花の嵐 傑作長編時代小説 （コスミック・時代文庫 吟味方与力人情控）

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辻堂魁の本は、夜叉萬シリーズしか読んだことがないので、どれから読むべきかと考えていたところ、
新装版『春の嵐』を書店でみかけ購入。

導入部で、男とその赤ん坊が死にはぐっているところを偶然助けられる。
ここまではいいのですが、

その次の章で主人公の吟味方与力助鼓晋作が登場、長々と説明があり、ここが正直スッと頭に入らなくて戸惑いました。

しかし、そのあとは、死にはぐった男が復讐の為、１０年の時をかけて、さあどうなるって感じでさっと読めてしまいます。

なんといっても個人的には、途中で“内与力の久米”登場でびっくりです。　この久米さんって“夜叉萬”に出てくる久米さん！では？とはっきりしないまま、
そして、あの久米さんならとワクワクしておりました。
”夜叉萬“といえば、今回の話、内容的には違いますが、復讐を誓った男が、どこか夜叉萬シリーズの「べっぴんさん」の話を彷彿。
読み終わって本の表紙をあらためてみたら『春の嵐―吟味方与力人情控』となっており、
そうか人情物だったのだ、と納得。　最後はちょっと切ない話でした。