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投稿者:ぺろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学、高校時代にコバルト文庫にはまっていろんな小説を購入していました。今はほとんど手元にない状態なのでまた読みたくなりました。
紙の本
コバルト文庫を思い出す
2023/01/31 18:36
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
コバルト文庫の歴史を主軸に半世紀の間、「少女小説」といわれるものの文化を担ってきたメディアを、網羅的にたどっている。
コバルト文庫と同時代を生きていた読者には懐かしく、少し引いたところから過去を見つめ直すことができる。
紙の本
労作です
2017/02/04 21:22
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前 往年の青春小説を読む機会があったが驚くほど説教くさくて投げ出してしまった事を思い出した。本当に小説はナマモノ。特に女性に向けたものは。少女の心に添った作品を送り出してきた皆さんの労苦に頭が下がる。
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刊行前、そして刊行後にタイムラインで熱く盛り上がっていて手に取りました。とはいえ、コバルトのことも少女小説のことも正直よく知らない自分が読んでいいものかと思いながら手に取ったのですが、すごーく面白かった。
「少女のための開かれた物語」、「新たな世界への入り口」として時代のニーズに合わせて柔軟に変化を続け、一時代を築きあげてきた文学史には残らない「少女文学」の歩み。
作家陣には現在では他分野で活躍する有名作家が数多くいたことなど、なるほどと興味深い記述がたくさん。
ほぼこの手の作品を通らずに小学校高学年からは大人向けの小説を読んでいて、書くことに憧れてはいても何も生み出せず書きかけの物語と書きなぐりの詩のようなエッセイのようなものばかり量産し、高校生になってからはロッキンオンジャパンとオリーブに傾向してきた人間として、同時代に行き場のない少女たちの居場所がこのようにあったのか、と思うと感慨深くなりました。
作家陣は憧れの存在であり、物語の世界に導かれて書き手を目指す読者たちとの交流も盛んだったというのはSNSどころかインターネット前夜の時代ならではなのかもしれない。
確かにあの時代のジャパンやHの読者投稿や文通募集コーナーを思い出しました。
中盤の「少女小説レーベルのBL」は現在BLにはまっている人間にはとても興味深いものでした。
コバルト=ライトなBLも扱っている、くらいのイメージだったので、ニーズに合わせてBLの人気作家を招いていたというのにはびっくり。
本文では触れられていませんが、朝丘戻さんは個人サイトからのスカウト組ですね。
新人賞経由でなく、BLが本流ではないコバルトで本誌デビューってやっぱり特異の経歴だったんだなぁ。(コバルトではBL以外も出されていますね)
近代に移ったころ、ボカロ小説/ケータイ小説、ラノベ/TL/ライト文芸まで視点を広げ、読者の年齢層やニーズの変化に合わせて新たなムーブメントが生まれつつあるというのも面白かったです。
確かに読者が社会人のTLはお仕事ものかお姫様ものの二極化に見える…のは、癒しと刺激が求められている証なのですかね。
姫嫁ブームに関しては「タイムラインでみた」笑
自身はBLとライト文芸の中間くらいの立ち位置の書き手のつもりでいるのですが、タイムラインの比較的の世代の近いファンタジーの書き手さんたちの源流がいまも脈々と流れている場所なんだな、と、近くて遠い世界をなぞっているようでとても面白かったです。
「少女」に寄り添い、語りかけるための物語にはそこでしか果たせない役割があり、それは大人になったからといって「卒業」を促されるものではない。
なんどでも回帰できる場所があるというのはまばゆいものだなぁと思いました。
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読んでいる最中にふと、昔読んだ「理系白書」の中にあった「理系の人間のあいだでは知識はシェアされやすいけれど、理系の人間は非理系の人間へ説明するのが苦手なひとが多いから、理系的な知識を理解できる、非理系の人間への説明のうまい人材が求められている」という箇所を思い出しました。
アカデミズムをここまでわかりやすく、しかしクオリティを失わずに書けるのは、すごいことだと思います。
内容についてもそうですが、まずは作者さんのこの才能を高く高く評価したいですし、この本を書いてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。
私自身も、気づけば少女小説を読んでいた身なので、内容のすべてではありませんが、当事者(=消費者)として存在していた時期があり、なるほど、そういう世の中の流れに巻き込まれていたのかと納得しきりでした。
少女小説がどのような作家を輩出して、どのような作品が多く作られて、どのような歴史を迎えてきたのか、という事実ももちろん面白いですが、時代背景の移り変わりが実に面白かったです。
良妻賢母にならねばならないことが決定している時代のモラトリアム、開放感に溢れた時代、閉塞感にあえいでいる時代、不安定で不透明なものを嫌がる時代、社会進出に心踊らせる時代。
それはつまりは、日本の女性史でもあるのだなあと感慨深く思いました。今、世の中の女性が「当たり前」だと思っているいちいちは「当たり前」なんかではなくて、その当時の女性たちが悩み葛藤し、主張したり隠れ蓑を見つけたりして作ってきてくれたものなのだなと、改めて思った次第です。
口には出せない悩み事や、親しい人間には(だからこそ)聞けない内容があって、それに対する答えを求めるのは健康的な精神なのだなと思います。そして、小説は、そういう悩み事に直接的・間接的に答えを与えてくれるものなのだなと。
少女小説の多様性が失われてきていることは、数年前から意識せずとも感じていて、それが個人的には少女小説(特にコバルト文庫)から離れる原因のひとつになったなと思っています。
これまでの歴史の中で、何度も変革と変貌を続けながら、でも核の部分は変わらずに(一番最後にあった、久美沙織さんのおっしゃる「寄り添う」がそれに当たるのかなと)、これからも変わり続けているのかと思うと、これからまた多様性も戻ってくるんじゃないかと期待が持てました。
最後に。膨大な量の資料を、ここまで綺麗にまとめるためには、膨大な時間と膨大な力が必要だったと思います。それを考えると、本の値段は安いと感じました。
あと、章ごとにページの上部に入っている模様?が違うのですが、それが往年のコバルト文庫を思い出させてくれて、とても好感的でした。
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私がコバルト文庫をシリーズ・ブランドとして熱心に読んでいたのは、中学生から高校生のほんの入り口くらいの期間だったと思います。雑誌『Cobalt』を買っていたのがどれくらいの期間だったかは、思い出せないのですが。
私が熱心な読者だった時期に当てはまるのは『80年代少女小説ブーム』の、ここで書かれている『四天王』4名や新井素子氏がコバルト作家の中心だった時期ですね。高校後半くらいから、読書の傾向が一般小説やミステリに移行していき、コバルト以外のレーベルには手を出したことがありませんでした。氷室冴子氏、新井素子氏といった、特定の作家さんの本は読んでいましたが。
そのもっと前の時代から、まさに今、2016年頃までの約半世紀に渡る少女小説の状況の移り変わりの、時代の変化を踏まえた分析結果は、ほんの一時期の読者でしかなかった自分にとっても、興味深く読めました。もちろん、自分が愛読していた作家さんや作品の名前がバンバン出てくる時期の箇所が一番楽しかったです。
そして、私自身が好きな傾向と、ちょうどその時のトレンドと、自分の年代とがぴったり合っていたんだな、と、改めて思い、幸せな時期を過ごせのだと思うと、なんだか感慨深いです。ま、自分が10年遅く生まれていたら、それはそれでその時のトレンドに乗っていたかもしれませんけどね。
また、出版業界も商売ですから、ちゃんとその時代に売れるものを模索し、売ろうとして仕掛けていった結果の栄枯盛衰みたいな部分も面白かったです。
終盤のボカロ小説、ケータイ小説、ラノベ、TL、ライト文芸までくると、全く触れていない領域なので、ふとした記事なので言葉を聞いてもピンとこなかったのですが、こういうものだったのかと、勉強に(?)なりました。
色々懐かしくなったので、当時の愛読書を再読してみようかしら、という気持ちになりました。
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後半は斜め読みになってしまったが、懐かしい作品の当時の位置づけや、その後の少女小説の流れがわかってなるほどなるほどと面白く読みました。私は割とメインストリームを行ってるなと確認。
個人的には有川浩の作品やトワイライトシリーズなども少女小説の範疇ではなかろうかと思ったりもします。
次に夢中になって読めるシリーズに出会えるのはいつになるだろう。
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少女小説とは何か。
ライトノベルとは何が違うのか。ライト文芸ってなんだ。
好きな作家さんが少女小説のどこに位置付けられているのか、俯瞰してみること、全体的な流れを見る分にはすごく面白い。
こんな作品があったのかー、とか。この作品完結していたのか、とか、いろいろと楽しむポイントは多い。
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図書館より。
珍しく、真面目にしっかり読了。
非常に面白い。多分、作者と年がそんなに変わらないせいか、大体分かるから(笑)。
コバルト文庫やティーンズハート、ホワイトハート。ガッツリ読んでたぞ。読書から離れていた時期に流行っていた姫嫁やボカロは知らないけど、その後の集英社オレンジ文庫は読んでるぞ!(今現在)
自分の読書遍歴と照らし合わせつつ、懐かしい作者さんや作品のお名前に出会えるのが、嬉しかった。
読み返したいけど、入手困難だし(当時の紙媒体で読みたい)。それ以前に昔のような感性がないから、難しいか。
年はとっても、面白い本は読みたい。「少女小説は死なない!」と叫ぶ勇気はないけど(笑)、やっぱり本が好きなんだな。
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戦前戦後の文学的少女小説から、70年代少女漫画の台頭で変わる物語の嗜好、80年代の等身大物語や、男主人公やファンタジー色が強まる90年代、その後ラノベとの差別化でまた乙女チック路線に揺り戻しがあったり…となかなか興味深いのでした。 読者層の年齢が上がっていくにつれ、学園ものよりファンタジー舞台の職業ものになったりしていく00年代以降、そして現在は一般文芸とラノベの中間の日常系ミステリなどの「ライト文芸」が流行ってる、という。なるほどー。
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コバルト文庫をメインとしつつ、戦前の「少女倶楽部」「少女の友」からボカロ小説、ネット発系まで幅広く少女小説の変遷をまとめている。
本屋や新古書店に入り浸っていたので、なんとなく「あの頃はああいう系統が流行ってたっぽいなあ」「あのレーベルはこういうのが多かったなあ」というイメージはあるのだけど、個人的には少女小説系には触れるのが遅かった(富士見・電撃辺りのラノベが先だった)ので、まだまだ名作に出会っていきたい今日この頃である。
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少女小説の登場から現代にいたるまでの、人気ジャンルや作家の移り変わり、新レーベルの誕生と廃止、時代やレーベルごとの特徴などを細かく論述している本。ほとんど研究書レベルのクオリティ。私がほとんど知らない80年代の少女小説界隈の熱気が伝わってきて、歴史を記述する意義を再認識することができた。古くて懐かしい作品もちらほら登場し、少女小説を読んだことのある人なら楽しんで読めると思う。
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少女小説というものありけり。
コバルト文庫は「マリみて」くらいしかお世話になっていない……角川ビーンズ文庫派でした。ビーンズ大賞初期は大体制覇していた件。そういえば最近ビーンズ変わったなとは思っていたけれど。
コバルト文庫を中心に、いわゆる“少女”を対象にした小説の流れを解説。講談社X文庫ホワイトハート懐かしい。「姫嫁」って、ええそうなんだ、一人に愛される方がいいんですか最近。私はよりどりみどりのハーレムモノの方が慣れているからやはりちょっと世代が古くなっているのか。(別にお気に入りキャラが振られてもいい、自分で幸せになる道を模索するし)(そして二次創作へ)(あ、ここらへんはもしや夢か腐かの分かれ道に関係するのでは)
コバルト関連で言うならば、意外と今集英社オレンジ文庫が好きだなと思っているので、もしかしてコバルトは読んでいたら好きだったのかも。「伯爵と妖精」シリーズって気になっていたのに読めていない。ビーンズの「シュガーアップル・フェアリーテイル」「貴族探偵エドワード」「身代わり伯爵」あたりも気になっているのに。電子書籍を始めたら、たぶんここら辺の文庫一気に買ってしまいそう。そういう電子書籍の流れはどうなのだろうか、あまり言及がなかったようだが。ある意味BLとか手に取りやすいと思うし、長期シリーズ(最近は長期化しないらしいが)の一番のネック・場所が解決するし。
新しい流れが起これば、それまでの読者は離れる。でも、新しい「読者」が現れなければ? 少女小説の大きな岐路が来ているのかも。
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コバルト以外の周辺レーベルも含んだ、少女小説50年史。私にとっての特別は新井素子、氷室冴子、久美沙織あたりだけど、ティーンズハートの方もタイトルで思い出す作品が結構あった。折原みととかあの頃すごく流行ってたよね。
若木未生、前田珠子、桑原水菜らの登場で、ファンタジー系ジャンルが台頭してきた流れも懐かしかった。前田珠子「破妖の剣」シリーズが完結ってツイートを以前見たけど、初出1989年だよ、すごい。読み続けてた友人に、未完にならなくて良かったねと言いたい。
近年の姫嫁ジャンルやボカロ小説の話は、あまりよく知らなかったので興味深かった。姫嫁系では安心感のある作品が好まれ、三角関係すら歓迎されない(推し側がフラれると辛いから)ってくだりとか。そ、そこまでかー。
「居場所」としての少女小説に助けられた1人として、Cobalt 休刊を含めた現在の厳しい状況は寂しく思う。いろんな要因が分析されてると思うけど、私が当時との違いを強く感じるのは、乙女ゲーと pixiv 二次小説の存在かな。乙女ゲーは能動的に物語に関わることができるから前述の三角関係問題も回避できるし、pixiv にはびっくりするくらい多様な需要とそこから生まれた供給があるし。
新しいコンテンツが登場する中で、少女小説も変化を迫られていると思うけど、その時々の読者の心に寄り添う基本スタンスが変わらなければ、なんでもありでいいんじゃないかなぁと思った。
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色々と昔のことを思い出しながら読んだ。面白かった。学園恋愛モノと可愛い女の子が好きだったので、90年代のBL流行りが本当に辛かったこととか、少女小説難民になってラノベを読むようになったこととか(その後、桜庭一樹に出会って救われた)。そんな感じでアラフォーになってしまった今は、ライト文芸の流行と、オレンジ文庫刊行はうれしかったなとか。2003年当時マリみて面白かったなとか。本当に色々と思うことがあった。