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愛人を通じて描かれる嫁の苦悩とその魅力
2016/07/03 17:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
交通事故で重篤となった息子にして夫(35歳)の携帯電話に残された愛人との足跡。これを端緒として交わされる義父(63歳)と嫁(29歳)の日常と官能的な非日常が交錯していくところに何とも言えない憂いと淫靡さを感じた作品だった。作者が得意とする回春路線を土台にしつつも長期入院による夫(息子)の不在が続く物悲しさが漂い、普段は気丈に振る舞う嫁の夜に見せる別の姿が艶のある彩りを加えていたように思う。
第1・3・5章で描かれる愛人は3人に及ぶ。1人1章の構成となるが、それにしても3人も囲うとは大したものと言うべきか不貞の極みか。仕事のお得意様夫人(36歳)に職場の部下(26歳)に加えて妻の友人(29歳)という日常的に接点がありそうでいながら2人目、3人目と進むに連れて背徳の度合いが増していく絶妙な布陣と言える。また、この内の2人が人妻で、男を手玉に取るような妖艶さがあったり、一見して真面目そうなトランジスタグラマーながら酒に酔うと淫らスイッチが入って眼鏡を外すと表情が変わったり、あるいは数年に渡る愛人関係でMっ気を炙り出されて緊縛調教されていたりとタイプも様々。
こうした歴戦(?)の愛人1人1人を順に巡って息子との関係解消を求めていく義父なのだが、そんな情けないことを父親にさせてしまう息子の不肖を感じながらも代わりに求められてしまい、抗い切れずに応じてみれば気に入られていく義父にもちょっとツッコみたくなる一面はある。それでも息子に代わって社会復帰し、その不貞を嫁にも詫びながら改善に向けて尽力している姿は実直である。
タイトルこそ愛人にフォーカスしているが、実際は第2・4・6章で描かれる義父と嫁がメインであろう。目を覚まさない夫を献身的に看病する昼の顔と、それでも疼く身体を持て余す夜の顔という嫁のギャップが悩ましく描かれており、言葉交わさぬ駆け引きめいた誘いのようなやり取りから始まり、自慰に耽る嫁を隣室から覗く義父という霧原作品ではお馴染みの場面もある。ここでも普段はきちんとしているのにやっぱりオトコでもある義父が描かれ、それがバレたりもするのだが、偽りのない自分を伝えることで嫁との関係は却って進んでいる。つまり、義父と嫁ながら男と女になっていく関係である。少しだけ態度に親しみが増した嫁ながら妻の矜持もあって一定の線は引きつつもじんわりしっとり戯れていくのが何とも淫靡。しかも、これを単に夫(息子)への意趣返しでもなく、空閨を埋めたい嫁と慰めてあげたい義父とも言えない着地へと向かわせるのが本作の秀逸なところである。
数年に渡って何人もの愛人を囲った夫の、その事実を嫁が知っていたか否かが最後に描かれるのだが、辛抱に辛抱を重ねていたであろう嫁と、それを知って眼差しに深みが増す義父との関係にはむしろ何とも言えない色合いが加味されている。許されざる関係への興奮を湛えた愛情かもしれないが、妻の座を放棄するでもない嫁が最後に閃いた企てには結末を飾るに相応しい淫猥さがありながら、ひょっとすると夫の目が覚めても覚めなくても自分が置かれた今の状況が不幸ではないことをはっきり自覚したのかもしれないと深読みすると嫁が見せた妖艶さに素敵な魔性が加わるのである。
それまで双方が躊躇いつつも仄かに抱いた願望から推測すると、そんな小悪魔チックな考えが進んでもおかしくないと思えるような、そんな余韻さえも残す幕の引き方だった。