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商品説明
戦後、アメリカの前衛芸術家ジョン・ケージらとの出会いから出発し、世界の作曲界を刺激し続けてきた音楽家・一柳慧。その革新性とスケールの大きさはどこから来るのか、知られざる創作の軌跡とこれからの音楽論を自ら語る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
一柳 慧
- 略歴
- 〈一柳慧〉1933年神戸市生まれ。作曲家、ピアニスト。ジュリアード音楽院に学ぶ。神奈川芸術文化財団芸術総監督。サントリー音楽賞など作曲による受賞多数。
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紙の本
現代音楽ファンならば一読の価値あり
2016/09/08 01:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コピーマスター - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はレビューするのをやめて、未評価または、★だけつけてレビューを書かないというのが、「4分33秒」的態度なのではないかという思いも一瞬だけよぎったのだが、やはり書いてしまう。
昔、NHK-FMの「現代の音楽」という番組が好きだった。
当時の司会は白石美雪氏で、テープに録音しておいて、気に入った曲は繰り返し聞いたものだった。
番組でしばしば紹介される楽曲の作曲者の中に一柳慧がいた。なぜ覚えているかというとおそらくその時聴いた作品が印象深かったからだと思う。
後になって購入したCDに収録されていた「ピアノ音楽 第4 エレクトロニック・バージョン」を聴いて、こんな作品もあったのかと驚いた。
本書では、パフォーマンスや、図形楽譜など中々前衛的なこともやっていた現代音楽家が最近は五線譜で作品を書くようになっている理由や、昨今のオケの演奏技術の向上、テクノロジーの向上をどう思っているか、ジョン・ケージの音楽は何だったのか、雅楽などの日本の伝統音楽に関する話など、以前から疑問に思っていた点が語られていて非常に興味深く読んだ。
インタビュー記事ではどの程度編集が加わっているのかは不明だが、自作についてどういうことを考えてどう表現したかという説明が驚くほど適格な言葉で語れられていて、現代音楽の話をしているはずなのに、そのわかりやすさには小気味よさすら感じるほどである。インタビュアーに対して、それは違います、むしろこうでなんですと訂正する場面もあり、行間から氏の温厚で真摯な性格が伝わってくる。一見すると単なる過去の記事の寄せ集めのようでいて、読み応えのある完成度の高い評論集となっている。現代音楽ファンならば一読の価値あり。