紙の本
貧困問題の難しさ
2016/03/08 10:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hope one - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本で描き出される貧困は、普通にイメージされる貧困とは違うかもしれない。浪費による貧困など、自業自得だと片付けられてしまいそうな貧困である。しかし、実は貧困問題というのは、がんばって働いているのにまともな生活ができないという典型的な貧困だけでなく、非常に多面的な問題なのかもしれない。この本で描かれているような貧困を自業自得だと片付けてしまうのは簡単だ。しかし、それでは問題を解決することはできない。金銭的な欠乏だけでなく、精神的な欠乏も含めていかに貧困と向き合っていくかが大事なのだと感じさせられた。
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インタビュー本でありひとつひとつのトピックは印象的であるが、分析的な視点がないため、ただ現象をつらつらと書き連ねており、テーマが構造化されていない。最終的に本書を通して読者にどのように訴えたいのかが伝わりにくく残念に感じた。
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20160217読了
大卒、短大卒の30代女性の貧困をテーマにした、メディアに取り上げられる貧困女子とは違う存在を描いた本。
特に気になるのは契約社員、派遣社員となってそこから抜け出せないという社会構造。なんとなくイメージはあったものの、具体的に提示をされるとリアリティーがあって恐ろしい。
貧困の理由は様々で、収入があっても転落する人も多い。
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最近、貧困問題を扱った本の出版が相次いでいるが、対象をアラサーの子なしで独身、学歴が大卒や短大卒に絞った点で他に類をみない本となっている。
著者の沢木文さんは、1976年生まれのいわゆる『ロスジェネ世代』。『プチセブン』『Grazia』などの女性誌でフリーランスの編集者として活躍した方。著名人200人以上を取材した経歴があるだけに、人を見抜く目が確かである。
本書は、エピソードごとに1人の女性を取材しており、総勢11人が登場している。
先に述べたように、大学や短大を卒業しているので、貧困家庭の出身ではない。それでも、ルックスに対するコンプレックスや見栄などで、普通の収入があるにも関わらず貯金がゼロだったり、借金を背負ってしまい、瞬く間に貧困へと転落する。貧困問題は単に収入の多少だけでは測れない。そんな複雑な事情がよく分かる。時折、著者による的確な分析が簡潔に述べられるが、どれも的を得ているだけに、逆に解決が困難を極めているという現状に対して、読者は打ちのめされるだろう。
貧困問題に関心のある人は、ぜひ読んでほしい。
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図書館で借りた本。
この本では、それなりの収入があるのにも関わらず、それ以上に支出してしまい、借金を抱えてしまっている30代半ばの女性ばかりが取り上げられている。事情はそれぞれで、親に依存される人、コンプレックスや見栄から、エステや高級な化粧品の購入が辞められない人、ブラック企業を転々とする人など様々。どれも本人次第で解決できそうなのに、できないのは、本人にはどうしようもないことなのだと理解するしかないのでしょうか。
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「貧困女子のリアル」
30過ぎの女性で貧困に陥った人たちのレポートである。11人の例がレポートされている。
普通に大学、短大を出て定職に就き社会で活躍していても、借金で首が回らなくなり貧困に陥っている人たちである。
現在の消費社会は女性をちやほやして消費に駆り立てているように見えるが、そんなものに踊らされて借金を重ねるのは身の程を知らないバカとしか言い様がない。同情に値しないと思うが、身近にいればそれはそれで迷惑かも知れない。
その一方、家族の問題を引きずっていたり、ブラック企業にこき使われて体を壊したりといった社会問題と言える人もいる。
本書には統計的なデータがないので社会全体としてどの程度深刻なのかはよくわからないが、派遣雇用の問題、格差社会の問題はそのベースにあるように感じられる。
やはり、最高税率をもっと上げて金持ちから税金を徴収し、労働者の賃金はもっと上げる必要があるのだろう。
それにしても女性は30過ぎると賞味期限切れ?
日本は紛れもない長寿社会。若さを謳歌することに専念する女性はもう少し先も考える必要があるだろう。
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1980年前後に生まれた、短大・大卒女性の貧困事例が書かれている。
就職氷河期、ロスジェネ世代と言われ、なかなか思うような就職を果たせなかった彼女たち。
とは言え、書かれた女性たちに何か共感できない。同じ時代に生まれてもきちんと自分の生活を成り立たせている女性は多くいる。
大半が都内在住で地方より恵まれているだろうに、破綻した生活をしているのだ。
同情できたのは毒親によって貧困になっている例だけだった。
しかしこれまで貧困というワードでは取り上げて貰えない層の貧困話なので、興味深く読めた。
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正直なところ、個人的な印象としては自業自得。
でも、現実的に計画性のなさで貧困に陥っている人が沢山いるのだろう。
マネー教育はもちろんだが、ストレスとうまく付き合っていく自己コントロールの術も重要な気がする。
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2017.03.12
本当にリアルな内容だったけど、嫌悪感を感じる女性ばかり…自業自得だろって思うけど、なんかわかる…と思ってしまったり。
それでも同じ年代でもきちんとやってる人はいるしね。
やっぱり義務教育でお金の使い方、増やし方を教えるべきだと思う。
みんな、一生付き合っていかなきゃならない自分のお金に無頓着すぎ。
知ってるとトクをして、知らないと損することばかりなのに。そんな無頓着な人たちから1円でも掠め取ってやろうと企業は必死でいらないものや変なサービスを広告したり宣伝してるのに。
自分のお金は自分で稼ぐ、守る、勉強する。他人に頼ってはいけないと改めて思った。
専業主婦になりたいなんてもってのほか。
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なんだこれは、という感じ。
確かに貧困に陥っている「リアル」をレポートしているのだが、それだけ。こんな奴ばかりなのか、こんな奴らしか目に入らないのか、こんな風にしか見えないのか。
こんなのを見せられて、支えてくれる男性が必要だとか、その一方で男は若い女しか相手にしないとか、社会的救済とか言われても、なんの共感もない。
この著者がそんな風に考えてるんだろうね、何があったか知らないけども。
問題提起ですらない。
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貧困層になってしまう方々の多くは育った環境に問題のある場合が多いそうで、毒親から子を育てるの資質のない親まで、様々な事例があるそうです。一人でも多くの人が知り、自ら襟を正しつつ、啓蒙し、されて欲しいものです。
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不運の分かれ道みたいなものが随所にみられる。例えば退職したとか。しかし子供は親を選べないからなー。親が原因の場合は救済処置が欲しいところ。
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「貧困」にはまり込んで抜けられない女性たちの事例集。本人が悪い場合も、親が悪い場合も、または彼氏のせいだったり・・・理由は様々だが、貧困状態から抜けるための救いの手は差し伸べられない。
こういった状態に陥らないためにも、親や先生といった人たちが読んでおくべきものだと思う。
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著者が取材相手の容姿や雰囲気を
表現した文章が、読者にとって
イメージが湧きやすいように
書いたのだと思いたいけど、悪意というか
ディスっているような感じがあり
気分良くなかった。
登場する貧困女子は、
自信が無かったり
諦めていたりするのが共通点。
読んで頑張ろうとか前向きな気持ちには
ならなかった。
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私も風呂無しぼっとん便所のボロアパートで育ち貧乏を経験してきたが、この本に登場する貧困女子は皆、学歴も高く、お金持ちの家で育った人が多い。
タバコも酒もやめられない、無駄遣いもやめられない。
つまり自業自得で貧困に陥っている例が多いのが目立つ。
もう少し素直さ、謙虚さを持てば現状を打破できるのではないかと思った。