スリランカでビジネスチャレンジ！ これならできる！これはチャンス！！これはダメだろう！？ ｖｏｌ．２

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投稿者：さきはら　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

スリランカはインドの南東にある島国で、人口は約2000万人。産業は紅茶栽培が有名だ。約30年間にわたり内戦が続いていたが、2009年に終結。以来、目覚ましい発展を遂げつつある。また、世界遺産が数多く存在し、観光地としても高い評価を得ている。
本書は、そんなスリランカで、もしくはスリランカと日本との間で事業を起こしたい人に向けたビジネスアイデア集。
日本からスリランカへの中古パソコンの輸出、ティーバッグの紅茶をコーヒーに置き換えた「カフェバッグ」の製造販売、スリランカスイーツの日本への導入といったものから、コールセンター事業、ホテル経営、鉄道関連ビジネスなどまで、現地事情に詳しい著者がユニークな語り口で紹介している。

なかには、スリランカでのインターネット結婚あっせんサービス、プロレス団体の立ち上げなど、思わず笑ってしまいそうになるものもあるが、ただの“悪ふざけ”ではない。
例えば、インターネット結婚あっせんサービスは、カーストや宗教を気にする社会事情に合ったビジネスモデルだと指摘されると、なるほどとうなずける。
プロレス興行についても、スリランカ人男性は格闘技に興味を示す傾向があるなど、独自のリサーチも交えた分析を行っている。
手づかみで食べる習慣があるがきれい好きな国民性に目をつけ、食堂などでのおしぼり事業を提案しているのもおもしろい。

全体に共通するのが、著者が自らアイデアを楽しんでいること。そして、単なる思い付きで終わらせず、「実際に行うなら」という視点で細かい点まで考えていること。こうした姿勢は、スリランカでのビジネスに限らず、新商品や新規事業を検討するうえで学ぶべき点が多い。
著者の主張に対して、招き猫のキャラクターが突っ込みを入れているのも笑える。
スリランカに行く予定も、事業を起こすつもりもないが、とても楽しめた。