African Queen: A Tribute To Horace Silver【CD】

1968年作品『Serenade to a Soul Sister』、69年作品『You Gotta Take A Little Love』といったホレス・シルヴァーの作品に参加したベーシスト、ジョン・ウィリアムスによる恩師ホレスへのトリビュート作品。

ホレス・シルヴァーのバンドに参加した時はまさしくキャリアの初期。ホレスには多くのことを学んだようです。たとえば、音の選び方、イントネーション、そして音数でなく表現力でリスナーの心に残る演奏をすることの大切さといったこと。演奏は正真正銘のハードバップ。ホレス役となるピアニストには、数々のビッグバンドで活躍し、トリオ作は日本でも人気を博したオリヴァー・ケントが参加。シルヴァーが愛したクインテット編成で、ホレスを呼び起こすようなファンキー・ジャズを100％ストレート・アヘッドな演奏で聴かせてくれます！ そこには、ブルー・ミッチェル、ジュニア・クックによるフロント迎えた絶頂のクインテットの世界に肉迫する気合いも感じられるというもの。ちなみに2曲で参加するジェシカ・ウィリアムスはピアニストとは同名異人で、ジョンの奥様であるソウル・シンガー。名バラード「Peace」からファンキー・ナンバー「セニョール・ブルース」まで3曲に参加。録音したのは2012年のため、この時ホレスはご存命でしたが、ホレス亡き今、その遺志を伝える演奏に、縁も感じる一作です。

John B. Williams (b)
Jessica Williams (vo on M-3,6,9)
Andy Middleton (ts,ss)
Lorenz Raab (tp,flh)
Oliver Kent (p)
Klemens Marktl (ds)
Felix Doku (perc on M10)
Llew Matthews (arr)
2012年録音