紙の本
佐藤優氏書き下ろし
2016/01/17 16:41
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投稿者:さんぴん - この投稿者のレビュー一覧を見る
資本主義の何たるかをマルクス経済学、宇野経済学を軸に解き明かしていく力作。とてもシンプルにまとめており、資本主義の本質をつかむことができます。買い。
電子書籍
自分の給料は、どうやって決まるのか?選択肢はあるのか?
2016/06/22 10:40
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投稿者:バブシュカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本で展開されている佐藤氏の経済についての解説は、現代の大学教えられている経済学の主流ではない。だが、いくら現在、主流であるところのマクロ経済学や経済解説本をいくら読んだところで、佐藤氏がここで提起しているような、自分が労働者として、いったいどういう状況に置かれているかというようなことは、全く書かれていない、経済解説本、現在の経済学というものは、マクロ的な数字を眺めたりているばかりで、その視点というのは、やはり、数字をいじくっている延長線上には、自分では、労働せずに、儲かるなり、資金を運用するなり、金融政策に手を突っ込むとか、というような、考えしかなく、たとえば、どのようなロジックで、自分の給料が決められ、そして、資本主義の社会の身を置く自分にはどんな選択肢がありうるのかというような根源的な問いはそこにはない。佐藤氏は、この本で明快に、こういった根源的な問に対する回答を与えている。
紙の本
資本主義社会で生きるため…
2016/04/17 01:08
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投稿者:じんせい おかる - この投稿者のレビュー一覧を見る
マルクス及びその理論研究者・宇野弘蔵の経済学に依拠し、明治維新から世界恐慌までの日本の資本主義の発展を分析。そして資本主義の下、新自由主義と帝国主義が進行する現代の様々な問題を読み解く。著者は現代の資本主義の下では新自由主義と帝国主義が同時に進んでおり、発生した余剰資本の処理は兵器の開発やその部品の輸出による「経済の軍事化」によって乗り切ろうという。私達は資本主義と如何に対峙していくべきなのか…
紙の本
おすすめです
2016/03/27 21:37
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投稿者:たなゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本の資本主義の歴史を踏まえ、現下の資本主義の動向とこれからの我々の生き方を考察するものです。勉強になりました。
紙の本
今の世界を読み解くために
2016/02/07 12:35
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投稿者:komaryuzouji - この投稿者のレビュー一覧を見る
資本主義がどのように発展していったのかが、マルクス経済学と宇野経済学を用いて歴史を紐解きながら考察している。特に、ソ連崩壊以後の新帝国主義についての考察は、いま自分たちが生きている社会であることもあり、とても身に迫るものであった。
紙の本
歴史は繰り返すのか
2016/01/23 12:11
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投稿者:toshi - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史に学び、どう考えるかが重要であるということを再認識できた。
紙の本
『資本主義の極意』
2016/03/08 04:56
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投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題にある通り、明治維新から世界恐慌に至る我が国の資本主義の歴史を振り返りながら宇野弘蔵の経済学を論じた好著。
マルクス経済学を理解する上でも日本における資本主義の歴史を理解する上でも非常に分かり易く説明されていて、相変らず筆者の見解が光る。
日本近代史を経済の歴史として見るときに非常に示唆に富んだものだろう。
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マルクスの資本主義 マルクス経済学とマルクス主義経済学
宇野経済学はマルクス経済学のみを徹底的に掘り下げ、独自に体系化した
宇野経済学 原理論、段階論、現状分析
ちくま学芸文庫 宇野弘蔵 資本論に学ぶ
日本はブルジョア革命が起きていないし、資本主義は到来していない 共産党系の講座派
非共産党系の労農派 明治から始まるさまざまな改革はブルジョア革命だったとみなす
高望みせず、しかしあきらめないこと。飛び交う情報に踊らされず知識をたくわえ、自分のアタマで考えること。平凡なようですが、これが資本主義とつきあうキモです
シェアは商品経済以外の人間関係の在り方を提起する点で貴重なもの。ただし、それはあくまでも資本主義システムの周辺で行われている実践、実験にとどまる。シェア経済が商品経済に取って代わり、資本主義がドラスティックに変わる、終焉することはありえない
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日本でこれだけ金融緩和をやっても思うように経済が好転しなかったり、世界でも好況の大国がなくなりつつあったり、資本主義自体の限界を感じる状況が増えてきている。
しかしここで、資本主義ってそもそも何だろう?
よくわからなかったので、資本主義に関する本を適当にいくつかピックアップして読むことにしました。
本書は資本主義の素人である僕にとってもそこそこわかりやすく、入門書としては良さそうに思いました。
前半はマルクス経済学で資本主義の原理原則を説明したあと、それだけでは説明できない国家と資本主義の関係について段階論を使いながら解きほぐしていく。
日本の近代史を丁寧に追いながら解説してくれているので頭に入ってきやすい。
後半は現在日本が抱える問題にどう対峙するか、について。
筆者の個人的見解が述べられているにとどまるので、いろんな研究者の論考を用いて丁寧に展開された前半からはかなりの飛躍を感じるけれど、意見としては面白く、首肯する部分も多い。
労働者の賃金は「生活するためのお金」+「労働者の再生産のためのお金(家族を養うお金)」+「自分自身を教育するためのお金」で決定されるため、会社の利潤がどれだけ増えたとしても賃金が増えることはない。
つまり、資本家からのトリクルダウンは原理的には起きない、というマルクスの考え方が印象に残りました。
確かに、アベノミクスでも経済界に大量のお金が投入されましたが、トリクルダウンは今んとこ起きてないですよね。
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日本の資本主義の特殊性を過去をさかのぼって分析したうえで、日本の現状について筆者が考察している本。
以下、自分の整理のための要約
「日本は資本主義社会だが、それはイギリスから発祥した純粋な資本主義とは別の性格を有している。まずはその資本主義とは何かについて客観的認識する必要がある。その命題について客観的な答えを導き出しているのはマルクスの『資本論』しかない。しかし、『資本論』には二つの魂が混在している。一つは資本主義に対する冷徹な観察者としての魂。そしてもう一つは資本主義社会を打倒するために市民革命をおこして社会主義を実現しようという魂。後者の魂があるせいで『資本論』の論理が破たんしてしまっている。そこで宇野弘蔵は前者の論理を純化させて体系立て、そこに株式会社の存在や社会主義体制への対抗としての帝国主義、国家独占資本主義を考慮した「原理論」「段階論」「現状分析」を提唱した。」
筆者はこの宇野経済学を用いて日本史を読み解き、現代日本の分析や問題を分析している。
そのため、4章以降は筆者独自の考えが展開されている。考えが飛躍しているように感じる点もあれば、納得させられる点も多くあった。とくに、日本が今進もうとしている体制は新自由主義と帝国主義の両面であるというしてきは痛快だった。
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マルクス主義経済学は、資本主義を打倒し、共産主義革命を起こすことを目的に組み立てられた経済学。これに対して、マルクス経済学は資本主義の内在的論理を解き明かす経済学である。資本主義社会に対する冷徹な観察者として資本論を徹底的に掘り下げ、それを独自に体系化したのが宇野弘蔵の経済学。マルクスや宇野弘蔵の遺産を具体的なケーススタディを通して資本主義の極意を学ぶながら、世界、国家、社会、自分というものを考える一助とするもの。
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出だしは上場です。
読んで居て歯切れよさを感じるくらいです。読みやすいと。
将来的に於ける資本主義的世界像に触れて
若干具体を伏せて抽象に走った嫌いがあるように思います。
新書という体裁の紙幅からの要請によるものであり、
また、本書のテーマ(資本主義の本質理解)を超え出る大きなテーマですしね。
も一冊これに続ける作品が是等の書籍の価値を決めるでしょう。
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日本における資本主義の発展を日本近代史を合わせて考察している。
分かりやすいことは分かりやすいが、日本史の教科書の内容を羅列して少しだけ著者の考察が述べられているだけだった。教科書をそのまま読むことと同じ。
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【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】
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宇野弘蔵の経済学の理論に分析の方法を借り、日本の資本主義の成立を後付け、現状分析をした本。
本書はさらに、外部がない資本主義下で、個人はどうすべきかについても提言している。
宇野弘蔵については、全く知らなかった。
マルクス主義経済学をベースに、資本主義社会の分析をした人の由。
本書で分析に枠組みとして利用するのは、宇野の「三段階説」。
資本主義の純粋な形態を明らかにする「原理論」。
やがて資本主義に国家が介入する時代がきて、その介入の在り方により、重商主義的、自由主義的、帝国主義的資本主義へと移り変わる。
この状況を分析するのが「段階論」。
最後にそれらを踏まえての「現状分析」。
この三つの分析を組み合わせる方法だという。
この分析は、「日本の特殊性」に胡坐をかいて思考停止状態に陥らずにすむ点で優れていると思った。
個人的に面白かったのは、共産主義の「講座派」と「労農派」の違いについての言及。
講座派(日本共産党系)は、まず天皇制打破を行い、日本に本当の資本主義を招来してから、社会主義革命を起こすという二段階革命説をとる。
一方、労農派は明治維新をブルジョア革命と捉え、ただちに資本家を倒す革命を起こせばいい、という一段階革命説をとる。
この二派の対立が、現在まで続く思考の鋳型になっているというのだ。
日本特殊論に傾きがちな講座派と、グローバルスタンダードで押し通す労農派、ということらしい。
佐藤さんは何となく労農派に肩入れしているようにも思えたが?
あとは、ファシズムとナチズムの違いについても、やっとわかった感じを得た(いい年して!)。
ファシズムは資本主義を守るために、資本主義下のひずみを国家の介入により是正する運動。
ただし、恩恵を受けるのは「束」となったその国民だけで、排外主義をとる。
一方、ナチズムはファシズムに包摂されるが、人種主義に依拠する点がファシズムと異なる。
現在の資本主義で生まれる格差を、国家の再分配機能を強化して是正せよというピケティの主張は、ファシズムに転じる可能性があるという。
あんなに流行ったピケティが、一過性のブームとして葬り去られたのはそのせいなのか?
まだ私たちはファシズムを飼いならせる技を身に着けてはいない。
巻末の「現状分析」は読むのがつらくなってくる。
個人としてできることは、資本主義に取り殺されない程度に働き、金を媒介としない人間関係を作ることなのだそうだ。
それがー難しいことなんだけどね。