紙の本
所詮、イデオロギーの人
2011/09/19 10:39
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トグサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
保守系の人とは、勿論、認識していたが、偶然、図書館で借りた本がよく、ほかに購入した主に海外の作品を扱った本も思いのほかよかったので、著者が文壇にケンカ売る覚悟で書いた、また並々なる決意で書いたというようなことを述べる本書を購入した。
購入して心外だったのは、まず扱われているのが日本作家のみだということ。
そして、何ですか、このペラペラの内容は??
そこらのHOW TO物程度しか書かれていません。
これが、究極のブックガイドですか??
別に、点数付けが悪いといっているのではありません。
点数付けのほうが、読者にはわかりいいとは思います。
が、添えられている文章が、この程度では何もわかりません。
で、石原慎太郎と大江健三郎の項目を見て、あ~、やっぱり、この人、イデオロギーの人なんだなぁ。
今の文芸評論家で、論文の真意をつかめず、皮相な部分のみ拝借する程度の知性の持ち主を擁護するのは、おそらく彼くらいでしょう。
ただ、石原、大江の各作品の点数は、なんだか正直に反映しているような・・・。
この手の論客、必ず、三島、川端が海外で高く・・うんぬんをいいたがるのですが、それは、単なる彼らのエキゾチシズムによるもので、文学の価値とは全く別のものである。
それが近代文学、現代文学に反映しているか否かは別にして、日本には『源氏物語』などの宮廷文学、『平家物語』などの、もののあわれを描いた作品、『今昔物語』と多種多様な形式の物語があります。
江戸時代にもあります。
いい加減、川端や三島に代表させるのは、やめてもらいたいです。
目次だけは、面白そうだった解説本まで買ってしまった僕は、全くバカを見た。
念のため言っておきますが、福田和也のほかの作品も読むに値しないなどといってるわけではありません。
紙の本
客観的説得性の欠如
2004/05/02 10:39
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投稿者:13オミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
点数で序列化は素晴らしい。きちんと序列化の意義を冒頭で論じている点は評価される。できれば偏差値のほうがわかりやすかったかな。標準偏差を出すのはかなり難しいけど、偏差値40じゃ売っても意味ないねとかって家庭で母親からさんざ言われる受験生の辛さがわかるかも。
ところで、蓋を開けてみると内容はお粗末の一語に尽きる。受験生がもし偏差値40しかなく偏差値60の学校に入学するためには学力をどこまで引き上げるのかを細かく指摘した上の指導をしなければならない。この生徒はどの科目が出来ないのか? どの単元が弱点なのか? 合格のためには、どれくらいの割合で解けなければいけないのか? もし、福田氏が文学の将来を憂うのであれば、そこに言及しなければならなかったはずである。
点数で序列化するのであれば一定の尺度に基づいた客観的説得性がなければならない。テーマの普遍性・論理構成の確かさ・キャラクターのユニーク度・独自性などといったような尺度内容の細分化がない。単なる福田氏の主観からくる感想で終わっている。これで作家の値うちを論じるなどとは笑止だ。主観偏向とはいえ、普遍的な論理の枠組みを押さえて言うのと言わないのとでは全く異なる。やるからには徹底してもらわないと。
この本で読みたい本を探そうと思っていたが、読みたいと思えるような指摘がなかったことも残念だ。書評ではなく作家の値うちを計るのだから仕方ないが、点数の高い書籍に関しては、読者が読みたいと思わせる言葉を連ねるべきだったと思う。
こうした採点は採点されたほうがカチンとくる。内容はどうしても皮肉の要素が強くなるが、笑いを散りばめるという所作が必要だと思う。バランスだ。それが全くないので救いがない。切り口は面白いのに、内容が面白くない。
時間はかかってもいいから以上のようなことを含めた作家作品の検証をどこかでやってもらいたいものである。
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これは秀逸ですねー。作家もすごいが、出版社もすごい。とても率直に、辛口に評価しています。あの作家がこんな点なんて……と驚く場面続出。思わず読みたくなる本急増。
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ミシュランガイドのように判りやすく、身も蓋もなく、現代エンターテイメント作家と現代文学作家100人の作品を点数付けをし、発売された当時話題を呼んだ本です。
一人の作家につき平均六作品ずつ批評してあるので、まさに本を選ぶときのガイドになります。
では中でももっとも私の心に残った一文を抜粋しますと・・・六本木で雨の中で酔いつぶれている男に、「あんた、ハッピーじゃないじゃない」などという言葉使いでオートバイに乗った娘が声をカかける・・・こうした光景に耐えられるのなら、あなたは藤原伊織の作品に近づくことができる・・・
で、できない・・・
ちなみに各作品は点数付けがされていて、90点代の作品は世界文学の水準で読みえる作品。30点以下は人前で読むと恥ずかしい、もしも読んでいたら秘密にしたほうがいい作品。などと細かく面白く分類されてます。もちろん上記の人の作品は・・・
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ぽっちゃりだけど実は若手の論客にして書評家の福田和也が存命の作家100人(エンタメ&純文両方)の作品計数百点に点数をつけてみるという壮大な企画。これは・・・勇気は買うが正直あんまり面白くない。というのは100点満点でつけられても、1点の重みがわかんないから。それからいろいろ極端なんだよなあ。あと石原慎ちゃんをベタ褒めするのは何か政治的配慮を感じる。つまり何が言いたいかというと、点数評価という極端なやり方と、大胆に切る彼のキャラが合ってない。キャラが点数評価を選んだのかもしれないけど、普段おとなしい人がやれば面白いけど、普段から意気軒昂な人の点数なんかあんまり楽しくない。「後発で皆がやってこそ意味がある」と言っているのは分かるけど、それなら最初から共闘して何人かでやればよかったんじゃなかろうか。自分の好きな作家を酷評されて(例えば船戸与一とか)怒るのは芸がないけど、その基準のあいまいさゆえいに、腑に落ちない書評になっているのは確か。池澤夏樹の酷評は自分の感想に確認ができてよかったけど、読んだことある本で「それは言いすぎだろう」というのは多い。村上春樹の最高傑作はねじまき鳥クロニクルだというのに異論はないが、全般的に長編ありがたがりすぎな気もする。とりあえず漢字の勉強になったのでよしとする。もっと落ち着いた書評家にやってほしい。ってそんなのいないか。
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いきなり読むと筆者の好みもあるのでブックガイドとして頼るとその後の読書傾向に影響が出そう ただし筆致は冷静だし単純に読み物として面白い 悪趣味といえば悪趣味だがこういうことも重要
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発行当時の出版事情を知る上での良い資料。
発行当時に健在である主要作家を、エンターテイメントと純文学にわけて代表作と共に紹介。
評論家の著者の、褒めるだけではなく、時には厳しく辛辣な評価を、点数付で読める。
その評価に賛同するか否かは別として、本選びの手引きともし得る一冊。
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賛否両論ありますが、日本文学界を俯瞰する為の手引きになります。
山田詠美『色彩の息子』に出会えただけでも読んだ価値はありました。
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有名作家の代表作が100点満点で点数付けされていて、ブックガイドとしてよさそう。高橋源一郎の『さようなら、ギャングたち』が気になった。
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現代日本の作家を100人選び、その作品群についてそれぞれ100点満点で福田和也が評価する。
私はブックレヴューとして活用しています。本を買う時の参考にしたり、作家のバックボーンを調べるのにとても役立つと思います。
この本については賛否両論ありますが、私は賛成です。
ただ、ちょっと内容が古いのでこの10年で伸びてきた作家や発行された作品をカバーできていません。
わざわざ新しいのを買う必要はないが、古本屋で見つけたらぜひ買ってほしい本です。損はない。
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「悪の・・・」シリーズの作者ということでこの本を見つけました。ここまで赤裸々に(得点までつけて)文学作品を批評した本を私は他には知りません。なのである意味とても貴重な本だと思います。個人的に好きな作家だった池澤夏樹や島田雅彦を批判されたのは少し納得がいきませんが(^_^;)
2000年発行の本ですので最近の本についても批評したものが読みたいです。
読んでみたいと思った本
小島信夫「うるわしき日々」
山口雅也 「生ける屍の死」
佐伯一麦 「ア・ルース・ボーイ」「木の一族」
矢作俊作 「あ・じゃ・ぱん」
町田康 「くっすん大黒」「夫婦茶碗」
有栖川有栖 「46番目の密室」
北杜夫 「楡家の人びと」
吉行淳之介 「暗室」
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こういうのに高評価ってのもナンセンス、って思いながらも、好きなもんは好きだから仕方ない。20年以上もBURRNを愛読しているのも、レビューの存在が占める部分が少なくないし。ただまあこの本がやや弱いなって思うのは、同時多発的に複数人がレビューしていない、ってところかも。一人の意見をして”ああそうですか”は危険だし、また著者もそれを望んではいないだろうけど。ただの模倣はダメだろうけど、他の筆者による類書が見てみたいと思いました。あと、ここで世界水準と讃えられるほどの高い評価を得た作品群もかなり興味あり。ブックガイドとしても使えますね。これから先も、繰り返し手に取ることになりそう。
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50の作家の作品について100点満点で点数をつけて評価するのは野心的で面白い。著者はその作品に「文化的に意味があるか」、「テーマや手法に新しさはあるか」で判断を行っており、必ずしもエンターテイメント的に面白い作品が高得点なわけではない。その点は注意すべき。
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1ページ1ページ丹念に読み込む本ではないよと周りに笑われながらも全ページ読んだ。
当代きっての批評家の評価が100人分読めるわけで、これほどありがたい本もない。
矢作俊彦の評価が高かったのが嬉しかった。
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ずいぶん昔に買ったんだけど、たまに再読。なので新しめの作家はいないよ。
エンタメ、純文学に分けて、作家を論評。
えー、この作家好きなのにー