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投稿者:ウッドチャック - この投稿者のレビュー一覧を見る
静かで、美しい絵本。
淡々と進むお話に、気持ちが落ち着きました。
刻一刻と変わっていく山や水面の景色の描写が美しかったです。
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投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
だんだん森と湖の暗さが、よあけとともに明るく色づき、その色の変化がとても静かで美しく丁寧に描かれてて癒されます。
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山へ行かれないとストレスが溜まる私。そんな時にこの絵本を見てうっとりしています。
刻々と変わる空や湖や空気そのものの色彩が、静かに流れ光ります。静寂の中にしかし確実なうつろい。そして夜明けは変身の時なんですね。
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n:静かに、静かに…こんなに静かなのに、新しい一日が始まる。ラストの躍動感は素晴らしい!「感じる」一冊です。
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よあけ前の静かなときが、本当に美しい水彩で描かれていて、何だか気持ちが静かにすーっとなる本。おじいさんが全部ほほえんでいるのも、なんだかいい。
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ネットでお勧めしていた絵本でしたが、娘にはまだ早かったみたいです。
絵はとてもきれいで、娘が大きくなったらまた読んであげたいです。
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ユリ・シュルヴィッツの作品のすばらしさは、何といっても絵にあります。
文字があまりなく、絵で語りかけてきます。
夜からだんだんと明るくなっていき・・・
夜が明けるシーンの、一面の緑色は感動的です。
静のシーンを描くのが、とてもうまい絵本作家だなぁと思います。
唐詩「漁翁」をモチーフにしたというだけあって、日本人の心を働かすものがあるように感じました。
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漢詩『漁翁』(柳宗元)をもとに、ポーランド出身の作者が描いた本。静けさの中で、朝日がさすように勇気がわいてくる一冊です。
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子どもを産んでから評判を聞いて知ったけど、ラストに凄まじい衝撃を受けた絵本はこれをおいて他にはない!美しすぎる!
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暗く静かな夜明け前の湖畔でおじいさんと孫が毛布に包まって寝ているところから始まります。
やがて少しづつ夜が明け…二人は湖へ漕ぎ出します。
そして、突然。
端的な文、会話のまったくない静かな二人と静かな湖。
それだけで、自然の微妙な変化を表現していて、最後には驚くほどの感動があったのをおぼえています。
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文字はほとんどありません。絵が素晴らしい。よあけの空気まで伝わってきそうな…。読んで眺めてて心が晴れていく、紅子のお気に入り絵本です。
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唐の詩人柳宋元の「漁翁」をもとに書かれた文章と絵。東洋の香りがします。「静けさや蛙飛び込む水の音」と口ずさみたくなる場面もあります。息子は好きな青をベースにした色彩を見て(五味太郎の)「がいこつさん?」最後の夜明けのシーンには「夕方?」・・・冬になったら、夜明けというものを毎日見せてあげたいです。
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しーんとした湖。夜が明ける前。暗い、モノクロームの世界。そして夜が明ける。いきなり差し込んできた光がに反射した世界はこんなに鮮やかな色を隠してたんだ!と気づく。
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ごめんなさい、絶賛します。おすすめします。読んで下さい。描かれているのは、山々に囲まれた静かな湖畔の夜明けの様子。1枚の挿絵ごとに言葉が添えてあるのだけれど、絵の邪魔をまったくしないので、さも挿絵が読者のなかに染み込んできて、言葉よりも前に理解させられたかのような錯覚を覚えました。夜の闇ににじむものものの境界線の描き方、水墨画のような世界の奥行きにすでに心奪われてしまうのに、夜明けの瞬間の1ページは、誰をも鮮やかな気持ちに染めてしまうこと間違いないでしょう。こんなに絶賛すると読んでもらえないかもしれないけれど、本当に、美しい絵本です。(BOOKPACKER)
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はじめてこの本に出合ったのは、たしか7〜8歳の頃だったと思う。
年の離れた従姉(いとこ)が、遊びに来る時には必ず絵本を持って来てくれ、そのセレクションの一冊だった。当時、もう大学生くらいだった彼女のセンスはちょっと大人びていて、『なかないでくま(フランク・アッシュ作、岸田衿子訳、佑学社、1980。)』や『たんじょうびのふしぎなてがみ(エリック・カール作・絵、もりひさし訳、偕成社、1978年。)』など、海外の本が多かった。
もちろん子供向けなのだが、絵の色遣いやテイストになにか異文化の匂いを嗅ぎとり、臆病だった私は「すてき!」と思うより前に「怖い」という違和感が先に立ってしまった。ただ、「怖い=興味がない」のではないところが不思議で、この時期に彼女にもらった本はどれも記憶の中にばっちりと色彩と構図が残っている。本の詳細というより、「この本はこんな色で、こんな感じ」と大雑把に、でもたしかに刻み込まれるように残っているのだ。
そして、『よあけ』は「絵がぼんやりして、青い本」が私のイメージだった。
おもて表紙とうら表紙は、薄紺のふちどりに青黒い色で構成され、「よあけ」のおおきな文字。見返しは、沖縄の海のような明るい青緑とゆるやかなグラデーションを経た青×黒の太いラインが交互に組み合わされている。全体を通して、暖色系の色というものがほとんど出てこない。はっきりと、絵の中で赤系の色が用いられているのは、おじいさんが熾す火のシーンくらいだろう。
でも、絵全体の雰囲気が温かいのはなぜか。東洋の文芸・美術にも造詣が深かったというユリー・シュルヴィッツの山水画のようなタッチ、そして基本色を緑〜青〜紺〜黒とする絵のふちに塗り重ねられている下地には、朱色、ピンク、黄色が淡く透けているのだ。
この本に、さしたるストーリーはない。夜明け前の湖が、日の出を迎えるまでの時間を描いた作品。唯一、人間の登場人物であるおじいさんでさえ、彼らはなぜここにいるのか、なぜおじいさんと孫なのか、どうして湖を渡るのか、そういったことにいっさい触れられていない。突然、嵐が来るわけでも、日が昇らないわけでもない。ただ、湖と自然の植物や生息する生き物、そしてボートで漕ぎだす祖父と孫を、よあけの時間がやさしく淡々と包み、時が経過していくのだ。
夜が明ける前の真っ暗な時間、白い画用紙にぽたっと絵の具を落としたような大きさで描かれている絵が、徐々に大きくなり、のぞき眼鏡の向こうになったり、湖面になったりする。場面を変えずに、繊細で巧妙な遠近感で読み手の目線が変えられ、静かなクレッシェンドが抑えめな日本語に乗せて忍び寄る。まるで音のないラヴェルのボレロのよう。
けれども、そのクレッシェンドは攻撃や脅えを感じさせるのでなく、私たちに朝の喜びに向かっていく期待を運ぶ。
徐々に、徐々に。
そして、最後の一ページ!
子どものころは表現できずに「強いインパクト」でしかなかった感情は、今や大人となった私の涙となって溢れた。