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愛する (キャラ文庫)
「卒業しても、先生に絵を習いたい」苛めで不登校になりかけた由多を、幼い頃から支えてくれたのは、絵画教室の講師・桐生凌。美大進学を機に、募る想いをついに告白!!必死な由多に...
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商品説明
「卒業しても、先生に絵を習いたい」苛めで不登校になりかけた由多を、幼い頃から支えてくれたのは、絵画教室の講師・桐生凌。美大進学を機に、募る想いをついに告白!!必死な由多に絆されてか、二人は恋人になることに。けれど入学早々、才能に注目され始めた由多に、凌はなぜか冷たい。嫉妬や中傷も、先生がいれば怖くないのに―由多は初めて、凌が自分を見ていないことに気づき…!?【「BOOK」データベースの商品解説】
子供の頃から感受性豊かで、思ったことを素直に言ってしまう由多。
そのため思春期には苛めに遭い、クラスで孤立することに…。
そんな由多を救ったのは、通っていた絵画教室の講師の桐生凌。
由多の話に耳を傾け、全てを肯定してくれた凌に想いを募らせついに告白!
ところが凌の返事はなんとOKで、二人は恋人同士になることに…。
けれど付き合ううちに、凌が過去に縛られていることに気づき!?【商品解説】
全てを肯定してくれたのは、自分を正面から見ていないから…? 憧れの先生と恋人になった瞬間から、本当の恋の苦悩が始まる──【本の内容】
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愛するということ
2022/08/26 05:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
「宗教画の天使」のような美貌と才能に恵まれた由多
純粋と言えば綺麗だれど、そのまっすぐさは鋭い刃物で。
相対する人間に対し忖度しない(空気を読まない)手加減なしの攻撃でもあるのです。
だから軋轢が起こるのですが、その理由もわからない。
ただ、それでも傷つき壊れそうになってしまった時
由多の話に耳を傾け、全てを肯定してくれた絵画教室の凌が手をとってくれた。
由多を否定せずにただ手を取って歩いてくれたせいで
彼は壊れずに美大生にまでなった。
そして手を引いてくれた凌に恋した
必然のように。
(キスの回数を数えるような恋をした)
でも、由多は変わっていないので、
それゆえに周囲と軋轢を生じ、また彼に触手を伸ばす明彦に
凌の秘密を教えられて。
(凌のそれは周囲の行為(悪意もそれ以外も)も原因だけれども
ある意味由多よりも繊細だったせいだと思う)
由多は一度は立っている地面が瓦解するのだけれど、
その中で光が逆転する光景が鮮やかでした。
綺麗な色の中に黒をいれたら強くなるのだと。
泥土の中にいる「贖い」と言った凌との関係を昇華したようなラストは綺麗だけれど、
明彦の「四六時中一緒にいるのは、多少は参る」自分と二人に憤る態度
永遠との関係(安易な和解はない)
凌のこれから等々を考えると
ちょっと切りっぱなしみたいな感じは否めないのです。
とはいえ、この切りっぱなしみたいなところが良さでもあるのでしょうけれど。
余談ですが
亜紀の最初の一言・・・
どう読んでも(ここで立ち止まって何度も読んだし、再度読み返した)
「よ」はいらないのではないかと、気になって気になって仕方ないです。
(さらに余談ですが、ユトリロを連想させる服を着た亜紀を見てみたいなと
思います)
☆3.5評価の4です