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紙の本
戦後労働史からみた賃金 海外日本企業が生き抜く賃金とは
著者 小池 和男 (著)
海外日本企業が各国の企業と競争していくとき、勝ち抜く賃金、サラリーの方式を提議。戦後70年の労使の経験を通観し、これからの日本のサラリーの姿を描く。【「TRC MARC」...
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商品説明
海外日本企業が各国の企業と競争していくとき、勝ち抜く賃金、サラリーの方式を提議。戦後70年の労使の経験を通観し、これからの日本のサラリーの姿を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
名著『仕事の経済学』の著者として名高い、労働経済学の泰斗・小池和男氏が、戦後70年の労使の経験を通観し、これからの日本のサラリーの姿を描き、グローバル化の時代にあって、海外日本企業が生き抜く賃金とは何かを提起する。
「この本はふたつの目的がある。ひとつは、海外日本企業が海外で各国の企業と競争していくとき、生き抜く賃金、いや勝ち抜く賃金、サラリーの方式を提議したい。撤退しないためには、海外日本企業の主力、その地の人に納得して働いてもらわねばならない。それには、どのような賃金、サラリー方式が重要か。……ただし、それはこの本を書くときに最初からもっていた意図ではない。まずは、戦後労働史の一環として賃金、サラリーを調べたいと思った。だが、めまぐるしく変転する議論、錯綜した認識の状況がつづいてきた。そこで、わたくしがかつて提唱した理論「ブルーカラーのホワイトカラー化仮説」を適用すれば、もつれた糸がほぐれるように解くことができる、と考えた。それがもうひとつの目的である」(はしがきより)。
「日本産業社会についての思い込み、既成観念の……最大のひとつは労働にあり、賃金にある。その一つが、『日本は年功賃金で遅れている』という観念である。これが日本社会の遅れ、非効率の源泉、非実力主義の象徴と思い込まれてきた。そのゆえに、しばしばその是正と称して、本来の長所を殺すような主張や施策がとられてきた。一例をあげれば、『定期昇給制』の『廃止』であり、『職務給』や『成果給』の強調である。……なぜ定期昇給廃止が長所を殺す動きなのか。……くりかえし作業に終始する仕事ならば、定期昇給を廃止してもなんの問題もない。いや、そもそもくりかえし作業に終始する人には、定期昇給は日本においても、もともととぼしい。……定期昇給があるのは、やや高度な仕事のばあい、またそこへの人材の形成を図るばあいなのだ。仕事、労働の内実こそが根底にある。だから、賃金だけみたのでは、賃金はわからない。戦後労働史からみた賃金と題するゆえんである」(序章より)【商品解説】
目次
- 序章 既成観念の打破--「年功賃金」か
- 第1章 米のサラリー--米労働統計局BLS1963年調査を中心に
- 第2章 金子美雄の賃金論--日米についてのすぐれた洞察
- 第3章 電産型賃金--敗戦直後の短命
- 第4章 総合決定給・職能給--安定してつづく主流
- 第5章 なぜ職務給が広がらなかったか--技能形成にマイナス
- 第6章 成果主義の幻想--短期すぎる視野のおそれ
- 終章 海外日本企業をつよめる賃金、サラリー方式
著者紹介
小池 和男
- 略歴
- 〈小池和男〉1932年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学名誉教授。レスター大学労働市場研究センター名誉教授。紫綬褒章受章。文化功労者。著書に「高品質日本の起源」など。
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