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真昼の悪魔 改版 (新潮文庫)
著者 遠藤 周作 (著)
患者の謎の失踪、寝たきり老人への劇薬入り点滴…大学生・難波が入院した関東女子医大附属病院では、奇怪な事件が続発した。背後には、無邪気な微笑の裏で陰湿な悪を求める女医の黒い...
真昼の悪魔 改版 (新潮文庫)
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商品説明
患者の謎の失踪、寝たきり老人への劇薬入り点滴…大学生・難波が入院した関東女子医大附属病院では、奇怪な事件が続発した。背後には、無邪気な微笑の裏で陰湿な悪を求める女医の黒い影があった。めだたぬ埃のように忍び込んだ“悪魔”に憑かれ、どんな罪を犯しても痛みを覚えぬ虚ろな心を持ち、背徳的な恋愛に身を委ねる美貌の女―現代人の内面の深い闇を描く医療ミステリー。【「BOOK」データベースの商品解説】
患者の謎の失踪、寝たきり老人への劇薬入り点滴など、奇怪な事件が続発する大学病院。背後には、無邪気な微笑の裏で陰湿な悪を求める女医の黒い影があった…。現代人の内面の深い闇を描く医療ミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】
大病院を舞台に続発する奇怪な事件。背徳的な恋愛に身を委ねる美貌の女医。現代人の心の渇きと精神の深い闇を描く医療ミステリー。 【本の内容】
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ミステリーが読者を引き込み、女医の『いやらしい悪』が現代の悪魔を浮き彫りにさせる
2009/12/22 19:41
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
純粋に推理を楽しむミステリーに加え、『女医』に潜む悪魔についての心理描写が強く印象に残る。
病院内で起こる事件は『女医』が行っているというのは始めから分かっているが、『女医』とは誰なのか、『女医』の犯行を見て推理する読者視点と、結核で入院した難波の視点、から推理欲をかき立てられる。
その一方、社会道徳という善悪の判断基準のない『女医』の心象を描いている部分は、ミステリーというよりサイコホラー的なものを感じさせる。
物語は、神父がミサにおいて『悪魔』について取り上げることから始まる。
ミサで神父は『悪魔』について以下のように説明する。
『悪魔は人間を狂人にさせたり、奇怪な行動に走らせたりは滅多にしないのです。……中略… 悪魔は自分が悪魔だと訴えるような姿を少しも持ってはいません。…中略… 悪魔は埃に似ています。部屋の中の埃には私たちはよほど注意しないと絶対に気がつきません。埃は目だたず、わからぬように部屋に溜まっていきます、…中略… 悪魔もまたそうです』
偶然ミサを聞いていた『女医』は、高校生の頃から心に空虚感や白けた気持ち、無感動な心を持っていた。そして悪とは一体なんだろう、という疑問を持っていた。
心の渇いた無感動の『女医』は、やがて『心の呵責』を覚えることでひからびた心から立ち直れるのではないかと考え始め、人間的理由のない自己弁護できない悪を実行し始める……
『神父』が説明している通り、本作品には『醜い姿をした悪魔』は登場しない。
登場するのは『埃のような悪魔』である。
読み終えると『埃のような悪魔』に気分が悪くなるが、現代に多くの『埃のような悪魔』が存在することに気付かされる。
本作品は『女医』の悪と『女医』の正体を読ませるものとなっているが、それだけでなく神父と悪魔の対決のシーンも描かれており、『悪魔』がよりリアルに感じられる。
神父と悪魔の対決のシーンといっても、神父がプロローグで話した『エクソシスト』のようなものではなく、神父と悪魔が相対し、神父が確かに悪魔と認識する場面である。
ところで、病院内で起こる事件が誰によるものなのかを探り始める難波と羽賀の存在も面白い。
この二人の存在が思わぬ展開を孕み、ミステリーの部分をより面白くしている。
推理物語を楽しませつつ、悪魔とは何かを考えさせられる本書は、心に強く残る一冊だと思う。
それにしても『女医』の行う『いやらしい悪』に気分を悪くさせられたなぁ。
紙の本
誰でも少しは悪魔的な部分を持っているのかも
2021/03/22 22:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
心の奥底に潜む悪魔。4人の女医の中で、誰が悪魔なのかという謎解きが大部分を占める。
だが、徐々に誰が悪魔でも別に…と、謎解き部分には興味が失せてしまった。
心に感動を得られない、罪悪感を感じない、悪魔というかつまりサイコパス?
心理的な描写は面白かった。
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少し古い表現が・・・
2016/04/10 11:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説が書かれたのは約40年くらい前だろうか。今と比較すると古めかしい表現が多いと感じるのは仕方ない。
はっきりしないかたちで終わるのが残念だと思った。