金沢の不思議 （中公文庫）

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投稿者：ちこ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、『時代屋の女房』（直木賞）や『鎌倉のおばさん』（泉鏡花文学賞）などの傑作で知られる松村友視氏の作品です。同書は、表題にもありますように金沢について書かれた興味深い一冊です。新幹線開通によって便利になった金沢ですが、ここは加賀百万石の城下町として、さまざまな伝統ある文化を生み出してきた町として知られています。その歴史を支えてきたものは、一体、何だったのでしょうか？ 金沢を治める前田家が外様大名だったこともあって、江戸幕府から目をつけられないようにひっそりと武道に精進してきた武士たちがいました。それが、釣りや坂網猟といった独自の技術の発展に結びつき、そこから加賀毛針などが生まれたのです。ガイドブックでは知ることの出来ないさまざまな「金沢の不思議」を紹介した一冊です。