紙の本
改めて気づかされる一冊
2024/02/21 01:58
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投稿者:みけ猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んで、初めから悪いことや良いこと
の区別をつけられたり、間違いに気づけなかっ
たりが出来なくて当たり前なんだ、私も含め
誰もが「ピノキオ」と重なる部分があるんだと
感じさせてくれた。
紙の本
100年以上も世界中で愛され続ける作品です。
2020/05/08 10:16
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、イタリアの作家カルロ・コッローディが著した児童文学作品で、初版が1883年に出されて以来、世界中で読み継がれてきた物語です。内容は、ある日、大工のチリエージャ親方が、意志を持って話をする丸太を見つけます。そして、そこにジェッペットじいさんが現れ、丸太を木の人形にし、ピノッキオと名付けます。ところが、このピノッキオは勉強と努力が嫌いで、すぐに美味しい話に騙されるのです。たとえば、話をするコオロギなどの忠告にも耳を貸さず、人形芝居の親方に焼かれそうになったり、狐と猫にそそのかされて、殺されそうになったりするといった具合です。終盤に巨大なサメに飲み込まれるのですが、マグロに助けてもらいます。こうして、真面目に勉強し働くようになったピノッキオは、最後に夢に現れた妖精によって人間になるというお話です。苦難を乗り越えて人間の少年へと変化するまでの逸話が見事に描かれています。
紙の本
これは「新訳」ではなく「改訳」です
2016/11/23 21:50
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
翻訳者名から気がついていたが、この本は角川文庫から出た本を改訳したものだ。旧版と違って本文注や解説が充実しているので、参考になる。この作品が書かれた当時のイタリアやキリスト教の背景、聖書などから取られた比喩、イタリア語の言葉遊びといったものを、子供向けの物語とされるこの作品の場合、まず書かれないだろう。
ただし「外典」を「げてん」とルビが振ってあるが、それは仏典を内典と見做す場合、それ以外の儒書などを指す読みで、キリスト教や聖書の用語では「がいてん」。また「トマスによるイエスの幼時物語」の説明で「トマスによる福音書」が出て来るが、この作品が書かれた当時は書名とわずかな引用文しか知られていないので言わずもがなだ。
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1890年の作である。イタリア語で読んでいて、内容が把握したくなり、和訳で読んだ。とにかく発表当時のピノッキオはダメすぎる人間(人形?)である。ちょっと世界文学的にみても、めずらしいほどのダメさであるなと思う。このダメさはそれはそれで考えさせられるもんである。
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2017年9月9日(土)に紀伊國屋書店梅田本店で購入し、同日読み始め、14日(木)に読み終えた。
「ピノキオ」で知られるこの物語の原作をこれまで私は読んだことがなく、おそらくディズニーの映画やアニメなどでも観たことがなかったのだけど、どういうわけかピノキオは人間になれなかったものだと勝手に思い込んでいて、恥ずかしながら本書で結末を知って驚いた。訳者による解説を読んで思ったのだが、もしかするとコッローディがいったん物語を終わらせた第15章までの話をどこかで見聞きして、それをピノキオの結末だと思い込んでいたのかもしれない。
特段の理由もなく、書店でたまたま目に入ったので手にとって読んでみようと思っただけなのだが、いろいろと悩み、落ち込んでいる現在の心境にちょうど適していて、いまこの時期に読むことができてよかった。
道徳的教訓を押しつけてくるような説教がましいところは鼻につくけど、それでもたまには自分自身を反省するために素直な気持ちになって読んでみるのもいいかもしれないし、鬱陶しいかもしれないけど子どもに読んで聞かせたい物語のひとつになるのかもしれない。
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いかに今までディズニーのピノキオに毒されてきたことか。もちろんそれはそれで面白いのだが、原作は輪をかけて面白かった。こんなひどい子供が変わるなんて。でもあとがきを読むと当時の世相や背景がわかって理解が深まった。
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ご存じディズニー映画の原作本。映画とは全く異なる残酷で荒唐無稽な冒険譚は大きな衝撃。
ディズニーアニメのイメージを持って読むとその落差に驚かされる。NHK の「100分de 名著」で取り上げられていたので購入。
イタリアでは著名な童話。聖書と並んで各家庭に置かれているというが、これだけ残酷な話が良く世間一般に通じるものだと思う。登場人物の多くが意地悪で自己中だし。簡単に人を傷つけるし。ちょっと不思議。最終的に人間になる結末が道徳的と言えばそうなのだが。
童話なだけあってとにかく読みやすい。言葉遊びなど訳者は大変だったようだが。
NHK の番組もこの光文社古典新訳文庫も頼もしい存在。本を手にするきっかけは色々あるが、この名著に辿り着けたことに深く感謝したい。
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モンテクリスト伯などにも19世紀イタリア統一運動は出てくるが、独立戦争に歳を偽ってまで参加した著者の共和制実現の期待は潰えた。15章結末でピノキオが絞首されるのはその象徴か?その際、教皇ピウスⅥに裏切られたこともあって、カトリック倫理への信頼は薄い、騙す猫と狐は聖職者かも知れない。本書の前に小学生向け教科書を執筆して当然ながら「愛国心:祖国のために武器を取って戦うのは国民の義務」と強調している。識字率の低さは民主主義国家を目指す運動家の大きな悩みで、生まれ変わって労働と学習で最後の人間化=独立国家国民入手
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最初のピノッキオは嘘をつくと鼻が伸びる。
というイメージだけで購入し読みました。
しかし、読み進めるうちにそれは物語の中では些細なものでしかないと気づかされました。
児童向けというのもあってか話の構成も一章ごとのページ数が少なくて読みやすく、忙しくて時間がない人でも読みやすいなと感じました。
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ディズニーのピノッキオを観たことがないので、世間一般のピノッキオと原作のピノッキオにどれほど違いがあるか分からないが、近くにいたら懲らしめてるタイプのガキんちょ。
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2ヶ月ほど前にディズニー+で実写版が配信されましたね。まだ観ていませんが…
今回はある読みたい本がありまして、その予習として本書を手に取りました。はじまりはじまり…
原作を読んだのは初めて。アニメーション版はうろ覚えだけど、ストーリーは意外と忠実寄りかも。
元はおしゃべりの棒っきれだったピノッキオが、ジェペットさんによって木製の操り人形へと生まれ変わる。生みの親を喜ばせようと「いい子」を目指し学校へ通おうとするが、行く先々で様々な誘惑に引っかかってしまう。「いい子」への道は激しく遠ざかり、九死に一生を得るような試練が彼を待っているのだった。哀れなジェッペットさんは、帰宅しない”我が子”を探しにとうとう海へと出るが…
ピノッキオ君の学習能力がダメダメ過ぎる(T . T) 何度も忠告を無視するし、あっさり誘惑に引っかかるし。子育て経験さえあれば「子供は一発では言うことを聞かないもの」と諦めもつくだろうけど、こちらはイライラさせられっぱなしで感情のコントロールが難しかった笑
主な読者層でピノッキオと同年代の子供達でさえ、これにはうんざりするだろうな。
ここまでボロクソ書いちゃったけど、彼は完全な悪ガキではない。誘惑に負ける前も後も、ジェッペットさんを必ず思い出し、何とか親孝行したいと願っている。そして一番の願いは「いい人間の子になる」こと。
彼の一助となったのは、コオロギに、旅の道中に出会う動物たち、そしてアニメーション版の「ブルー・フェアリー」にあたる仙女と、振り返れば結構いる。
ピノッキオが遠回りをしながらも改心していく様子から、子供が怠け者に身を落とさないよう導いてあげるのが大人たちの役目なんだなと再認識した。
注釈の内容も興味深かったりする。
例えばロバに変身する場面。「何でロバ?うすのろっぽいから?」というしょぼい推測をしていたが、かつてヨーロッパの学校では劣等生に対して「ロバの耳」帽子を被らせていたのが由来との事。
他にもフィレンツェ語にちなんだ命名etc.と、物語への間口を大きく広げてくれる解説が充実しており、読み飛ばすのがもったいなかった。
翻訳者の解説にて、著者がピノッキオを丸々自身に投影させていたという事実も判明する。ピノッキオが仙女を母親として慕ったように、自身も母親っ子。作中ピノッキオへの援助が多くあったように、文筆家になれたのも多くの支援者がいたから。そして誘惑にもろ弱く、アルコール依存や賭博癖が酷かった。
なるほど、だからあんな真に迫るほどのイラつきを観測したわけか笑 『ピノッキオ』は著者の自戒の書でもあるのか。
アニメーション版よりも暗部が点在しており、その濃度も高かったです。そのぶん続きが気になり、サッと読破できました。
さて、自分は次の目的地へと向かいます。ピノッキオ君のように道草も食うでしょうが、無事辿り着いた暁には真心を込めてレビューします。その日まで、皆様ごきげんよう…
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ディズニーの物語もしっかり見た事がなかったのですが、イタリアが好きだったので読み始めました。
初めはやばい奴だった、ピノッキオ。
物語が進むにつれてまともな奴になります。
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言わずと知れた、操り人形の物語。
世間で広く知られる、純粋なピノッキオが誘惑に負けながらも、本当の人間になるために成長していく、というイメージとは全く違う。
粗暴な操り人形が、誰の言うことも聞かず放埒に振舞う中で、仙女の愛と教えに従い、父を敬い、他者との支え合いによって、本当の自由と人間らしさを獲得する過程を描いている。
ある意味キリスト教的で、教養小説としては馴染み難いところもあるかも知れない。
しかし、インターネットの登場で他者との関わり方が変わり、一人一人に自立心や誘惑に打ち勝つ能力が問われる現代社会においても、通用する普遍的なメッセージ性があると思う。
ただ社会に求められるだけでなく、どうあることが本当に「自由」で「人間らしい」のか、改めて考えたいと思った。
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ディズニーのアニメのようなキラキラしたのは一切なく、大人も学ぶ事の多い本だった。
ディズニーのをイメージすると、奈落の底へ突き落とされる。
自分を律していく事の難しさと、様々な困難や誘惑を周りの良い大人たちに教わりながら沢山の教訓を学び、人間らしく成長していく過程が主になってるけど、1人じゃ生きていけないという事と、またそれが子供のピノッキオだから自分もまだ遅くないのかもしれないという希望が持てた。
親になる前の大人にも薦めたい一冊。
親とは何か、大人が子供にしてやれる事は何か。
また子供とはどんな生き物なのか。
様々な視点から沢山の教えを貰った、良い本だった。