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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2016/07/10
  • 出版社: 白水社
  • レーベル: 白水Uブックス
  • サイズ:18cm/442p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-560-07206-6
新書

紙の本

ケイレブ・ウィリアムズ (白水Uブックス 海外小説永遠の本棚)

著者 ウィリアム・ゴドウィン (著),岡 照雄 (訳)

農民の息子ケイレブは両親を亡くし、地主フォークランドの秘書となるが、慈悲深い主人には暗く恐ろしい秘密があった。真実を突きとめてしまった若者は犯罪者として追われる身に…。ゴ...

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ケイレブ・ウィリアムズ (白水Uブックス 海外小説永遠の本棚)

税込 1,980 18pt

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商品説明

農民の息子ケイレブは両親を亡くし、地主フォークランドの秘書となるが、慈悲深い主人には暗く恐ろしい秘密があった。真実を突きとめてしまった若者は犯罪者として追われる身に…。ゴシック小説の名作にしてミステリの原点。〔国書刊行会 1982年の再刊〕【「TRC MARC」の商品解説】

ゴシック小説の名作にしてミステリの原点
 農民の息子ケイレブ・ウィリアムズは、両親を亡くし、有力者の地主フォークランドの秘書として働くようになる。人望厚く慈愛に満ちた主人の下で恵まれた生活を送るケイレブだったが、好奇心の強い彼は、やがて主人の不可解な性格に興味をいだき、ついにその暗い秘密を突き止めてしまう。実は主人フォークランドには人知れず殺人を犯した恐ろしい過去があったのだ……。18世紀末、アナーキズムの古典『政治的正義』 で英国社会に衝撃をもたらした思想家ウィリアム・ゴドウィンが著したゴシック小説の名作。社会の矛盾や不条理をあばく告発小説であると同時に、犯罪の秘密に端を発して、追う者と追われる者のサスペンスと心理的闘争を迫真の筆で描いたミステリの古典でもあり、さらに正義の側にあるはずの主人公が逆に権力者から迫害を受ける展開は現代ミステリを先取りしている。【商品解説】

慈悲深い主人には暗く恐ろしい秘密があった。社会の矛盾と不正義、追う者と追われる者の闘争を凄まじい緊迫感で描いたゴシック小説。【本の内容】

慈悲深い主人には暗く恐ろしい秘密があった。社会の矛盾と不正義、追う者と追われる者の闘争を凄まじい緊迫感で描いたゴシック小説。【本の内容】

著者紹介

ウィリアム・ゴドウィン

略歴
〈ウィリアム・ゴドウィン〉1756〜1836年。イングランド東部生まれ。カルヴァン派の牧師となるが、フランス啓蒙思想に触れて信仰を捨て、ロンドンで文筆活動に入る。著書に「政治的正義」「サン・レオン」など。

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評価内訳

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  • 星 2 (0件)
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紙の本

文学的素養の上にない政治は信用できない

2019/09/15 20:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

18世紀末、ある農家の子供が領主に目をかけられて秘書として働くようになり、人望厚い領主の薫陶と大量の読書によって、教養を身に付ける。だが主人の秘密を知ったことで、主人との葛藤が生まれ、やがてそれはお互いの憎悪となり、追いつ追われつの逃亡劇、そして丁々発止の対決へと発展する。
そもそもが完全に作者の政治的主張のための小説で、当時の階級制度のもたらす弊害と、その改革の主張が全編に溢れているのだが、虐げられた庶民の一人称で語るための頑張った設定であることは否めない。しかしその効果は、ぎりぎりに追い詰められた人物たちの心理に説得力を持たせ、冒険小説としての緊張感を醸し出している。
さらにゴシック小説としては、領主の屋敷において秘密に迫っていくところや、主人公の脱獄のシーン、山賊たちの館やロンドンでの隠れ家生活など、おどろおどろしい雰囲気も満載だ。
だが最も印象的なのは、この激しい憎悪に基づく戦いであり、ブリテン島中を巡る逃亡と追跡だ。そういえば作者の娘であるメアリ・シェリーの「フランケンシュタイン」も、怪物と博士の憎悪に始まる追跡劇ではなかったか。親子でこんな影響が受け継がれるのも面白い。
政治的主張の方は、身分制度を肯定した上で、その制度を守るための過剰な慣例を廃して、法の公正な運用を求めると言う、慎ましやかなものだが、当時はこれが社会主義扱いだったようだ。それだけのことのために、その時代の人々には、領主階級にも、小作人その他の階級の人々にも大きな心理的抵抗があった。こういった思想はフランス革命の影響を受けているが、その経緯をすんなり受け入れないあたりは、ブリテン人の独立性と言うんでしょうか、現代でも特徴的な心性を表しているようでもある。純粋な自己主張を貫こうとする青年には、この社会こそが乗り越えなくてはならない壁ということになる。その一方で、個人の誇りと善意によって青年を助けようとする人々もおり、ウォルター・スコットの作品に出てくるような人々がこの時代にも生きていたわけだ。
様々な階層の人々が本音をぶつけ合いながら、なお戦うこと、相手を倒すことについていつも逡巡し、自らの憎悪感情を責めている。その複雑さによって陰影のある物語となり、上っ面の理屈だけでないからこそ、その主張にも説得力が生まれている。

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2016/07/22 22:29

投稿元:ブクログ

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