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- カテゴリ:一般
- 発売日:2015/10/28
- 出版社: 講談社
- サイズ:18cm/219p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-06-219817-2
読割 50
紙の本
哲学な日々 考えさせない時代に抗して
著者 野矢 茂樹 (著)
「人生でいちばんだいじなものは何ですか?」という女子高生の問いに、哲学者は…? 考えることが許されない。考えないことも許されない。そんな時代に、哲学者が普段着で、本音を語...
哲学な日々 考えさせない時代に抗して
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商品説明
「人生でいちばんだいじなものは何ですか?」という女子高生の問いに、哲学者は…? 考えることが許されない。考えないことも許されない。そんな時代に、哲学者が普段着で、本音を語る。『西日本新聞』連載等を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
自分のこと、社会のこと、国のこと、世界のこと……、考えなくてはいけないのに、考えようとすると、どう考えたらいいかわからなくなって、前に進めない。考えあぐねてしまう。――こんな時代だからこそ、哲学者は、しかつめらしい言葉を使わずにこの本を書きました。人生で一番大切なものは何か、どうして自殺をしてはいけないのか、など、むずかしいけど、私たちが気になって仕方ない問題からも逃げずに、向き合います。
日本を代表する哲学者であり、東京大学での講義でも高い人気を誇る著者は、若い頃から坐禅を続けてきました。坐禅には、「本来無一物」(ほんらいむいちもつ)という考え方があります。丸裸の自分に立ち返ることができれば、そこに十分な力が現われてくる。坐禅をして、着ぶくれた余計なものを脱いでいく――この本を支えているのは、そうした引き算の思想です。
前半は、著者の普段着の姿や考えが綴られた50のエッセイを収録しました。
哲学の授業で何を学べばいいのかから始まり、東大生に坐禅を教えるのはなぜか、そして哲学者の日常に起こるさまざまなことが描かれます。
読んでいて思わず口をついて出てしまうのが、「へぇ」とか「うふふ」とか「なるほど」ということば。気楽に読み進めるエッセイですが、そうやって読みすすめるうちに自然と頭のこわばりが解けていきます。
坐禅してみたいと思う人も注目! 坐り方や呼吸のレッスンもあります。
後半は、論理的な文章を書くためにはどうすればいいのか、異なる物語を生きる他者を理解するとはどういったことかなどに触れた10本の小品から構成されます。来し方をたどるとともに、言葉で考えていく実際の様子を伝える「「哲学者になりたいかも」などと考えている高校生のために」、また驚きから始まる哲学の原風景を語った「バラは暗闇でも赤いか?」は、哲学ではどのように思考が重ねられていくのかが見えてきます。
自分のこと、社会のこと、国のこと、世界のこと……、考えなくてはいけないのに、考えようとすると、どう考えたらいいかわからなくなって、前に進めなくなってしまう。考えあぐねてしまう。――こんな時代だからこそ、哲学者は、しかつめらしい言葉を使わずにこの本を書きました。人生で一番大切なものは何か、どうして自殺をしてはいけないのか、など、むずかしいけど、実は私たちが気になって仕方ない問いからも逃げずに、向かい合います。
ここに「ああすればこうなる」式のマニュアルや成功の技術はありません。でも、この本を読み終えたとき、知らぬ間に身につけてしまった鎧から解放され、本来無一物ゆえの力が宿るのです。【商品解説】
目次
- 1 哲学者のいる風景
- 1 哲学を教える 2 実技科目なのだ
- 3 哲学の手触り 4 メタ的な態度
- 5 立ち止まる脚力 6 バージョン・アップ
- 7 個別性と一般性 8 案外ダメな授業
- 9 理系・文系・妄想系 10 高校と大学
- 11 坐禅ゼミ 12 引き算の思想
- 13 坐禅のすすめ 14 続・坐禅のすすめ
- 15 がまんではない 16 すべてはおまけ
- 17 根拠なき自信 18 身を捨ててこそ
著者紹介
野矢 茂樹
- 略歴
- 〈野矢茂樹〉1954年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は哲学。著書に「論理学」「心と他者」「哲学・航海日誌」など。
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紙の本
考えるって面倒だね。
2016/01/25 20:35
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝に道を聞かば夕に死すとも。かなり。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
固そうな題名ですが、読みやすいエッセイになっています。ある日、野矢さんの授業で、理系の学生さんが来て、「哲学の授業で何を学びばいいんですか?」と尋ねてくるエピソードがあります。で、野矢さんは、ご自身が理系出身でもあり、「偏見丸出しで言えば、彼らは学びたい。学んで積み上げていきたいのである。ところが私の授業ときたら砂山を作っては壊すような作業の繰り返し」としています。
そういう意味で、哲学は体育に似ている、実技科目としています。
生活と哲学は相反するところがありまして、哲学の問いは基本的に「私は何をしているのか?」という形をとります。ある活動しているとき、活動について考えることが「メタ」。
野球をしていてあまり下手だからルールを変えようなんて話し合いを始めたとすると、それは野球のプレーそのものではなく、野球のプレーについての話し合い、「メタ野球」です。
先日、私が公園で散歩していますと、小学生くらいの子が三角ベースをしてまして、明らかに小さい子がバッターボックスに立っていると、年長者の子が状況に応じて「ほんまは三振やけど、もう一回特別な」とか言ってまして、子どもだって「メタ」的な裁量を行っていることがあります。
哲学の思考は基本的にメタ的で、メタ的な態度に入ると生活は一旦停止しなくちゃいけません。ゲームのルールについて話し合う時にはプレーは一時中断となります。だから生活を重視する人は哲学を軽視する哲学はむしろ学生とか世捨て人に向いています。
「誰と合コンしようかな?」じゃなくて、「恋愛って何だろう?」っていう人が一定の層を形成します。だから日々の生活で忙しい若い子が哲学に興味を示すこと自体が少ないのは、自明なんです。
野矢さんは東大で座禅を教えている方でして、かつて若い頃、野矢さんが、お坊さんが「執着を捨てよ」というのを耳にして、「執着があるから楽しんじゃないの?」と思っていたそうです。執着がなければ何かをゲットした喜びがない。キリスト教でいえば「愛」かもしれませんね。
愛も執着の一つです、とか言われそうなんですが、「執着を捨てよ」という言葉は本来無一物と重なった、裸一貫の自分を見失わないことで、裸一貫の自分を否定的にとらえないこと。裸一貫の自分に落ち着くこと、その上で、にしたものは「おまけ」としてありがたくいただく、だそうです。
景気が悪くなって、わかっちゃいるけど、一旦上がった生活レベルを落とすのはかなり嫌なのは、執着があるからなんですよ、ってのは耳にタコができるくらい言われたんですが、健康問題に不安を抱えてきますと、突然の入院とか、生活環境が不意打ちに激変することがあり、そうした時「オレはなぁ、会社じゃ社長だったんだぞう」とかって恥ずかしいわけで、座禅によって素の自分を見つめなおすってのは、なかなか若い頃には考えが至らなかったわけでして、この年になってようやくこの言葉の滋養がじわじわと伝わってきました。
あと、中島義道さんの本の解説が収録されていて「明るいニヒリズム」についてわかりやすく書いており、よい解説になっていました。
私も寄る年波に勝てず、そんな辛いご時世でも、そっと私の背中を押してくれるエッセイとなっております。え?私?41歳ですが、何か?
紙の本
考えること
2016/03/13 22:15
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
哲学と言えば難解というイメージですが、エッセイを集めたもので読みやすいです。昨今、いかに日本やアメリカなどでのごとを熟考しないで、方向を決めている風潮は懸念され、本書で考えることの大切さを感じます。
紙の本
哲学者の問わず語り
2022/10/22 00:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みずくらげ - この投稿者のレビュー一覧を見る
論理学やウィトゲンシュタイン研究で知られる著者が、極めて平易に哲学者である自身の考察を語っている一冊。
特に授業に対しての考え方や哲学のメタ的視点についての解説は面白かった。
哲学ってむずかしくてとっつきにくいなあと思っている人にオススメ。ほんとに平易。
紙の本
立ち止まって考えてみる
2016/12/20 17:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞か何かで紹介されていたのが気になって読んでみた。普段、効率ばかりを重視して生きているけど、ふと立ち止まって色々考えてみるのもいいかもなと思わせてくれた。