え続けることが大切。どうしても自殺念慮がおこる時は、入院も一つの手段。
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医薬品というのは実のところ、かなり打率の低いバッター。治癒打率が1割もあれば強打者であり、打率2~3割の抗うつ薬は十分に高いレベル。されど、本来、患者に必要なのは、言葉のやりとりにより患者の抱える問題をわかってあげること。ところが、日本の多くの精神科医は精神療法ができない。勢い、患者を手ぶらで帰すわけにもいかず薬を処方することになる。新型うつ、現代型うつ、などと次々に奇妙な新病名を開発し、本来のうつとは全然違う人にまで薬を処方している。精神科医は患者を治してあげようと善意で処方しているから問題の根は極めて深い。加えて双極性感情障害の病名がつけば、よりアグレッシブな薬物療法を正当化できる。実は、双極性感情障害はうつ病以上に薬漬け医療の餌食となっている。腕のよくない精神科医ほど、治らないのは薬が足りないせいだと考えがち。だから、ますます増える。体の中で化学物質が増えたり減ったりすれば体も十分な対応ができなくなる。精神のバランスを崩す人も少なくない。下手な薬物療法は、休むに似たり、どころか、かえって気分を乱高下させる。
巷で増えているのがメンタルクリニック。スタッフ一人おれば投資も何も必要ない。簡単に始められし儲かる。患者は薬漬け。最後に危ないクリニックの見分け方を教えてくれている。①初診なのに薬が3種類以上②薬の説明がない③不調を訴えるたび薬が増える。
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従来 うつ病 遺伝や体質が原因とされる内因性のうつ病と、心理的なストレスや精神的な葛藤が原因とされる心因性の抑うつ状態にわけて論じられていた
80年代 DMS-III 操作主義診断の導入 内因性と心因性の区別をなくした ノイローゼの概念そのものが消えてしまった
英語圏の精神医学では、ノイローゼのことをマイナーデプレッションと呼ぶこともある。うつ病とみなされなかったノイローゼがマイナーデプレッションと名前を変えて、うつ病圏のグレーゾーンに取り込まれた
サミュエル・ジョンソン 地獄への道は善意で敷き詰められている
休業の診断書 第一弾
適応障害(抑うつ状態) 上記にて一ないし4週に一回の通院加療を要する。就業継続は不可能ではないが、耳介がん勤務を控える等の配慮が与えられることが望ましい
第二弾 適応障害(抑うつ状態) ◯月◯日に「時間外勤務を控える等の配慮が与えられることが望ましい」と記したが、何ら改善されず、患者の状態は悪化している。事業者に労働者の健康の保持を考慮して適切な処置を講ずる義務があることは、労働安全衛生法に規定されている。健康上の理由から、時間外勤務を控える等の措置を直ちに講じなければなならい
第三弾 ◯月◯日までに時間外勤務を控える等の措置が講じられない場合には、精神医学的資料、診療録複写等を一式揃え、労働基準監督署に送付して、事態の収拾を同署の判断に委ねることとする
MR かつてpropagandist
自助努力
1日7時間超の睡眠、睡眠相の安定、そして断酒
クルマのるなら酒のむな、薬飲むなら酒のむな
ガイドライン 薬のカタログとしては優秀であるが、それを超えたものではない
エビデンスに基づくことが求められ言い換えられれば、エビデンスに縛られている evidence-bound
この患者に今必要なことはなにかを考えることこそ精神療法的に思考するということ
精神療法とは、個々の患者に応じて、優先順位を考えていくこと
いまの精神医療の現場では、薬こそ出すけれども、生活習慣を見ようとはしない精神科医が多いのが実情です
社会的問題の解消
労働問題(超過勤務、パワハラ、派遣切り)
貧困問題(失業、多重債務など)
対人問題(恋愛、嫁姑、家族関係など)
青年期のうつに必要なことは、「自分探しより職探し」であり、仕事をすることで経験を積み、新しい出会いがあり、新しい可能性をみつけることができるのです。
家族や周囲の人は、日薬、目薬で接する
帚木蓬生 逃亡
日薬 なにごとも日時が経てば、状況が変わる。何事も、なんとかもちこたえていれば、好転する時が来る。どんな難題も時が解決してくれる
目薬 誰かが見守ってくるる人がひるという実感です。そう思うと、かなりの苦しみにも耐えられます。逆にだれもみてくれるひとがいないと思うと、人間というものはもろいものです。
こころのケア 若者には夢を、高齢者には思い出を
悲しいことに誰も年を重ねるごとに、夢の数は減り、思い��が増えていきます。そして、いよいよ未来が過去より小さくなった時、人は老境を迎えます
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抗うつ薬のNNTは5、つまり薬を投与して意味があるのは5人に1人。薬物治療とはそういうことかと、まさに目から鱗。いつか自分や家族が病を得たときに、それを受け止めるための新しい心構えをもらった気がした。今のうつや双極性障害の"患者"が時代の要請で作り出されたものだということもよくわかった。もちらん、彼らを非難する気持ちにはなれないが。規則正しい7時間睡眠の確保、適度な運動、アルコールの節制で、精神の調子が大きく上向くという、言われてみれば当たり前のことが、薬物治療という魔法に頼ることで霞んでしまっているのは、患者さん達にとってとても不幸なことだと思う。とはいえ、当たり前のことをやすやすとはできないのが人間。「人生の主役はあなた自身です。あなた以外の誰一人として、あなた自身の問題を解決してくれる人はいません。」本の最後に書かれたこの言葉を大きな励ましととらえられる私の精神は、今とても健康なのだろう。そのことに感謝しつつ、明日もまた規則正しい生活をしようと思った。
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薬は2割の人にしか効かず、その2割の人のために全員に薬を処方している。うすうすそうではないかと思っていた。そして、薬以外の対処法を身につ行けていないというのもそう思った。カウンセリングでは傾聴が重要視されるが、「どうでしたか」とひたすら聴くだけで、アドバイスもなく、指針もなく、というカウンセラーが多いのかもしれないと思った。
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Disease Mongeringによるうつ病診断の過剰、抗うつ薬大量処方に対する批判の本。内容的には当事者向けで、「うつ」で病院にかかろうと思っている人、もしくは服薬していてあまり効果を感じてない人向けで、軽めの内容。
・MDPについて、双極II型という概念を後から付け加えておいて、治療の話になるとI型のことばかり論じるのはおかしいという。しょせんは「躁うつ病もどき」だから、I型のような薬物療法をする必要はない。
・飲酒者には原則投薬しない。断酒してもうつ・不安であれば薬物療法を考える。
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「脳の病気」の主張はほとんど宗教。というのには驚いた。今は仮説段階であり、これから実証実験がされていくのだろうけど。あとはだいたい想定していた内容。新型・軽症うつには薬は効かない。医者ではなく、弁護士が問題を解決する事も多いというのも尤もな話。
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現役の精神科医による、うつ病・双極性障害を主とした精神疾患を取り巻く種々の現象が批判的に分析された著書。
近年うつ病患者が急増した背景や、現在治療の主な手段となっている薬物療法に対して、製薬会社と精神科医、そして患者の関係性を中心に私見を述べている。
タイトルにある「うつの8割に薬は無意味」とは、プラセボ(偽薬)を用いた実験から、薬物療法に効果があるのは重症患者の2割のみであり、その他の「悩める健康人」に対しては、睡眠の質の改善、飲酒の制限等で十分治せるという意味で用いられている。
本著では、現代のうつ病に対してやや刺激的、衝撃的な表現も交えながら論が展開されるため、薬の力を信じて投薬治療中のうつ病患者の方や、タイトルを見てショックを受けた方には読むことをあまりお勧めできない。「ひょっとして、私はうつ病ではなく『悩める健康人』なのでは?」という疑念が生じ、疑心暗鬼に陥ってしまう場合が十分にあり得ると感じられたためだ。
投薬治療に疑問を感じ始めた患者の方やその家族の方等、これまでとは異なる側面からうつ病治療を捉えたい読者の方には、参考になる点はあると思われる。
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双極性障害について何冊かの本を読んできて、これはと思うものは少なかった。双極性障害のなんたるか(Ⅰ型とⅡ型があることなどなど…)、あらましを解説するものばかりで、さて本人としてはどう生活していくべきなのか、この大事な点まで踏み込んだものはそうなかったのだ。本書の著者は現医師であるにもかかわらず、治療に欠かせない薬物療法について過剰な期待をすべきでない、と始める。「患者を治せる精神科医はいない」とまで言う。本書では患者自身が病をどうとらえて生活し、身近な人々から社会まで、どう付き合っていくか、その見直しを説いている。
双極性障害の患者本人が、以前のような生活を取り戻せるよう、必死に情報を収集しては挫折してきたのではないかと思う。本書は良薬や劇薬ではない。しかし双極性障害という病そのものをもう一度正しく見直し、ひいては自分自身についても見直す最良のきっかけになる本ではないかと思う。私は終章「メッセージ」まで読んで理不尽なこの病について、自身の不運や不幸に傾きがちだった精神状態がやや緩和されたような気がした。そして「やや緩和」それだけでも十分救われた気がしたのだ。