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海外SFハンドブック (ハヤカワ文庫 SF)
著者 早川書房編集部 (編)
海外SFを愛するすべての読者におくるガイドブック。必読作家・必読書100選、SF作家のエッセイ、年代別SF史、ハヤカワ文庫SF全作品データなどを収録。【「TRC MARC...
海外SFハンドブック (ハヤカワ文庫 SF)
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商品説明
海外SFを愛するすべての読者におくるガイドブック。必読作家・必読書100選、SF作家のエッセイ、年代別SF史、ハヤカワ文庫SF全作品データなどを収録。【「TRC MARC」の商品解説】
クラーク、ディックからイーガン、チャン、『火星の人』、SF文庫2000番『ソラリス』まで。主要作家必読書ガイド、年代別SF史、SF文庫総作品リストなど、一冊で海外SFのすべてがわかるガイドブック最新版【商品解説】
ジャンル入門者から長年読み続けてきたマニアまで、海外SFを愛するすべての読者におくるガイドブック。待望の最新版【本の内容】
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もう少し読書意欲を駆り立てる何かが足りない
2016/08/29 00:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テトラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
早川書房から海外SF作品のガイドブックはこれまでに『SFハンドブック』と『新・SFハンドブック』の2冊がそれぞれ1990年と2001年に出版されているが、ミステリ一辺倒の私にとってSFというジャンルは当時まったく食指の伸びないものであったため、どちらもスルーしてきたのだが、昨今縁あってボツボツとSF作品を読むようになってきたため、純粋に初心者の立場からSFに触れようと本書を手に取ってみた。
正直本書に収録されている作家たちは名のみぞ知れ、まったく馴染みがないため、作品に対する興味はミステリよりも沸かなかった。むしろSFというジャンルはやはり小難しいという思いを強くした。
残念なのが代表的な作家を取り上げ、彼ら彼女らの代表作の解説が延々と続いていることだ。やはり初心者のとっかかりとしてはやはりオールタイム・ベストに即した作品の紹介だろう。何が一番最大公約数的に評価が高く、初心者の食指を誘うのか、それを知るのはベタではあるが、やはりランキングなのである。
本書ではランキングは記されているものの、単なる順位紹介に留まっており、門戸が開かれていない感は否めない。
また延々と続く作家の紹介の後は日本人作家の座談会が少々と作家たちのオールタイムベストの紹介、そしてSF史を綴ったコラムが続く。しかし内容としてはそれだけである。残り140ページは索引ばかりとなんとも呆気にとられてしまった。
最近の編集者たちはガイドブックの作り方を知らないのだろうか?ランキングもしくは主だった作家たちの作品の紹介をして、少しばかりコラムを載せればガイドブックが1つ出来上がる、そんな風に思っていないだろうか。
確かにそのような作りのガイドブックも昔からあったのだが、書かれていた内容はもっとディープで筆者の熱を感じるものばかり。もしくは新たな物語の見方を示す、まさに読み巧者の鋭い目利きといった内容がコラムには含まれていた。
本書を含め、最近のガイドブックは書影とタイトルでページ半分を費やし、残り半分の限られたスペースで作品に関する内容と作品が書かれた時代背景などを紹介するものだから浅薄に思えてならない。またコラムも作家名と作品名の羅列に過ぎないものが多く、門外漢にしてみれば、「だから何なんだ?」と思わず云いたくなる代物ばかりだ。
もっと1つの作品もしくは作家を突き詰めていろんな書評家がディープに論じてほしい。それこそが読者を知らない世界へ導く有効な道標となりうるのである。
私にとって本書はこれからの読書ライフで迎えるSF作品の足掛かりになるとは現時点では思えないが、もし本書に収められている作品を読んだ後に振り返って本書を紐解いたとき、本当の価値が解るのではないか。そう期待して本書は傍らにとっておこうと思う。