紙の本
なにかを学ぶ効率的な方法
2016/01/29 16:10
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
なにかを学ぶということに関して、遺伝的な要因や家庭環境が関わっていると思うけれど、やはり効率的な学習方法は存在すると考える。集中的に学ぶこと、同じことを反復学習することに根強い信頼がある。しかし、本書によれば、「一定の場所、静かな環境で勉強することは非効率」「一度に学ぶよりは分散した方が効率的」「別のことを差し挟むインターリーブの威力」などが示される。考えないで学び、眠りながら学ぶ、そういえば、孫娘は、そんな風にしてどんどん、知識を蓄えているようだ。
電子書籍
本の帯に「ちまたの勉強常識は間違いだらけ!?」とあるものの、
2018/06/07 08:25
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投稿者:アルファ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はこれまでの学習の方法を100%否定するものではなく、「これまでどうすれば伸びるのかわかっていなかった能力を伸ばすためには、やはりこれまでと違う方法を取り入れることが必要」という主旨の記述が中心のようです。
例えば、単純な反復学習ではなく、少し違うことを、しかも規則的にではなくランダムに学習した方が応用力を高めることができたということから分かった「インターリーブ効果」など、今まで言われていることとかなり異なる方法での学習効果が記載されており、なかなか印象に残ります。
他には、こちらは以前からも長く学習したことが記憶に残りやすいといわれていた「分散学習の効果」ですが、これも具体的に「何日くらいの間隔でやるといい」ということに言及されており、新しい発見がありました。
紙の本
学習の方法と研究経緯
2015/12/26 13:58
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投稿者:こばよ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわゆる、ただのhow to本ではないのところが気に入りました。
学習の方法について、その方法の研究の経緯などとともに紹介されています。
そのような話にも興味がある人にはぜひ読んでみて欲しいと思います。
(心理学、教育学に興味がある人など)
紙の本
新たな発見があるかも。
2020/02/01 20:14
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投稿者:なまねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっと文章が論文調なきらいがあり、読みにくいところもあったが、
・一気にやるより、時間を区切って2回、3回と分割する方がいい。
・同じ技術、知識だけに集中せず、複数のことを混ぜて学習した方がいい。
・創造性を必要とする課題が長期にわたる場合、できるだけ早く着手し、行き詰ったら中断してよいと自分に言い聞かせる。ただし、中断が長くなりすぎる前に作業に戻る。
などは、そうだったんだ!と思った。
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いずれのメソッドも科学的裏付けがあり、「先の見えない」ものと思える勉強に、確かな希望が持てるようになる。
しかも、いずれも「小さな変化で大きなメリットをもたらす」ものであり、実用性は極めて高い。
どこかで聞いたことのある・感じたことのあるような現象(ex.ふとした時の思い出しやひらめき、模擬テストによる理解の増進等)が、実験により実証されているのはとても興味深い。
【memo】
環境を変える、勉強時間を分散する、自らテストする(流暢性の幻想(「人は忘れる」ということを忘れてしまい、今わかることは今後いつでも思い出せると思い込むこと)を捨てる)、「孵化」させる(休憩、一旦引く、固定観念を捨てる)、「抽出する」(立ち止まって中断する(邪魔)→関係する情報を紐付けする(意識とも無意識ともつかない所で)→入ってきた情報に耳を傾ける)、別のことを差し挟むインターリーブ(種類を混ぜた練習⇒学ぶ力全体、違いを理解する力、アクシデントに対応する力が向上する)、何も考えずに学ぶ(知覚は自動で学習している)、睡眠は学習である(各段階が異なるやり方で学習の強化を促進する)。
「結局は、あなたのすることすべてが学習なのだ。」
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専門的過ぎない素人でも理解できる内容ですが、書き方が冗長的で読むのは少し疲れます。
付録の学習効果を高める11のQ&Aを先に読み、そこに書かれている事で興味のある質問と回答だけを読み、大雑把にそのQ&Aの内容を頭に入れて本文で該当するところだけを読む方が実用的でかつ内容が良く理解できると思います。
全てを理解する必要はないので自分の関心に応じてそこだけを理解して使える様になるだけでもかなりの効果が期待できます。
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池谷先生推薦ということで即購入。
驚きの真実ということも特になかったかな。学習に関してエビングハウスの忘却曲線くらいの知識で終了している人にはいいかも。
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・「嗅内皮質」は脳に入ってくる情報をふるいに役割。「海馬」は記憶形成が始める場所で、「新皮質」では、保存する価値があるとの信号が発せられた情報が健在記憶として保存される。(海馬を通じんてネットワークを形成し、最終的には検索可能な状態で新皮質で落ち着く)
・結合してネットワークを形成するのが「ニューロン」。一方のニューロンから信号を受け取ると、反対隣のニューロンへその信号を伝達する。
・記憶を使えば、記憶は変わる。
・どんな記憶にも、保存と検索の2つの力がある。
・保存する力が減らないというのは、意識的に記憶した事はすべて永遠に脳内にあるという意味だ。
・「検索する力」は、情報をいかに楽に思い出せるかの尺度だと思えば良い。学習で強化されるが、すぐに衰えてしまう力でもある。
・記憶は、記憶が形成された同じ環境下で思い出しやすい傾向にある。
・なので勉強する環境は変えた方がよい。(同じ環境で2度勉強した生徒よりも、違う場所で2度勉強した生徒のほうが成績がよかった。この場合のテストの場所は全く異なる場所であった。)
・なぜなら、いつもの手順や環境に変化を持たせることで、予行練習の内容が豊かになる。つまり、自分を取り巻く環境に頼らなくても思い出せるようになる。
・スーパーメモ。どの頻度で学習すれば最も記憶を検索できるようになるかをアルゴリズム化したもの。アプリとかにもなってる。
・バーリック家の研究では、単語を2ヶ月に1度26回勉強した際に、一番定着率がよかったという研究結果もある。
・試験までの期間と最適な学習間隔の目安。
1週間:1〜2日 2ヶ月:1週間 3ヶ月:2週間 6ヶ月:3週間 1年:1ヶ月
・一夜漬けは記憶の定着が悪いので、長期的に記憶したいのであれば、分散学習が望ましい。
・最初の1/3を覚えることに使い、2/3は暗唱に使った方がよい。
能動的な作業の方が覚えやすい。
・自己テストは勉強よりも、記憶の定着率が高い。
・事前テスト学習効果を高める。→検索の失敗が学習を促進し、その後のテストでの検索で成功する確率を高めた。つまり、事前テストで答えを推測したおかげで、勉強して覚えるときよりも覚えたいという意識が強く働き、正しい答えがより深く脳に刻み込まれたといえる。
・事前テストの効果は10%UPほど。
・学んだ事を誰かに説明することは非常に効果が高い。効果は20〜30%UPする。
・ツアィガルニク効果:相手が作業に最も没頭しているときに、邪魔をすると、記憶にとどまる長さが最大になる。人は作業に夢中になると完了させたいという思う。この想いは完了に近づくにつれて強くなる。この強くなったときに作業を中断すると、記憶にとどまりやすい。
・重要で難しいことをやっている瞬間に邪魔をいれることで、脳内はつねにその目標について考えることになる。そうすることで、より効果的な結果を導きだせる。新しいアイディアも生み出しやすい。
・ランダムに問題を解いたり、ランダムな練習を行うほうが、応用力がつく。
・インターリーブという。インターリーブは、複数の項目・ス��ル・理念を混ぜた練習(勉強)をある程度の期間と、個々の項目・スキル・理念の違いがわかるようになるだけでなく、個々の特徴をより鮮明につかめるようになる。→単語の練習であれば、前回学んだ単語を、今回のリストにいくつか混ぜて記憶するなど。
・情報をたくさん暗記しないといけないテスト(単語や人名や化学構造)が控えてる場合は、普段通りねて「深い眠り」を充分にとり、翌朝早く起きて簡単に復習するとよい。
・運動能力や創造的思考(数学や科学や作文)の強化に役立つ眠りの段階は、目覚める前の朝の時間隊に訪れるので、そういったテストの準備をする場合は、普段よりも遅くまで起きて準備をするほうがよい。
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2016年10冊目。
ニューヨーク・タイムズ紙のサイエンスレポーターが追った「学習方法」。
・「いつもの場所」「静かな環境」は非効率
・日を空けて分散して学習した方が効率的
・「中断」は学習効果を高める
など、これまでの常識を覆すような実験データが記されている。
「今後のさらなる研究が期待される」と括弧付きのものが多いが、
それでも「試してみよう」と思えることが多かった。
【メモ】
・記憶は脳の一箇所で行われるわけではない
・保存された情報は「消える」のではなく「検索できなくなる」だけ
・「覚える→忘れる→思い出す」で記憶は強化される
・記憶した時と同じ状態だとテスト結果は良くなる
→逆に「同じ環境でないといい成果が出ない」という依存性もあるので、多くの環境で勉強した方がいい
・短期間で複数回反復するよりも、期間を空けた方が効率的
・ノートを読み直す復習よりも、ノートを閉じた暗唱テスト方式での復習の方が有効
・学習する前の「事前テスト」も有効
・行き詰まってからの中断は有効
・未完の目標の方が記憶力が高い
・一つの技術を反復練習するよりも、複数の技術をランダムに練習する方が効果が高い
・睡眠の各段階によって、記憶の強化される領域は異なる
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まずは1章を立ち読むべし。
記述がくどいのでまず立ち読んでみて
自分にあわないと感じれば
読まないで済ませてしまっても構わない本。
そうすべき本。
池谷先生が推薦しているけど、
それこそ池谷先生の『記憶力を強くする』講談社BB
あれはいい本だった。
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なんでこの本を買ったのか忘れてしまったのだが、ずっと本棚にあって放置されていたのを最近になって読み始め、ゆっくり読み進めてようやく読了。
タイトルがあまりにもなんていうか「あやしい自己啓発本」っぽい邦題なのでちょっと警戒していたのだが(じゃ何で買ったんだw)、これは面白かった!
原題の「How We Learn」、つまり「われわれはどのようにして学習するのか」の通り、学習に関するさまざまな研究や理論を紹介している極めて真面目で実は硬派な本だ。
楽して頭がよくなる!勉強ができる裏ワザ!みたいなのを期待するとつまらないかもしれないが、実はよく読むと「学習の研究結果から理に適った、効率的な記憶や勉強法」がふんだんに書かれていることがわかる。
忘却曲線、分散学習、ツァイガルニク効果、などなど「これ受験前に読んでおけばよかった…」という内容がもりもり。睡眠相と学習内容の関係などは、理論上はそうかもしれないけどそこまでコントロールするのは難しいでしょ、というツッコミを入れたくなったりはするものの読んでいて楽しい。
集中してひとつのことを繰り返すよりはいろんなことを折り混ぜて練習する方が獲得にはよい、とか生活の中で実感することも書いてあったりして、なるほどなあと思う(私の場合、ひとつの曲を覚えるのに何度も繰り返し聴くより別の曲も混ぜて聴く方が覚えやすい気がしていたので)。
著者はベテランのサイエンスライターとのこと。
翻訳もよいのだろうが、原文も読みやすい、読者に親切な文章なのだろうなと推測できる、わかりやすくて興味深い一冊だった。
技能の習得などにも有用なので、何かを学ぶ機会のある人にはお勧めの本。
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勉強と脳に纏わる、これまでに成されてきた様々な研究や話題を紹介するもの。
タイトルが釣りっぽいが、内容的には勉強のハウツー本ではない。
勉強する前にテストをしたほうが良いケースがある、勉強は静寂の中で黙々とやらないほうが良い、というのは個人的にはサプライズだった。
だいぶスラスラと読める内容になっている。
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勉強の仕方でその効果が変わることがわかったら、だれもがその方法を知り、そして実践したいと思うだろう。
この本で行っているのは効果が高い勉強法は復習をすること。そして自分自身の理解を確認するテストをする事。
また復習や自己テストを実施する感覚によっても効果が違う事などを各種の実験の結果をもとに紹介している。
本書は主に4つのパートからできており。
・脳細胞がどのように形成され、新しい情報をどう保存すかの説明
・情報を保持する力を高めるテクニックの紹介
・問題解決力の向上にいかせるテクニック
・テクニックの効果を高めるために無意識を活用する方法
特に2つ目の情報を保持するテクニックの紹介は今後自分や子供の学習に取り入れたいと思った。
分散学習:一気に集中して勉強するのと、勉強時間を分散するのとでは、覚える量は同じでも脳にとどまる時間はずっと長くなる。
試験までの期間によって最適な学習間隔は違うが、学習した翌日と1週間後に復習すると脳の情報保持の効果が高い事が理解できた。
そして切羽詰まった時の一夜漬けは、翌日の試験当日の記憶という点では分散学習と効果は同じだが、その記憶は長くとどまらないので長い目で見ると効果的な方法とは言えないことが理解できた。
流暢性:情報が最適に素早く処理し出力する能力の事。
その時言えた公式などは翌日以降も思い出せると信じてしまうが、人は忘れるという事実を忘れてしまい、これ以上勉強する必要はないと思い込む。
記憶は、受動的に繰り返されたことよりも、受動的に繰り返したことの方が強く脳に刻まれる。
例えば、何かを暗記しようとしてほぼ覚えたとき、時間をおいてから記憶をたどって思い出す方が、もう一度本を開くよりも効果が高い。
覚える時間と練習する時間(暗唱する時間)の理想的な比率は1:3
テストという形で勉強したことをすぐに思い返すことは、学んだことを記憶にとどめ易くするために効果的。
問題解決の4つのプロセス
1.準備:論理的思考または創造性が必要となる問題に奮闘している時間
2.孵化(インキュベーション):問題を一時的にわきに置いたときにはじまる。無意識な知的活動。問題そのものを一度構成する要素まで分解し再度組み立てるなど。
3.ひらめき:アハ体験を得る瞬間。解決策が突如現れる。
4.検証:ひらめいた問題が本当に問題解決に繋がるかを確かめる。
学習効果を高めるQ&A(興味があったものを抜粋)P336
・勉強のルールを設ける必要はあるのか?(勉強する場所を決めるなど)
決める必要はない
・勉強や練習に適量は存在するのか
どれくらい勉強するかよりも、どのように勉強時間を配分するかの方が重要
・詰め込みはいけないのか
必ずしもそうとは限らないが、詰め込みで覚えたことはあとから思い出すことが難しいという事を理解する必要がある。
・自分で自分にテストをすることは役に立つのか?
非常に役に立つ。自分の理解を試す自己テストは最も効果の高���学習テクニックの1つ
・授業で取ったノートの復習はどれくらい役に立つのか
復習の仕方によって変わる。ただノートを見返す受動的な方法ではなく、自己テストを実施するなど能動的な方法を実施する。
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学習における分散効果について
いわゆる記憶の力には保存する力と検索する力の二種類がある。保存する力は衰えることはないが、検索する力は強化していないとすぐに衰える。記憶した時の背景や環境を手がかりとして思い出すことも多く、例えば覚える時と同じ色調の紙に書く方が別の色調の紙よりも思い出しやすいし、BGMが流れている環境で覚えたことは同じBGMがあると思い出しやすい。ただし、BGMが違うと思い出す力はBGMなしと同じなので、あまり意味はないかも(Smith, Am J Psychol 98:591-603, 1985)
学習においては分散効果が重要になる。一気に集中するよりも何日かに分けたほうがよい。本書ではテスト、インターリーブ、睡眠の効果についても述べられているが、全て分散効果の一型とみなすべきなのかもしれない。一夜漬けは一夜漬けで意味はあるものの、あとに残らない。1−2日空けて反復すると一週間ほど記憶が残る。一ヶ月空けると一年残る。テストも有効で、三分の1の時間を覚えることに使い、残り3分の2を暗唱に使うのが一番効率よく覚えられる。
バドミントンのサーブの練習を調べた研究によると、同じ種類のサーブを続けて練習し、次のサーブの練習に移るよりも、複数のサーブをランダムに練習する方が上達する。他の運動でも同様の結果が確認されており、このように他の行為を差し挟むことをインターリーブという。インターリーブで印象的なのは、被験者は同じ練習を反復するブロック学習のほうをランダム学習よりも高く評価していたということだ。しかし、実際にはランダム学習のほうが効果が高い。ブロック学習による反復練習はすぐに技術が向上するような幻想を生みやすい。
ノートに線を引く、書き写す、すぐに反復する、などの受け身の行為は実際には理解を深める効果がないにも関わらず、自分が知っているかのような錯覚を起こす。(流暢性の幻想)
睡眠により記憶が定着するという知見も分散効果の一種ではないかという。
レム睡眠はパターン認識や創造力を必要とする問題解決、情動を伴った記憶に、Stage2は運動に関する学習に、SWSは陳述的記憶の定着に関係がある(これはSWS断眠の研究からもある程度確からしい)のではないか。だからピアノの発表会のようなスキルを必要とする時やパターン認識などが要求される数学の試験前などは朝寝をした方がよいというが、やや突っ走り過ぎか。昼寝はSWSとレムの比率が多く、一時間程度の昼寝は有効だというが、これも証拠はやや希薄。
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環境(場所)に変化をつける
方法を変える(読む、議論、キーボード入力、手書き、鏡、BGM
睡眠
勉強時間を分散させる
覚える1:自己テスト2
行き詰ったら中断して別のことをする(その間も脳は無意識にそのことを考えている)
一度の練習時間に複数のことを混ぜる(インターリーブ)
知覚学習PLM
「秩序を乱す何か、その場にそぐわない何かを目にすることが、事実上脳を目覚めさせる。っして、『なぜそれがここにあるのか?』と潜在意識に問いかけて、その情報を掘り下げさせる」
種類を混ぜた練習を行うと、学ぶ力全体が向上し、ものごとの違いを理解する力が高まる。