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番組は「見せれば見せるほど価値が高まる」
2016/01/25 09:29
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投稿者:gray - この投稿者のレビュー一覧を見る
番組は「見せれば見せるほど価値が高まる」(本文より)連ドラの一話目を見逃すとまあ見なくてもいいかなと思ってしまう自分。こんな自分にとって見逃し配信は有効。TVerはまだ十分とは言えないが、すべての連ドラの見逃し配信が行われる日も近いかも知れない。テレビ局と視聴者のWIN-WINの為にも。
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2015年9月より日本でもサービスが開始されたNetflixに関する本。このあたりのニュースを少し追いかけているのであれば、特段目新しいと思うところはないのではないだろうか。それだけ多くの情報が溢れているということのように思う。それでも、Netflix Japan社長のGreg Peters氏、hulu社長の船越氏、エイベックス通信放送の村本氏など業界のキーマンとのインタビューを元にした分析は安定している。
映像のオンデマンド化はどんどん進むだろうし、デバイスにもライフスタイルにもコンテンツの在り方にもジワリと影響を与えてくるだろう。Netflixが来るというタイミングに合わせて、いろいろなものが動いたような気がする。本書でも、hulu、dテレビ、Gyao!、U-Next、Amazon、KK-BOXなどの状況が紹介されている。また同じくこの10月には民放局が見逃し放送サイトTVerを無事立ち上げた。著者も論じているように、見逃しに対するテレビ局の見方もずいぶんと変わったように思う。
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もし日本の市場のことではなく、直接的にNetflixを語るのであれば、この本よりもまず何よりWebに公開されている彼らの長期展望(Long-Term View)を読むべきかもしれない。
Netflix's View: Internet TV is replacing linear TV
http://ir.netflix.com/long-term-view.cfm
ここから明らかにわかる通り、Netflixはインターネット企業なのだ。Netflixは、インターネットの「Ecosystem Growth」と「Freedom and Flexibility」と「Rapid Innovation」に賭けているのだ。そして、Focusすべき点(Foxusしない点)を明確にしている。ここに書かれているように、Netflixはキャッシュベースで60億ドル(7,200億円)をコンテンツの調達や製作に使うという。膨大なユーザベースを背景にしたこのコンテンツ投資は圧倒的だ。またパーソナライズされたレコメンデーション技術を中心に年間$7億ドル(840億円)も技術投資をしている。それよりもここに書かれているようなサービスを提供するにあたっての思想が、社員の間で共有されているであろうということがひとつの強さを示しているように思われる。
’Don’t bet against the internet’
Betting against the net is foolish because you're betting
against human ingenuity and creativity.
──Eric Schmidt
映像配信においてインターネットに賭けるとした場合、ひとつのやり方はNetflixであり、もうひとつのやり方はYouTubeであるのかもしれない。
”Over the following decades, Internet TV will replace linear, and we hope to keep leading by offering an amazing entertainment experience.” - 彼らは、現時点で放送に使われている帯域はインターネットのデータを伝送するために使われるようになるという。この言葉は現実のものとなるのだろうか。
Netflixは、”moment of truth” - 家の中でくつろいだ時間ができて、さて何をしようかと思う瞬間 - にユーザに選ばれる存在でいたいという。その意味では、競争相手は多様だ。彼らの目にはテレビ放送は多くのライバルのひとつであって、その先を見据えて、コンテンツと技術と人にせっせと投資をしていっている。
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ストリーミングビデオは通常、ドラマであれば1シーズンまとめてアップされ、一話一話増えていくという形はとらない。次の話まで一週間待つ、という時代ではなくなっている。
コンテンツ数を争うこともあまり意味は無い。配給元との契約によって増えたり減ったりする。キーポイントはNetflixのハウス・オブ・カードのような独自コンテンツがどれぐらいあるか、そして検索、レコメンド機能がどの程度充実しているかだ。本当は見るべきものがたくさんあるのにそれを探せない人がすごく多い
AndoroidTVの開発チームのマシアス・デュアルテは「ソファに尻をのせた時、あなたはIQを20失う」と言う。TVに向かう時はリラックスしたいのであり、小難しいことはしたくない。リモコンを使ってザッピングする以上の行動はしたくない
ごく少数のサンプルから計算される「視聴率」に比べ、ストリーミングでは視聴の実数のみならず、どこを早送りしたか、他のどういう番組の嗜好と関連しているか、などより詳しいデータが取れる
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Netflixに始まる、映像配信サービス内容の解説とそれが普及する現在社会の分析が主な内容。
ニーズが増しているこのサービスとは何なのか?
をざっくり把握されたい方にオススメ。
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定期購読型ビデオオンデマンド(SVOD)の歴史。サービス比較の記述はなし。音楽ストリーミングサービスの説明にも1章割かれていたのはよかった。
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アマゾンのプライムビデオでとりあえずはいいとして。
でもディスクレンタルが廃れるのは時間の問題かもしれない。
船越さんって、あの絶叫実況のスポーツアナウンサーだった人ですよね。お元気そうで。
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2015年9月に6500万人のユーザーを抱える巨大SVODサービスのネットフリックスが日本に上陸した。
1ヶ月無料だったので軽い気持ちで加入してみたが、今となってはNetflix無しの生活には戻れなく、有料会員として視聴している。
驚いたのはアメリカでは4人に1人がNetflix加入者であり、ダウンストリームトラフィックはアメリカの全部のトラフィックの30%以上を占めているとのこと。
(youtubeが 18% で httpが9% なのでその多さが解る)
また、以前は自前でサーバ等のシステムを構築していたが、大きな障害を起こして依頼AmazonのAWSに全システムを以降。
巨大トラフィックを処理するために年間1.5億ドルをAmazonに支払いってるらしい。(170億円/月くらいかな)
アメリカに遅れをとっているSVOD市場について、音楽と動画の定額サービスの性質の違いなどがうまくまとめられている良書でした。
日本ではhulu,dTVなどがSVOD市場では先行しており、コンテンツ数は今のところ負けているNetflix。だが、UI/UXの使いやすいし資本金の大きさなどから見ても今度の成長を期待せざるを得ないNetflixにこれからも注目しようと思った。
なにより独自で制作しているドラマが面白いし。
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ネットが普及すればするほどテレビの役割が単なるデスプレーになってしまう。情報はネットから入手する。はたしてこんな状況に変化していいのだろうか。危機感を感じる。
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SVOD(定額ビデオ配信サービス)の時代がきた。
Netflixの強み、あるいはSVODの強みとして、レコメンドエンジンの効果、イッキ見の中毒性、テレビ放送エリアの問題など書かれているが、結局一番はどこまでコンテンツを充実させるかにかかっていると思う。
本著の中でも権利問題についてアメリカと日本の違いが書かれている。
イッキ見は英語でBinge Watching というらしい。(p105)
文章は平易で、さらっと読める。
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memo
88
アメリカでは、出版でも映像でも、製品化する際には、製作者・出演者等と企業とのあいだで、包括的な契約を交わすのが一般的だ。要は「著作権や肖像権はあなたのものだけれど、あらゆる形で製品化する際の判断を企業が行う」といった契約が交わされるわけだ。日本の場合違う。(略)特に日本の場合には、芸能プロダクションの力が強く、彼らが「ビジネスとしてクラスである」と言う判断を下さないと、権利処理がままならない場合も多い。(略)アニメは権利者が集中しており、実写と違い出演者も少ない。
101
見逃し配信は日本のなかならばどこからでも見られる。自県で放送していない番組でも、だ。
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メディアレンタルも国が変われば事情も異なる。日本であれば学校帰りや仕事帰りにちょっと駅前で、というノリだが、米国はそうはいかない。最寄りのショッピングセンターですら週末マイカーで1時間かけて、の世界。ネットフリックスが米国で誕生したのは、ある意味必然であり合理的な時代の流れ。ゆえにそれ自体は大したことではない。ネットフリックスの凄いのは、オリジナルコンテンツをネット配信に組み込んだこと。なんとそれだけでTVという巨大メディアの放送モデルの対抗馬になってしまった。まさにゲームチェンジャーのポテンシャル。第4次産業革命に匹敵するメディア革命といえる。
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身近にHuluのユーザーがいる。地上波テレビもTVerなどで見られるようになってきた。また、音楽の世界でもネット配信はポピュラーになった。そうなると、テレビや映画といった映像も、ネット経由でオンデマンドで見ることが普通になってくるのかもしれない。そんな問題意識をくすぐる本に出会った。
本書は、アメリカにおけるネットフリックスの興隆を含むSVOD(有料で見放題のビデオ・オン・デマンド)の普及、日本におけるSVODに関する各供給主体の動き、音楽分野における流通経路の変遷などをバランスよく紹介している。
日本でSVODが普及するかどうかについての見通しは、必ずしも明らかでない。マスコミは、新規性の強いものを過剰に報じるので、近いうちにテレビが廃れてSVODが一般化するかのような雰囲気もあるが、筆者はやや慎重に考えているように見受けられる。それでも、映像の流通チャネルは確実に変化しつつあり、キー局のコンテンツを流すことが主体の地方テレビ局などその存立基盤が危うくなっていることにも警鐘を鳴らしており、大変説得力がある指摘が多い。中々有益な一冊であった。
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コンテンツ業界における革命とも評されたNetflixに関して、ユーザーの姿勢における登場前後を比較して論じた書。
ユーザーがコンテンツに求めるものがガラリと変容してしまったのだと改めて感じた。
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テレビとネットの関係。
スマホ時代の映像配信では、端末を選らばず、(番組の)続きが見られるサービスは有効である。
テレビを見ない世代では、「イッキ見」をする環境があれば、視聴率はあがる。
音楽ネット配信で(買う)状況が変わった。
ビッグデータがテレビを変える。
放題≒フリー?
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ネットフリックスというより、SVOD(定額制動画配信サービス)についての本。
SVODというと自分はHuluを思い出すのだけど、アメリカではHuluよりネットフリックスのほうが人気なんだとか。日本にも流行の兆しがあるらしく、中にはテレビのリモコンのボタンに『NETFLIX』なんてボタンがあるテレビもあるそう。そこまでの存在なのか。個人的には、TVerを気軽に見れるテレビがあればうれしい。
動画配信というと、よく動画が止まるんじゃないかと思うのだけど、『適応型ストリーミング』といって、回線速度によって画質を変更する技術を用いているらしい。理論は分かるけど、どういう仕組みなんだろう。
何気にこの本を読んで驚いたのが、『dTV』というサービスが、ドコモよりもエイベックスのほうが出資比率高いという話(エイベックスが7割だそう)。もはや、ドコモのサービスというイメージが強いけど、むしろエイベックスのサービスだよなぁ……。
それと、日本における見逃し配信の筆頭は2002年に放送された、『機動戦士ガンダムSEED』らしい。そんな前からアニメの動画配信があったことに驚き。ただし、フレッツ利用者限定のサービスで、地域によって見れないようにしていたんだとか。なんじゃそりゃ。
なお、日本において優良音楽配信は2009年をピークに下がっているのだとか。なぜ、2009年にピークだったかというと、フィーチャーフォン向けの着うた市場が強かったかららしい。確かに、今はCDレンタルしてコピーしたものをスマホに簡単に入れれる時代になったしね。なお、CDレンタルというビジネスは日本特有らしい。何でなんだろう?
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丁寧な取材に基づいた良書。SVODの現在、変遷とその潮流について深く知ることができる。
・Netflixの成り立ちがネットでのディスクレンタルから始まった
・2012年にオリジナル路線を強化し、オリジナルコンテンツであるハウスオブカードにハリウッド並の100億円をかけ、エミー賞を受賞するレベルのクオリティまで仕上げて大ヒットした
・Huluは海外ドラマフックで始めたがパイが小さいため苦戦→日本テレビ資本で日本のドラマコンテンツを充実させて再チャレンジしようとしている
・テレビはSVODに食われると思って毛嫌いするが実は消費者行動を調べると補完的な役割。見逃し配信が宣伝になってテレビに戻ってくる(だから最終回に近づくと見逃し配信再生数は減る)
・アニメはネット配信に向いている。権利が自社に固まっているため配信までのコストが小さいから利益が得やすいため
・NetflixでもdTVでもコンテンツにタグをつけてリコメンデーションしている。監督名などのメタタグだけでなく、恋愛、身分違いの恋などのレベルで人海戦術でつけている。それが、イッキ見につながる
・Netflixはデータドリブン。ただしコンテンツ制作はクリエイターに任せ、そのコンセプトで当たるのかという市場調査に金と時間をかける。巨額の投資を確実にするためにここに最もかける。(ハリウッドと一緒)
・SVODはとちゅにCMを挟まないため、尺に制限がない。よってコンテンツとして放送でできないことが生まれてくる可能性がある
・バンダイが大作アニメでとるウィンドウ戦略が面白い。プレミア上映、同時に高額ネット配信する