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紙の本
ユダの窓 (創元推理文庫 ヘンリ・メリヴェール卿シリーズ)
被告人のアンズウェルを弁護するためヘンリ・メリヴェール卿は久方ぶりの法廷に立つ。敗色濃厚と目されている上、腕は錆びついているだろうし、お家芸の暴言や尊大な態度が出て顰蹙を...
ユダの窓 (創元推理文庫 ヘンリ・メリヴェール卿シリーズ)
ユダの窓
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商品説明
被告人のアンズウェルを弁護するためヘンリ・メリヴェール卿は久方ぶりの法廷に立つ。敗色濃厚と目されている上、腕は錆びついているだろうし、お家芸の暴言や尊大な態度が出て顰蹙を買いはしまいかと、傍聴する私は気が気でない、裁判を仕切るボドキン判事も国王側弁護人サー・ウォルターも噂の切れ者。卿は被告人の無実を確信しているようだが、下馬評を覆す秘策があるのか?【「BOOK」データベースの商品解説】
密室殺人の被疑者となった青年の弁護をするため、ヘンリ・メリヴェール卿は久方ぶりの法廷に立つ。裁判を仕切るボドキン判事も国王側弁護人サー・ウォルターも噂の切れ者。圧倒的に不利な卿に勝算はあるのか!?【「TRC MARC」の商品解説】
密室殺人の被疑者となった青年の立場は圧倒的に不利。弁護に当たるH・M卿に勝算はあるのか。法廷ものとして謎解きとして間然するところのない絶品、創元推理文庫に登場!【商品解説】
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紙の本
「密室の名手」による法廷物の傑作
2020/12/08 21:46
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KTYM - この投稿者のレビュー一覧を見る
カーター・ディクスン(ディクスン・カーの別名義)による法廷物。おどろおどろしい怪奇趣味は封じていますが、圧倒的なリーダビリティで最後まで一気に読ませます。
結婚を申し込むために訪れた恋人の家で突如前後不覚となり、気が付くと、結婚を祝福してくれた筈の恋人の父親が胸に矢を突き立てられ、息絶えていた。部屋は内側から「差し錠」がかけられた完全な「密室状態」。矢からは本人の指紋が検出され、殺された父親は結婚に反対していたという証言も。
圧倒的に不利な状況で、窮地に立たされた青年を救うためにH・M(ヘンリ・メリヴェール)卿が立ち上がる。得意の毒舌と下品な冗談は(やや)控え目に、ただし芝居っ気はたっぷり。この人は柄にもなく弁護士だったんですね(スパイの親玉かと思っていました)。
タイトルの「ユダの窓」を使ったトリックはさておき、密室状況を作り出す手腕はさすがです。
次々と新たな事実が明らかになるスリリングな展開で、巻を措く能わず能わずの傑作です。
紙の本
H・M卿シリーズ
2015/11/16 15:59
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のきなみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
古典だけどそれをまったく感じさせない生き生きとしたキャラクター達。
ヘンリー卿は実際に傍に居るとたぶん好きじゃないタイプのおっさんなんだけど読んでいる分には憎めないおっさんで好き。
トリックは隙がなくしっかりしている。どんでん返しはないけどすっきり纏まってる感がさすがのベテラン作家だなぁーと思う。
紙の本
そういえばH・M卿は弁護士だった、と思い出させてくれる法廷劇。静謐さを感じさせる表紙もグッド。
2016/03/13 08:22
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
トリックだけは子供の頃から知っている『ユダの窓』。
トリック・パズラー大全集みたいなもので小学生ぐらいのときに読んだような(出典は記されていたが、今思えばミステリ古典のネタばれ事典のようなもので罪つくりな存在だったのでは・・・)。 30年近い時を経て、初めて原典に触れる!
婚約者メアリの父であるエイヴォリー・ヒュームを訪ねたジェームズ・アンズウェルは、勧められたウィスキーソーダを飲んだ後意識を失い、気がつけばヒューム氏は死体となって倒れていた。 現場はすべて内側から鍵がかかった密室。 彼以外に犯人はいないものと思われたが・・・。
そういわれればH・M卿の職業は弁護士だったなぁ、と実感する法廷劇。 まさにはじめから最後まで裁判所で事件が振り返られるという裁判を傍聴しているような感じ。
で、メイントリックを知っているからといって楽しめないということは全然なくて、むしろトリックは結構どうでもいいというか(いや、どうでもよくはないんだけど)、あまり重要ではない。 裁判の過程で現れる関係者の人となり、意外な過去、そして駆け引きという名の心理戦のほうがずっと面白い。
・・・なんというか、やっぱり推理小説(探偵小説)の醍醐味ってこういうのよねぇ。
制約のある中での情報収集、そこから現れる人間の意外な本性、理路整然とした解決策。
勿論、現代のミステリが面白くないってことはないんだけど、どうしても社会派だったり時代を先取りする要素を入れていかないといけないから<広義のミステリ>の幅がどんどん広くなるばかり。 それはそれでジャンル小説と純文学との垣根も低くなるわけだから結果的にはよろこばしいことですが。
そんなわけで、今更ですが古典に触れるって大事、ということを改めて実感したのでありました。
でもまさか、『ユダの窓』本編が読める日が来るなんて、当時小学生だった私には想像もできなかったな・・・時間が解決してくれることも確かにある、ということですね。
紙の本
H・M卿法廷に立つ
2017/05/17 22:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
密室の中にいたのは被害者と被告人だけ。H・M卿は真犯人がユダの窓から出入りしたと言う。しかもユダの窓はどんな部屋にもあるという。最初、H・M卿がそう言ったのを見て、本当にそんな窓があるのかと思ったけど、ありました。完全に盲点でしたね。不可能犯罪という要素に、法的劇も相まって全体を通じて緊張感のある作品に仕上がっています。読んで損なし!
紙の本
トリックはともかく面白い
2020/01/24 00:33
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねったいぎょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般的には評価の高い名作ですが、個人的にはトリックの面でいまいちと思いました。実際に可能なのかというと不可能な気がしますし、このようなトリックを使う意味もわかりませんでした。物語としては面白く、文章も上手で、読んでいて面白かったので、その点は良かったです。