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「技術で勝って、事業やビジネスモデルで負ける」と言われる日本企業は、製品イノベーションへ偏重している。その打開策としてよくいわれるのが、「モノづくりからコトづくりへの変換」です。
本書は、その具体的なイノベーション手法としての「オープン・サービス・イノベーション」に関しての書籍となります。著者は、『オープンビジネスモデル』(翔泳社)『オープンイノベーション』(英治出版)で和書が出ている、ヘンリー・チェスブロウ。
前著2作はどちらからかいえば、学術書的な要素もあり文献としての重要性はありながらも、少し難解な部分も多い。
今回の書籍は、ビジネス書として書かれた1冊目の書籍であり、経営書を読み慣れた読書には理解しやすい内容です。
オープンサービスイノベーションの4つの基本コンセプトを解説した第1部と、ケーススタディの第2部。ケース・スタディとしては長いかとも思いますが、まだまだ、オープン・イノベーション、オープン・サービス・イノベーションという言葉がひろく普及していないので、第2部のケースも結構役に立ちます。
また、9章ではリバースイノベーション、BOPビジネスへの言及もあり、イノベーション書籍の中では、重要な1冊となります。
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サービスの本という認識で読みだしたが、これは企業戦略の本だということ。チェスブロウの本なのだから当然ですが。
同じオープン・サービス・イノベーションでも、その企業規模や手法によって、適切に分類されているのは、理解を助けてくれる構成。
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「車」というハードを売るのがいいのか、それを発展させて「移動」というサービスを売る方がいいのか、オープンサービスイノベーションをすることによって何が得られるのかについて、東西の事例を紹介しながら、説く。 よく言われるアップルのビジネスモデルが例に出されるが、それが、様々な産業で行われている。今朝の新聞に記事があったが、最近シャープの携帯の広告でオンエアされているIGZOだが、この研究開発資金は科学技術振興機構から支出され、ライセンス契約を結べば、どこでもつかえるオープンサービスだと。シャープだけではなく、サムスンも契約していると、(朝日新聞5月23日)。垂直統合にこだわってきた日本の家電の末路をみると、技術を抱え込むことばかり考えるのではなく、その活用の仕方を考える必要がある。技術ばかりではなく、ブランドの活用も考える時代がきているのかとも思う。
この本の監修をしている会社の監修者の紹介が巻末にあるが、そこに後輩の名前があった。同じ職場で仕事をしていた人が、活躍している姿を見るのはいいものだ。
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12/5読了。4年前にチェスブロウの「オープンビジネスモデル」を読みましたが、今回はサービス版オープン・イノベーションの話。サービス版といっても狭義のサービス業のことというよりも、モノを販売するビジネスでのコモディティ・トラップから逃れる為に展開しているソリューション・ビジネスで、いかにイノベーションを実現するか、協働を実現できるプラットフォームをいかに構築するかという点が話の中心です。引用されるのもアマゾン、ゼロックス、フェデックス、TSMCなど著名な事例の整理が多く、内容自体はとりたてて新鮮味があるわけではありませんでしたが、中小企業や新興国でも応用できる事例を取り上げている点は興味深かったです。
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ちょっと難解でした。しかし書かれてあることに違和感はなく
自分の考えを統合的に整理するには、いい本だったと思います。
整理できたような気がします。
でも逆の意味ではあまり斬新なアイデアはなかったかなあと
思います。
製品中心の事業・ビジネスモデルやさらにイノベーションでさえ
コモディティー化のトラップに必ずハマってしまう。
サービス中心の事業・ビジネスモデル・イノベーションをめざすべき
という内容。モノからコトへということ。
ビジネスをサービスとして考える。
顧客・他社との共創・オープンイノベーション・ビジネスモデルの変革
製品やモノ中心の考え方からそれをサービスに変えていく
顧客に対して固定費を要求するのではなく、変動費に変えていく
その中で、自社単独ではなく、他社や顧客とオープンに共創していく
そのうえで、プラットフォーム化していく。
ということ。。。。
いま自分の事業で考えていることの後押しになったかも。。。
やはり、これで組織化し(仲間を募って)やりたいことやるか・・・・
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会社が危機的な状態のなか、サービスの開発がしたいという私の希望が何故か奇跡的に実現し、職場を異動してもうすぐ早一年が経つ。言うは易く行うは難し。悶々としながらの日々。そんな私にとって教科書になるような本。
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ポジショニングという考え方から顧客とともにサービスを作るという視点への変換。
自社のコアコンピタンスを使わせることもありうるという大胆な発想。
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最後まで読み飽きさせない、最近の時流に乗った経営論でした。「昨今の状況下でのイノベーションにはオープン性が必要だ」から始まり、イノベーションのプロセスをオープンにすることの利点・実例が詳しく紹介されています。Fedex、エル・ブリ、TSMC、P&G・・。自社だけで開発するのではなく、外部の知を取り入れて品質の高いプラットフォームを創り上げる。それをオープンにして、そのプラットフォームをコントロールすることで、競合他社のイノベーション能力を低下させ競争優位を確立する。冴えた発想するもんだなぁと感心します。ビジネススクールのテキストとして活用できそう。5年後も読み続けられているのでは。発想を転換したい時のお薦めの一冊です。
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冒頭に書かれていたオープンサービスイノベーションの概念を読んだときは、確かに世の中そうなっているよねと納得感があった。
しかし、読み進めても、それ以上の広がりが見えず、同じ事が何度も繰り返されて書かれており、読みくたびれてしまった。
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サービスの開発プロセスをオープンにすることで、顧客のニーズをサービスに反映させる。クローズドなサービス開発は、時代の高速変化についていけない。情報をオープンにして、みんなの知恵と善意を駆動する。ともに作り出そう、社会の仕組みを変えていく新しいイノベーション。
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オープンイノベーションをサービス業に取り入れることの効果と、実際の企業事例を紹介した本。
「製品からサービスへ」という論旨と、「オープンイノベーションが大事だ」という2つの論旨が絡み合っているので、少し分かりにくい。
「製品からサービスへ」という面では、ワンストップサービスによる顧客側のコストの低減を生み出すにはフロントによる幅広いサービスが必要になる。それによる運営コストの増加は、フロントとバックをうまく分離させ、フロントによる範囲の経済と、バックによる規模の経済との両方をうまく獲得することで、コスト以上の成果が得られ、競争力の源泉になるという。
一方、オープンイノベーションについては、顧客や取引先との共創が、社内だけの研究開発よりも、スピード、コスト、関係者とのつながりとプラットフォーム化などの面で、企業にとって大きなメリットがあることが書かれている。
一方で、「サービス化」と「オープンイノベーション」をつなげるロジックがそれほど強くない感じがする。「これまで製品中心だった企業がサービス中心に移行する際にオープンイノベーションが見られる」という事例は多く取り上げられているけれど、「既存のサービス業がオープンイノベーションで成果を上げた」という事例は、Amazonくらいではないだろうか。Amazonが強い理由が良く分かったけれど、それに対抗するのがどれだけ難しいかも思い知らされる本。
巻末にある、訳者による企業戦略変遷の歴史解説がわかりやすい。
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サービスの質が上がったからそれを科学し考慮すべき点について網羅的に書かれている。
一方、これらの取り組みは良い事例を挙げて提示されてはいるが果たしてそろ例がその中心だったかの説明は見当たらない。
逆にダメになる事例からよく陥る失敗を記した方が読者の為になったのではなかろうか。
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オープンサービスイノベーションの面白さと可能性は良く分かるんだけど、ちょっとグダグダした感があって、読み疲れる。最後の方は流し読み。でも、サービスイノベーションの考え方はいろんな産業にも通じるところが多そうなので、読んでよかったと思える一冊。
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製品中心のイノベーションは限界としてサービスを通じた成長と競争優位を勝ち取るために顧客や他企業そして生活者との共創を通じたオープン・サービス・イノベーション提唱する。前半にサービスとは何かから始まりそのフレームワークそして後半でゼロックスなど大企業やヨットビジネスなどの中小企業、果てはレディオヘッドまで実例を挙げ論じる。
米国の産業分類SICではサービスとは「ある経済主体に属する人の状態ないし財の状態に、他の経済主体の活動の結果としてもたらされた変化」だと定義されているとのこと、とても分かりにくい文章だが、本書を読み進むうちにこの意味が腹に落ちてくる。
欧米人独特の大仰なレトリックも無く翻訳もこなれていてとても読みやすく実務的、サービスの考え方は『顧客はサービスを買っている―顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント 諏訪良武著 』と合い通じるものがあり、自社をオープンにしていく重要性を再認識した。アップルとアマゾンの事例はさすがに食傷気味ですね。。。^^;
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製品からサービスへ。サービスによるイノベーション。
顧客ニーズを行動観察で。そしてプラットフォームに。
ここに気になるキーワードが一つでもある場合、本書は必読。