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クリエイティブディレクション力というのは、仕事を超越しているということを勉強させられた。
内容的にはクリエイティブディレクターとしての内容に終始するが、読み手にとっては、それを応用し、自分自身や現在の仕事のクリエイティブとそのディレクションに発展させられる示唆があったと思う。
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確かに、著者の言うように「クリエイティブ・ディレクション」に関する本はなかったかもしれない。クリエイティブディレクションの仕事を語りながら、著者の仕事、カンヌなどの作品を通して、コミュニケーションの進む道を説く。CDという職種の人は読んだ方がいいと思う。
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①ミッションの発見
漠たる不満を、確たる不満に昇格させること。ブランドが持つ適切な欲望を引っ張りだすこと。本当は、このブランドはこういう状態にしたい。みんなからこう思われたい。などなど。それを明確化・言語化して、具体的な目的にまで昇華させること。よい結果を導き出しやすい「明確で正しい困り方」に凝縮させること。ディレクション側から言い換えると、アイデアを考えるべき範囲を限定して、考えやすい状態にすること
ミッションの発見は、課題からひとつ次元を上げて行うべき。必ず課題より拡張かつ高度化させなければならない。かっこいいとか高性能とかクルマについての視座から、クルマメーカーと世界との関係という視座に昇格されている。言い換えると、私企業単独で抱える問題・ミッションから、世界が抱えるミッションに次元を1つ上げることによって、キャンペーン自身がより高度な位置に立つことになった。
ミッションが、自分たちの内部にとどまっている限り、世の中から大きな支持を、そして利益を得ることはできない
課題(不満・欲望・悩み)を超えて、つまりオリエンテーションを超えて、思っていた以上に良い結果を得ることが、CDの仕事であり、責任だと思う。その最初の作業として、ミッションの発見というタスクがある。このことは、「優れた広告には、多くの場合、企業なり商品なりの"ビジョン"のようなものが含まれている必要があり、そうでなければ深い共感は獲得できない」ということも意味する。その企業なり商品なりが、社会にとってどういう意義があるのかを証明しなければ、ブランドとしての信頼を獲得できない、という傾向と深く関わっている
②コアアイデアの確定
コアアイデアの果たす役割は2005年くらいから大きく変化した。それは、おそらく、企業の置かれている社会的位置の変化による。すべての企業が、本業の利益だけでなく、企業としての社会的責任を明確に果たさなくてはならなくなってきている。自らの存在意義を自ら表明し、企業活動を通じて、それを証明していく義務がある。その果たし方が、そのままブランドイメージに直結する。それがカスタマー全体からの信頼を醸成し、さらなる利益につながっていくのである
コアアイデアの確定とは、いまだ隠れたままになっているブランドのDNA的実力を引っ張り出して、世界に開示することなのである
ブランドの価値を決めてコアアイデアを確定することは、ひとつ以外の、他のすべての可能性を捨てることだ。ひとつの価値しか認めないということだ。やるべきことを限定するということだ。そういう意味で、「ブランドの存在価値→コアアイデア」は、広告だけでなくすべての対外活動において決定的に重要な役割を果たすことになる
ブランドはすべて、"ブランドの真実"を持っている(W+K)
その真実を、ヒトが語っているように伝えていく
価値を二項対立させる方法は、概念を形成するためにきわめて有効である。自然vs人口、ほんものvsにせもの、寛容vs不寛容、新しいvs古い、速いvs遅い、若いvsオトナ、面白いvsつまらない、高いvs安い、などな���。「敵を否定する」のだ。「敵をやっつける」のである
ブランドとは、哲学そのものである。自分の価値を定義して、それを世界の中に、歴史の中に、置くこと。その時、重要なのは、近未来形のコンテキストで語ることだ。ブランドメッセージは、現時点における自己紹介ではない。自分たちの固有の哲学、存在意義という不変的なことから、これからの世の中に向けて、どう作用することができるのか。世界のどのパートを変えていくことができるのか。未来についての意思表明が含まれていなければならない。
哲学は自分たちだけでずっとずっと持っていても意味がない。その意味は、みんなによって正確につかみとられなくてはならない。そのためのコミュニケーションを基礎づけ、形づくるために必須の道具がコアアイデアなのである
③ゴールイメージの設定
ゴールイメージの設定とは、ターゲットとの接触面を設計することである
それでヒトは動くのかがゴールイメージ設定の、いちばん大事なこと
空気は読んだ方がいい。けれど、空気のとおりにしてはいけない。逆らうために読むべきだ。未知の要素が含まれていないものは、すべて淘汰されてしまう
④アウトプットのクオリティ管理
すべての傑作には共通する「理由」がある。それらは、必ず2つの要素を含んでいる。
びっくりさせる力と納得させる力である。
Good surprise
優れた表現、印象に残る表現には、必ず「対立」「矛盾」が含まれている
ストーリーがコミュニケーションに有効なのは、対立を含んでいるから
第2章 アイデアが生み出される力学
アイデアとは、対象物をよりよい状態に変化させる考え
新しさとは、時間的・歴史的概念である。過去との相関性の中で、「歴史的コンテキスト」という視座からのみ、新しさは生み出すことができる。そして、認識することができる。今までの歴史の流れをこのように変えた。今までの歴史の中になかったこういう要素を加えた。今までの歴史にこういう視点を持ち込んだ。今までの歴史を逆流させた。今までの歴史になかった方法を発明した。などなど
要は、裏切りである。過去に対しての
世の中ほとんどすべての仕事は、
課題→アイデア→エグゼキューションの3つの要素で成り立っている
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尊敬する古川さんの著書として、即読んだ。
クリエイティブ・ディレクションとは?
現代における「答え」の出し方とは?
クリエイティブにおける心構えとは?
様々な疑問へのアンサーや、とっ散らかった考えの整理がかっちりしつつもしたたかにまとまっていた。
傍に置いておきたい良書。
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広告は目的芸術
びっくりさせる力と納得させる力
→Good Surprise
Freshness of idea
発想とは、物事をどのように把握するか、見解をとるか、どういう概念で理解するか、ということ
対象物の本質にとって理想的な状態に変化させるための考え
広告で培われてたアイデア力が、
他の分野でも生きると私も信じてる。
アイデアが浮かぶ本。
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1.現在の仕事先が広告代理店
2.近くの本屋で平置きされていた
3.「すべての仕事・・」と言うタイトル
4.知り合った人がこの職業
という4つの理由で読んだ。
タイミング的にこの本の先に書いてある茫漠とした自分がいるので、ヒントがあるのではないか?と思って読み進めた。
なるほどと思う部分もあるしポイントとなる部分が抽象的表現にも感じる。(理解能力が低い?)
末尾の方に、コンサルタントとCDと違いを書いているが、わたしには違和感がある。CDは自分でシュートを打って、コンサルタントはシュートを打たないと書いてあるけれど、どうなんだろう。
コンサルタントもCDもチーム戦だと思うし、コンサルタントもクライアント満足させるだけが仕事ではない。コンサルはフレームワークとかかっこいいこと言っているように見えるけど、CDもコンサルもどちらも非常に泥臭いものだと思う。
ほんの少し代理店文化を知って、属人化し易い、古い文化意識を捨てられないなど課題もあるけれど、そうではない優秀な人材がいる世界でもあると思う。
この本は業界こそ広告代理店目線で書いてあるけど、業界の垣根はあまりなくなっていると思うし、現実はそのジャンルを超えない限りいいものは生まれないと思う。っていうかそう期待したタイトルだったのに、ほぼ広告代理店目線の本だった。最後にほんのちょっと書いてあるけど。
第一線で働く一流の人はジャンルを超えて常にインプットを続けたうえでアウトプットしているということ。でも、この本の中に人生論とかそういう哲学はあまり感じられなかったなぁ?
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最前線で活躍する電通のクリエイティブ・ディレクターによる著書。
学術書ではないので体系的な内容ではないが、現代におけるクリエイティブ・ディレクターの仕事であったり、クリエイティブワークの定義を経験に裏打ちされた説得力のある言葉で定義している。
こういった著作で共通して言われていることは、"一流の仕事には論理的思考力、経験値に加えての直感が必要"ということ。最後の直感のクオリティが一流と超一流の境目だなと思っている。
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当たり前なんだけど、この本自体が古川さんがクリエイティブディレクションしているプレゼンなんだと強く感じた。日本を代表するCDのプレゼンなんて、なかなか目の当たりにできる機会がないのでそれだけで勉強になった。
QUOTEの使い方とか、右脳に響かせ左脳で理解させる持ってき方とか、大変失礼ながら上手いなっ!と。
今年のキーワードは、やはり、「根っこから考える」ということだなと再確認。
その考え方を色々勉強・実践していきますー。
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電通の現役CDによる解説書。非常に面白く、どんどん引き込まれる。
そうか、百戦錬磨のCDがCDという仕事をプレゼンをしているのだ。
納得。
巻末の主な仕事を見て、個人的にとても大好きな広告作品が並んでいた。
さらに納得。
初めて見たときに思わず涙してしまった
「九州新幹線開業」の広告。
その解説と出来上がるまでを知ることができる。
これ以上ないくら鳥肌がたった
「Sound of HONDA」の広告。
それが生まれるエピソードを聞ける。
学術的な書物ではなく、著者の経験による
指南書として、
手元に置いて、何度も読み返したくなる素晴らしい本です。
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2016.07.
電通のクリエイティブディレクターである古川裕也。
クリエイティブディレクション?
そんな状態で読み始めたが本書を読めばCDの技術がいかに広く使えるものであるかということに気が付くだろう。
CDという仕事は、以下の4つで成り立っている。
①ミッションの発見
②コア・アイデアの確定
③ゴール・イメージの設定
④アウトプットのクオリティ管理
「これ以外のことは、しなくてもよい。というよりも、むしろしない方がよい。」という言葉が印象的だ。
全体の構成としては前半が理論的な話、後半が実例というように構成される。うーん、分かるようで分からんわとなる前半。後半まで読めば古川さんが言いたかったことが分かるようになる。あー、なるほどね。自分は理論で抑えるというよりも、実例を挙げてもらった方が直観的に理解できるタイプなのかも。
CDという技術は「8割は論理、最初と最後の1割が直観」
読んでいて思ったのはクリエイティブと言われる仕事も一定程度まではロジカルで突き詰められるということ。
考えていたのはお笑い芸人というクリエイティブについて。
普段何気なくみていて笑っているときは何で笑ったのかは考えない。けど要素にしていけば口で一定説明可能だ。
小杉さんの「ひーはー」文字にしたらまったく面白くない。でも小杉さんの顔・テンション・使うタイミング・また来たよ感。そういった要素に分ければ面白さの分析は十分に可能だろう。
でも、そもそもひーはーっていうWordを使おうと思いつくところはロジックではない。それが面白いと思っても、他人が評価して笑ってくれるかどうかはやってみるまで分からない。最初と最後は思い切りの勝負。
CDの技術とはこの思い切りの部分をいかに減らすかということだと思う。
後半の実際の例であげられている九州新幹線の仕事の話が好き。九州新幹線というものを宣伝するのではない。祭りを起こす。その流れこそがクリエイティブディレクションである。完成したCMをYouTubeで見たが素晴らしい仕事だと感じた。
ここでも素晴らしさというのは「感じる」もの。論理ではないんだろう。
クリエイティブディレクターの役割の変化
①for Good:本業そのものが世の中をよくするものであるべし(ex.メキシコ料理「チポトリ・メキシカン・グリル」
②Movie Contents:コンテンツを作る。それがTV、web、口コミ、色々な方法で広がる。アウトプットは一つではない。そうなったとき重要なのはコンテンツの質。(ex.FIRST KISS)
③ContentsからComunityへ:コンテンツを中心に同じ価値観を共有する人が集まる。気持ちを動かす→行動を促す(ex.ナイキの運動できない人へのCM)
④Creative Data:ホンダのSound of Honda。グラフを見てその背景にある物語を読み取れる力。
⑤Innovation:「課題→アイデア」という従来の流れが逆転し、「アイデア→課題・需要」(ex.Pepar)
⑥Technology:技術が優れていても世の中化されてこそ意味がある。(ex.マツコロイド)
広告業界以外のCD
①ブランド(トムフォードのグッチ):CDの一分野。
②起業(リブセンス、村上太一):Innovation。CDに近い。ビジネスデザインには三種類⑴課題解決のアイデア⑵テクノロジーを信じる⑶起業ありき
③バラクオバマ:
<マケイン>白人、議員実績アリ、ベトナム戦争の英雄
<オバマ>黒人、実績なし、移民の血筋
→明らかに不利
→アジェンダセッテイング
<マケイン>今までと同じ路線。何も変わらない。それで本当にいいのか?
<オバマ>今までにない大統領。現状を変えてくれる可能性
→"Change" "Yes we can"
世の中には課題があふれている
世界にはアイデアが足りない
cf).気に入ったキャンペーン
・「牛乳に相談だ」主役を輝かせることが広告の役割
・ハーヴェイニコルズ「他人にあげるものはチープなものにして、自分のほしいものにお金を使おう」
・wren「FIRST KISS」シェアで広がる。ブランド名はオーディエンスで勝手にとってくれる。
・Sound of Honda ←鳥肌
参考
古川裕也さんのCM
http://www.kigurumi.asia/it/video/2627/
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電通のECD古川さんの初のクリエイティブディレクションに関する定義書。数々のプロジェクトをCDとして引っ張ってきた日本で一番優秀とされているCD。世界的にも。そもそもCDとは何かから始まり。これまでの事例。これからのCDと求められることについて描かれている。終わりにの文章は、なんとも謙虚。特に印象的な話は、存在感の話。存在感のある人間でなければ、人は振り向いてくれないということ。高さと広さの関係。とても勉強になる。
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広告のクリエイティブディレクションはビジネスのクリエイティブディレクションへアップデート出来るのだろうか、読み進めながら考えてしまいました。受注の仕事から自らがリスクを取る仕事へ。もちろん本書はそれが出来ると語っているのですが…
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この人、天才やん。文章も言ってることもちょい格好つけてるけど天才だからok。すごい勉強になりました。
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聞いたことがあるしなんとなくイメージしてるけど説明できないクリエイティブディレクターの仕事を知ることができる。
といっても、明確な定義はないので、クリエイティブディレクターとはこういうものだというのを自分で考えられる本だと思う。
「今回の仕事は、なんかよくなりそうだ。だって、何をすればいいか明快だから」と。p.37
クリエイティブディレクターは考えることを狭めることが仕事というのはわかりやすかった。
チームで仕事をしていてアイディアがいろんな方向に向いていては何もまとまらない。
できる限りやることを狭めると確かに考えやすい。
要は、裏切りである。過去に対しての。p.118
これは、いい広告はgood surpriseであるということで、驚きや新しい発見があるということ。
新しいというのは、過去に比べて新しいから必ず比較対象があるというのも当たり前だけどグッときた。
有名な事例を織り込んで書かれていて、古川氏自身の仕事も事例を挙げて説明してくれるので、過去を知るための一歩にもなる。
クリエイティブな仕事をしたい人は読むべき一冊。
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読了。
今までは自分の頭の中で把握していればなんとかなったいろんな企画もこれからはそうはいかないなーってのをこれ読んで実感。書き出さなきゃ自分の考えてることは共有できないし、伝わらない。
自分以外に自分の思った通りの行動させるのはともすればとても面倒いけど、自分一人じゃ出来ないし。