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お金持ちの建築道楽旦那が自分の流儀を貫き、常識を無視して、長い年月をかけて、造り続けた自宅が”二笑亭”。その間に主人は精神の均衡を崩し、二笑亭はそれを反映して、常人には理解しがたい様相を呈していった。本人の日記に基づいた二笑亭主人のバイオグラフィ的な章、二笑亭自体を考察する章、復元模型の写真等、単に奇人をおもしろがるだけで終わらない、読みごたえのある内容。
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ヤバイです。これ読むとしばらく二笑亭病になります。道々でなんちゃって二笑亭を探してしまうんです。読み終えた後、薄ら寒くなります。
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昭和のはじめ、「赤木城吉」なる人物の作り出した、不思議な家。
役に立たない梯子、使えない押入れ、板の節穴に嵌めこまれたガラスなど奇怪な代物。精神分析医・式場隆三郎がまとめ、その後建築探偵藤森照信、赤瀬川原平氏などが再び「二笑邸」を検証したもの。時代を超えてもまだ人をひきつけて止まない「二笑邸」。
「暗黒館の殺人」の資料としても使用される。
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いやぁ、これを読んだのは確か20歳そこそこの頃だったんだけれども、まあ、しかし、本当に感心しちまいましたよ。すごいなあって。コツコツ頑張ろうと思いましたもの。ただの奇人変人ではないのですよ。技持ってます。腕持ってます。金も持ってます。読みながら、一体どうしたいのさ、どこがゴールなのさと思わず二笑亭に問いかけてしまう。本物を見たかったぜ、住みたかったぜ、くっしょうと心から思います。
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精神分裂症の資産家が実際に作った奇想天外な家の実録。とてもおもしろい本なんだけどもう絶版みたい。残念。
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松山巌『乱歩と東京』で言及されていて、ひどく興味を惹かれた「二笑亭」についての本。
昭和初期、東京の片隅に現れ、未完成のまま解体されてしまった奇怪な屋敷と、その主について、
精神科医・式場隆三郎が纏めた記録を、子息・式場隆成が受け継ぎ、
更に藤森照信らが専門家の見地から補足した「定本」。
過去、一時期、現地から程近い場所に住んでいたにもかからわず、
そんな屋敷があったなんて話は全然知らなかった。
現場付近を歩き回ったこともあったのに……(泣)
関東大震災後、エキセントリックな地主が金に飽かしてケッタイな自邸を建築したわけだが、
彼=渡辺金蔵の思考回路を推し量りつつ謎を解き明かしきれなかった父・隆三郎の仕事を
息子・隆成が引き継いで取材・推理し、ほぼ正解に辿り着いたようだ――
という評伝リレーに感動した。
『乱歩と東京』でのザックリした説明(本筋からの脱線部分だから致し方ない)を読んで、
渡辺金蔵がひどく心を病んでいた印象を受けたのだが、
どうやらそれほどでもなかったらしい。
本人の頭の中は意外に理路整然としていたのだけれども、
家族や工事を請け負った職人たちへの説明を省き過ぎてしまって
理解を得られなかったのでは?――と感じた。
いや、碌な説明もないまま蕩尽されては、身内はたまったもんじゃなかったと思うけど(笑)
それにしても、
豊富とは言えない資料を元に1/50スケールの全館模型を作った岸武臣さん、凄いっ!
しかし、最大にして最高の道楽ですよね、理想をそのまま実体化した自宅建築って。
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昭和初期の日本におけるダダイズム、表現主義、アバンギャルドなどなどの影響が見て取れる建築物と言えるでしょう。また、茶道の一部が持つバサラ的な心意気を建築物に取り入れたとも言えるでしょう。
是非、現物を見て見たい、 誰か、普請道楽の成金の方が、二笑亭を再建してくれないか、と願わせられる本です。
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まるで江戸川乱歩の世界のような、実話...。
とにかく、面白い...。
http://blogs.dion.ne.jp/k_nakama/archives/11383276.html
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めちゃくちゃ面白かった。奇想天外な建築の裏に、茶道の心得を読み解く部分がとにかくスリリング。その「解釈」が正解か否かは分からないし問う意味もない。関東大震災によって崩れた秩序から、雨後の筍の様に湧き上がるさまざまな美意識にこそ、焦点を集めるべきかと心得た。