紙の本
プラネタリウムのプロジェクトX
2016/08/30 20:30
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
大都会では見ることが困難となった満点の星空を再現するプラネタリウム。従来のプラネタリウムは6等星までの恒星約9000個の投影能力であるのに対し、著者の大平氏が作成したメガスターは11等星までの約100万個の恒星を投影する能力を有します。これをほとんど自力で開発、作製した著者自身による開発ストーリーです。
自分の好きな事で起業し、それを事業として成立させる過程がどういうものなのか、俯瞰することができる好著です。従来のプラネタリウムを凌駕する最大の要因となった技術要素について、もう少し詳しい記述があったらもっと良かったのにという印象です。これは著者が技術開発よりもプラネタリウム作製を事業として成り立たせる部分に立ちはだかるハードルに困難さを感じた事が原因かもしれません。
しかし、この本を読んだら改めてプラネタリウムに行ってみようという気を読者に起こさせるだけの訴求力は十分にあります。
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本書を読んで強く思ったこと
・山梨の科学館の影響力の大きさをしった。
以前からここの番組制作力は素晴らしいと思っていたが、より行きたいと強く思うようになった。
・エストニアの全天球プラネタリウムを初めて知り、そのアイデアを出した女性が強く印象に残った。 一度見てみたい。
・日本における2社のプラネタリウム(GとM)に対してメガスターがどう挑むか。 互いの終わり無き闘いが記してあり、興味深かった。 ツァイスがどういう姿勢なのか、少し気にはなった。
・川崎がそうであるように、やはりプラネタリウムは生解説こそ魅力が充分に発揮されると改めて思った。 古き佳きプラネタリウムをもっと多くの方に知ってほしい。 最近の人は、オート番組しか観てない人も結構いると思われる。
・常設として九州でもメガスターをどこかが導入しないかと思っている。
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面白かった。プラネタリウムでのスティーブ・ジョブズ。
人々をアッと驚かすプラネタリウム製作にかける情熱、思いは清々しく素晴らしい。
感動した。
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(人間が地球から見ているよりも)緻密で解像度の高い星空を、自らの手で作り出した天才の自伝。
テレビや記事で知っていることもあったが、時系列でまとめて読むと、改めて心拍数が上がります。
偉人伝を読むワクワク感。
後世に名を残す人が今まさに活躍している時代に自分も生きているのが誇らしいと感じる。
この本を見つけて即買いしたあたり、私はこの人のファンなのだなと自覚した。
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愛好家から高い支持を集めるメガスター、星が綺麗との評判に、以前から興味があった。岐阜県藤橋城では、お城のなかに設置されているとか。近いうちに行ってみようと思う。
「星に願いを〜七畳間で生まれた410万の星〜」も観てみたい。
毛利さんからの厳しい言葉。そして、約束。約束を果たしたシーンは、感動で背筋がぞくぞくした。
エストニアの全天球プラネタリウム、観てみたい。
3Dの星空とプラネタリウム、町の夜景を融合させた企画「東京スターりーナイト」は是非観に行きたかった。次に開催されたら必ず行きたい。「中にはスピード違反で赤色灯を明滅させた覆面パトカーに追いかけられる車まで再現するという凝りようだった。」すごいこだわり。
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むかし、プラネタリウムでデートするのが好きだった。夜をともに過ごしているような気がして。その頃のプラネタリウムとは比較にならないくらい綺麗なプラネタリウム。プラネタリムを進化させたのはこの著者とデジタル機器だと思う。よくテレビに取り上げられているので、知ってはいたが、夏だ、久しぶりにプラネタリウムに行ってみたくなる。
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好きなことを仕事にする、というのはこういうことなんだな、と思う。好きだからこそ、スケジュールがきつかろうが、世界で他に誰もやっている人がいなかろうが、いろいろ勉強して実現できる。ハードワークが気にならないようなことが”好きなこと”なわけで、よく若者がいう「好きなことを仕事にしたい」っていうのは根本的に意味が違うのではないかと思ったり。
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大都会では見ることが困難となった満点の星空を再現するプラネタリウム。従来のプラネタリウムは6等星までの恒星約9000個の投影能力であるのに対し、著者の大平氏が作成したメガスターは11等星までの約100万個の恒星を投影する能力を有します。これをほとんど自力で開発、作製した著者自身による開発ストーリーです。
自分の好きな事で起業し、それを事業として成立させる過程がどういうものなのか、俯瞰することができる好著です。従来のプラネタリウムを凌駕する最大の要因となった技術要素について、もう少し詳しい記述があったらもっと良かったのにという印象です。これは著者が技術開発よりもプラネタリウム作製を事業として成り立たせる部分に立ちはだかるハードルに困難さを感じた事が原因かもしれません。
しかし、この本を読んだら改めてプラネタリウムに行ってみようという気を読者に起こさせるだけの訴求力は十分にあります。
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大平さんの名前は知らなくても、「メガスター」というとんでもないプラネタリウムがあることは多くの人が知っています。
最初に発表されてから、もう20年近くたちますが、その間大平さんがなにをしていたか、報道される「すごいプラネタリウムを開発」の間になにが起きていたのかがよくわかります。
自分が起こしたイノベーションを、何度も超えていこうと向き合う姿は、技術者の厳しさと美しさを体現しています。
独立したあと、会社を率いるトップとしての資質と行動に悩む姿、あくまでも技術者として新たな世界を現実化する姿、そして毛利衛さんとの関わりがとても印象的です。
実話版「坂本龍馬」というべきか、若いときに読むと、きっと燃える想いを胸に抱けるはずです。
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とても背が高い人だったことを覚えている。
10年近く前、日大二高物理部OB会で一度だけ大平さんに会ったことがある。
俺が二高の物理部でうだうだやっていた2002年からの3年間、すでに当時でも物理部黄金期として過去の話として語られていた伝説のOBである。
日本でプラネタリウム・クリエイターといえば、この人以外に当てはまる人はいないだろう。
個人で製作したプラネタリウム、メガスターが100万個の星を映し出し日本中の注目を浴びた。
人とは違う価値観ゆえに、人間関係の構築は苦手だった。
ソニーに入社するも、個人的にプラネタリウム製作を続け、それゆえにソニーを離れて独立することになる。
プラネタリウムの星の数の競争から離れ、人が見たことのない景色を追い求め続け、それは今でも続いている。
理系の人間は、極めると芸術になる。
俺が大学で鳥人間サークルだったとき、どこかの大学の教授が「美しい期待ほど、よく飛ぶ」と言っていたらしい。
大平さんが作るプラネタリウムも技術を極めて芸術に昇華している。
読んでて、新幹線でもプラネタリウム投影して、窓に液晶はめ込んで宇宙を猛スピードで駆け抜けていく演出ができたら面白いのになぁとか、
ナイトビュー姨捨で日本三大車窓の夜景とプラネタリウムのコラボは面白そうだなぁと思った。
そしたら釜石線のSL銀河で、すでに車内プラネタリウムの投影やってるのね。今度乗りに行こう。
こんなすごい人が部活のOBにいるのは、パッとしない物理部だったけど、少し誇らしい。
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久し振りの新書。
元々プラネタリウムが好きで、題名に惹かれて読んでみました。想像以上に面白い内容で、作者の行動力や、発想に感心しました。
人付き合いが苦手な作者が、周りの人に認められて支えられて、凄いものを作り上げていく。他人の言葉が目標になったり、数年来の人との絆が新しい目標を作ったり、そういうのって良いなぁ。
毛利さんに私も会ってみたいです。
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ポータブル型プラネタリウムを学生時代に自力で開発。
ソニーに入社し、生産技術部門に配属。花形部門でないため残業が少なく時間確保、資金も増えて開発も継続。
ISP国際プラネタリウム協会の大会で大学の時に作ったアストロライナーの発表を行い賞賛される。
2年後、性能を上げた「メガスター」を製作し、ロンドンの大会で発表。
世間で評判となり、個人の趣味であったものが、上司の薦めにより、役員に認められてソニーでの事業化が決定。知財権利をソニーに許諾することになり、ソニー製「シアタリウム」が完成。一方で同時に500万個以上を投影できる個人の「メガスターⅡ」も完成し、東急文化会館の最後のイベント開催となった。それを後ほど日本科学未来館に常設。
教育機器としてのプラネタリウムがミュージシャンやアーティストとのコラボ機器にもなっていった。
2005年、
セガトーイズで玩具として「ホームスター」を発売。レンズ+リスフィルム+LEDでコストを抑制。累計100万台突破。
2011年、
エストニアに世界初の全天周光学プラネタリウムを設置。
2012年、
明るい星だけコンピュータ制御し光学式で映しそれ以外はデジタルデータをプロジェクタで投影する「フュージョン」を川崎青年科学館に設置。
2016年、
ソニーの元先輩との共同開発のナノレベル原板にて13.5等星までの10億個の星を投影できる「ギガスター」の基礎技術を開発。
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レベルが高すぎる。
研究者として何もできない自分が恥ずかしい。
単なる改善ではなく、明らかなステップアップの連続。
どの業務も妥協をしない姿勢、何事も自分でやり抜く精神。
素晴らしすぎる。
とりあえず、川崎にみにいきたい。
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メガスターをはじめとする著者のプラネタリウム開発史。割と技術的な面(それほど具体的ではないけど)中心。メガスター以降の機械・映像が、バーチャルというかアート的な面を含めてすごいことになっているようだ。一度現物を見てみたいもの。
ただ、ちょっと気になるのはそれがそれだけで完結してしまう恐れ。プラネタリウムが現実の星空を見るための手段であったというのが置き忘れられないか。というか現実自体が置き忘れられそう。まあ、現実を超えるバーチャルというのが現代の潮流であるのはこれに限らないけど。