紙の本
こんな方法だったとは!
2016/10/22 08:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:想井兼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
勉強とは何のためにするのか、そんな疑問に答えてくれた気がする。もしろん受験のためでも資格を取るためでもない、出世するためでもなかった。よりより共生、しかも大きくな人類としてのそれか。相手の立場に立って考え行動することで信頼を得、人と一緒に過ごす関係を築き、喜びも悲しみを分けある。霊長類の研究のための実践は、より大きな目的にもかなうもののようだ。しかし、ハードルは高そう。おっさんとなった今、自分にどんな実践ができるか。
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子どもの疑問に応えたい
2021/08/07 08:26
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投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
勉強って何のためにするの?
効率のよい勉強方法は?
子どもの質問は、いつも難問が多い。
大人になるための勉強は、学校の勉強だけでも、誰か教わる人がいて学ぶものだけでもない、座学だけでもない。
ゴリラの研究者、アフリカでのフィールドワーク、様々な体験から、学びとは何かを教えてくれる一冊。小学生には難しいかもしれないが、高校生・大学生は必読だと思う。
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一般的に想像する勉強法ではなく,生涯を通した自分の成長のさせ方という意味での社会勉強法を,これまでの御経験を基に説く.如何に人誑しになれるか,の論とも言い換えられる.
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考え方としては、やや懐古寄りのおっさんの雑談という感じではあるのだが、さすが山極総長、飲み込みやすく面白く書く。二言目には、アフリカやゴリラ社会などを挙げる最強のグローバル人材。
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京大総長になられた山極先生の著書。「京大式勉強法」とタイトルにあるが、京大にそんなものが存在するはずもなく、まして京大で実際に実践されているカリキュラムのの紹介ですらない。ただひたすらゴリラの話とアフリカでの研究生活のエピソード。だがそれが素晴らしい。
先生は、大学(京大)はジャングルに、教員は猛獣に見えるようで、総長としては日光と水を供給するのが仕事と考えているとか。当然ですが、先生にとって人間社会はちょっと大きなモンキーパークであって、フィールドワークの一貫なのでしょう。
私は語学の苦手意識が強かったので、開き直って私と話したいから日本語を学びたいと思えるくらいの人になることにしたが・・・、山極先生もグローバル人材とは「おもろいやん」と言わせる人だと書いていて、とても共感する。
ゴリラのエピソードも興味深く、霊長類の中でも「おねだり」行為がある種は少ないのだとか。
また、コミュニケーションの仕方についてかなりのページが割かれていて、共に食事をとることの重要性やお酒の効用(ケとハレ)、共に時間を過ごす事の価値等が述べられている。今、人工知能によるパートナー主体のあり方に興味があり、とても参考になった。
ポジションを求めず、ただひたすらやりたいことを続けていればいい。時には諦め、別の道に「飛ぶ」ことも大切だけれど、広い意味で人間の可能性を信じているのだなと実感しました。最後に「自分で決める」事の重要性を説かれていたけれど、それを他人にわかってもらうのが一番難しいと思う今日このごろ。
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長く文字がなかったアフリカで、著者は地域の人たちの教養の高いことに驚き、教養の形がそのほかの社会と異なると書いている。また、ゴリラや人間のコミュニケーションにとっての目や表情の重要性やある程度の時間いっしょにいることの重要性、-裏を返せば携帯などを通じたコミュニケーションでは満たされないもの-、を書いている。
日常的に周囲の人とのつきあいをしているなかで、自分自身では余り意識していないけれど、この本を読んで、”なるほど。だから人間はこんなふうなつきあい方をしているんだ”と気づかされたたことがいくつかあった。
良い本でした。
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現京大総長が、自身のこれまでの研究生活やゴリラの生態、アフリカでのフィールドワークで出会った人々の生活等を具体例として交えつつ、「前向きに生きるヒント」を数多く提供してくれる。
現代人は携帯電話やコンビニといった文明の利器により、人と共に過ごす「時間」が切断されてしまい、「対人力」が落ちていることを指摘し、
・相手の立場に立って物事を考える
・状況に即して結論を出せる
・自分が決定する
ことを道標に、自分が「おもろい」と思えるものに、あの手この手で挑戦していくことを勧めている。
アフリカの人々の
「There is no problem, there is a solution.」
という言葉は、悩める人にとって金言。
どんな年代の方にもおすすめできる、「(生き方の)勉強法」のヒントを教えてくれる本。
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つボイノリオさんのラジオで紹介されて興味をもって購入。
ホントに「おもろい」本だった。
たくさん付箋をはったからもう一度読み直してみよう。
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京都大学総長にして、霊長類学・人類学者の著書。
ゴリラ研究を通して、「人間は何であるか」を追求さている。
勉強法の話というよりかは、多様な生き方、価値観がある現代社会において、人間がより人間らしくあることを楽しみながら生き生きと成長する秘訣をゴリラ研究やアフリカでの生活から導き出す話。
印象深かったのは「対話」活用のくだり。自分の意見は主張しつつも、相手の言うことをじっくり聞きながら、自分の主張を変えていくことが重要とのこと。そうやってお互いにどんどん変化しながら、共に新たなアイディアを生み出していくことで「おっ!それ、おもろいやんか」に到達するという。
また、仕事の中で、その「おもろい」ことを見つけたならば、それを邁進していくことが"道"であって、外発的動機を満たすような、例えば大学の話でいうと「准教授になりたい」「教授になりたい」という欲求は単なるステータスや職階を目指しているのに過ぎない。
ステータスや職階を目標にするのではなく、自分で楽しいと思うことをやり続ければ、いつかそれが認められ自然にうまく生きられるようになるという言葉は何か大切な価値観を呼び起させてくれる。
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手にとったのは実はNHKブックスの「暴力はどこからきたか」が最初。しかしあまりにも良書なので図書館で借りるのは中止して急遽買うことにした。それで、代わりに借りたのがコレ。話の中心は、勉強法というよりはコミニュケーション論ではあるが、ゴリラ学、霊長類学の山極さんの学問のバックボーンが分かってたいへん面白かった。
以下参考になったところ。
◯グローバル人材は語学力なども必要ですが、1番重要なのは、相手を感動させる能力。相手に「おもろい」と思わせる。
◯対人力をつける。その三つの軸。
(1)相手の立場に立って物事を考える。
(2)状況に即して結論が出せる。
(3)自分が決定する。
◯具体的に著者は、なかなかの交渉力を使っている。「こいつは今殺すよりも、お金を持っているから利用した方が得だな」と相手に「思わせる」。また、相手を信頼して金を盗む隙を作るのは、かえって彼らに悪者にさせる危険性を作った事で、「押し付け」である。国が違えば「信頼」の在り方も違うのだ。
◯物の売り買いは、単なるお金のやり取りではなく、自分と相手との信頼関係が築かれる時間でもある。人間が太古の昔から築いてきた1番大きな信頼関係の担保は、実は時間なのではないか。文明の利器(携帯電話、コンビニ等々)は、人に迷惑をかけることによって成り立った人との繫がりを失うことで成り立つ。
◯人間は「共に生きる」という感覚なしでは幸福感が得られない動物である。
◯人間が長いこと続けてきた狩猟採集の社会では、財産なるモノを持って移動することはなかった。農耕が始まってせいぜい1万2000年ていど。おそらくそれはまだ人間の本性にはなっていないはずです。人間の発明した言葉によってわれわれは幻想を持たされているだけ。土地の所有をめぐる問題にしても、勝つか負けるかの二者択一しか無いのか?共同で利用することを提案することだってできるかもしれない。
◯大人の間でも食の分配が出来る霊長類はチンパンジーやゴリラなど限られている。しかも共食は、人間がチンパンジーの共通祖先から別れてから、最初に作り上げた最も重要なコミニュケーション。食事の場を設けること自体が、和解を前提にしている。
◯だから、最近なくなりつつある子供の時の食卓の上での戦争は、和解の訓練でもあった。
◯人との関係を築くには、どうしたってアナログな方法しかないのです。
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一般的な勉強法の本ではありませんのでご注意を。
著者の長年のフィールドワーク経験を元に、今の私たちに何が必要かを問いかけている。
参考になる言葉が随所に!
かなり良いです。
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この本は、勉強法の本というよりは京大学長が自分が得た経験を共有するために書いた本という感じ。処世術、という方がタイトルに合っていると思うんだけど、ただ「京大式おもろい処世術」みたいなタイトルだと売れない気がする。
ともあれ、書いてある内容は経験に裏付けされた非常に示唆に富んだ内容で面白い。自分としての軸の持ち方や、敵を作らない事の大切さや、人と共有する時間の長さが大切である等々。人間関係構築について明日から使える具体的な事が書いてあって非常に有用。勉強法を学びたい人には肩すかしな内容ですが、処世術を学びたい人はオススメです。
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勉強法と言うよりは、本人のゴリラとの対話やアフリカでの体験を通した生きていく上での対話について書かれており、大変参考になった。
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勉強法というよりも、コミュニケーション術の本。
自分の成し遂げたいことをするには、人と人の関係をいかに築くかが大事。
面白かった内容
・味方をつくると、味方の敵も敵となる、特定の味方を増やすよりも、むしろ敵を作らないことが大事。
・たとえば、アフリカでお金の入ったカバンを置き忘れること。「俺の財布をとらないよね?」と強制しており、コンフリクトや悪事を働かせるきっかけを与えてしまったと受け取られる。文化/習慣の違いにより、信頼の概念も変わる。
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勉強というよりは学問、研究をするために、現地の人々とどう共生し、仲良くしてネタ集めするかというのが主題か。こういう学者がいて、京大の総長になっているのだから、まだまだ日本も捨てたものじゃない。