紙の本
ぜったいにおもしろい!
2000/11/15 01:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:らべんだあ - この投稿者のレビュー一覧を見る
五味太郎さんの絵本って、何か独特のものを感じさせますよね。そんな、五味太郎さんの味がたっぷり楽しめる一冊だと思います。わたしの一番のお気に入りは、小学校二年生の教科書にも載っている「おてがみ」についてです。先生の指導とは、一味も二味も違ったとらえかたがたまらなく好きです。ぜひ!おすすめ!
投稿元:
レビューを見る
子供の頃読んだ絵本を、五味太郎さんが大人の視線で再び読んでみたという本。大人が読むとまた面白い絵本の奥深さを感じる一冊。家に残ってる絵本を読み返してはいかが?
投稿元:
レビューを見る
五味太郎、やっぱり大好きです。翻訳絵本の話も載っていたので、絵本の文章を作るうえで何か参考になることが出てくるのではと思い、選んでみました。 まず、私はいままであまり深いところまで絵本と読み込んだことがなかったのですが、読み込んでいくと本当に面白いんだなぁと思いました。絵本は子どもの読み物だ、と思われがちですが、そんな考えが一蹴されてしまいました。さらに絵本を好きになれた気がします。 ...2007.02.01
投稿元:
レビューを見る
私はとにかく絵本を知ることから入っていったような気がします。
図書館の本を読んでも読んでも追いつかない。そんなときは、やはり、こんな本を読むほうが手っ取り早いんですよね(^-^)
投稿元:
レビューを見る
絵本作家が様々な絵本たちを満遍なく味わいつくす。その肥えた舌には、どんなごまかしも利かない。
五味太郎が絵本を読み込み、気に入ったもの、刺激をうけたものなどについて、思うままに感想を述べているのだが、その一つ一つに抜け目がなく、鋭い。この人の前では、全てが見透かされてしまいそうだと、間接的な文章という形式を通じても感じられた。魅力的な絵本というものは、簡潔さの中に、創造性や感性、深い哲学的な示唆を多分に含んでいるが、さらには、ことばと絵とが、どちらかがどちらかに依存することなく自立しながらも、お互いになくてはならないような絶妙な関係のバランスを保ち、一つの絵本として統合しているのだと思う。
そして、絵本のもつ、身体的なリズム感や生理的感覚と知的好奇心への刺激という、心身のダイレクトなつながりへの五味さんの指摘が面白かった。それにしても、とてもじゃないが、子供のころに、こうした絵本のもつ哲学性や創造性に気付くことはないと思う。しかし、わからないなりに、その魅力を子供が感じ取り、大人に何度も読み聞かせをせまったり、絵本の世界に没頭したりするのは、必ず大人になったときに、なにか思考やことばの表現を豊かにするのに影響を与えるだろう。
『よわむしハリー』の項で、因果論では説明できない、人の劇的な変化や人生の過程の一つ一つを、理屈抜きにそのまま認める態度の重要性への指摘があったが、これはユング心理学入門で河合隼雄が述べていた、whyという疑問の裏にある人間の心的動きをそのまま受け入れて寄り添っていく態度に似ているな、と思った。ただ、心的な動きを勝手な因果論にまとめあげて荒唐無稽な考えを作り出すのは危険だが、一方で心的な動きをまるごと受容しつつもただ具体的事象を記述していくのみでは、新たな思想は得られないので、適度に抽象化していくこともまた重要なのではないかと感じた。
また、この中で取り上げられていた絵本を読んでみたいと思い、忘れないために、気になった絵本と絵本作家をいくつか以下に挙げておく。●『キャベツくん』 長新太 文研出版 (ことばの流れと絵との絶妙な関係。長新太の魅力)●『ふくろうくん』 アーノルドローベル 文化出版局 (存在論。哲学的。)●『キミちゃんとかっぱのはなし』(『くまの子ウーフ』も) 神沢利子 ポプラ社(粋なかっぱの生き方。男女の妙。)○トミー・ウ(ア)ンゲラー(『すてきな三にんぐみ』、『キスなんてだいきらい』) ○佐々木マキ(『変なお茶会』)○ススギコージ(『エンソくん きしゃにのる』) ○片山健(『どんどん どんどん』)
投稿元:
レビューを見る
絵本の世界の深淵。描く立場にある人はやっぱり観察力が違うなぁ、と感心。25ページでいきなし深い底に落ち、何回も笑い転げた。しかしこれをもって原著にあたっても同じ感動を得られないのが不思議。これが感度の違いなのか。
投稿元:
レビューを見る
五味太郎がいろんな絵本をとりあげて、それについて語る本。懐かしい絵本や知らない絵本がたくさん出てきて、それだけで楽しい。絵本というのほほんとした物が題材にも関わらず五味太郎が毒を吐くので、独特のテンポが生まれて、やっぱり楽しい。
投稿元:
レビューを見る
絵本の解体本。
読んでみると、絵本って面白そうだと思わせる。
なかなかの毒。無夜はこういうの好きだ。
湿っぽい友情とか、読者を意識した孤独ごっことか容赦のない批評が続く。
全体に漂う寂しさとか。
これを読むと、その本が読みたくなる。
ほかにも例を挙げていろんな本が登場する。
読書幅を広げるにはいいんじゃないかな。
投稿元:
レビューを見る
最初の章「うさこちゃんとうみ」で大笑い。絵本作家ならではの切り口の絵本評論。どの章も正論。ふわふわさんが弁護士?などと想像さえしませんでした。
投稿元:
レビューを見る
対談だけど結構よませる。絵本をめぐる対談。まったく、子供ができるまでは絶対読まなかった類の本ではありますが。ローベルとか読んでみたい。
投稿元:
レビューを見る
解説の江國が言うとおり、語尾の感じがすこぶるいい。たしかにシャープだ。ここまで絵本をよんでみたことは私にはないぞ。あーだ、こーだ、と描かれていないものに想像をいたすのだが、それが私になるほどの連続を巻き起こす。
・絵本て、基本的に翻訳の「誤差」に耐えられるじゃないかと思っている
・すべての子どもに30÷5をわからせたい、跳び箱を跳べるようにしてやりたいという、教育的熱意というやつはいったい何なんだろう。それでいて、個性の尊重もへちまもないよ。
・どのメディアについても言えるけど、そのメディアじゃないと表現できないというのが頂点だと思う。それが『キャベツくん』
・残酷ではないから、残酷なことが描ける。病的ではないから、病的なことが描ける。社会的に成熟している人だからこそ、反社会的なことが描ける。
・絵本を読むと言うことは、絵を出発点としてどれくらいイメージを生むことができるのか。逆に豊かにイメージが生まれていく絵というのは、読者に対して多大な力を持っている。
・「ふり」というのは、いつも現実と個人の間のギャップを埋めるテクニック。
・絵本を読んで、よかった、おもしろかった、ためになった、はあるけど、幸せになったはなかなかない。
・わかる、わからないを問わないことがアートの世界の大きな魅力。
・気楽に一人でやっていた時はできたのに、先生が現れたとたんに、絵が面白くなくなることは実感もデータもある。
・結局、指導する側がするべきことは、最低限、己の欠点を自覚できるようにしてあげること。
・良い本なんてない、良い読み方があるばかり。
・いい本って、人に薦めたいと思うと同時に、教えたくないって思う心も必ずある。
・絵本をよむではダメ。絵本をよんでみるじゃなきゃダメ。
うさこちゃんとうみ
よわむしハリー
キャベツくん
キスなんてだいきらい
ふくろうくん
よあけ
ふたりはともだち
キミちゃんとかっぱのはなし
おっとあぶない
かいじゅうたちのいるところ
変なお茶会
エンソくん きしゃにのる
どんどん どんどん
投稿元:
レビューを見る
絵本をよむ、というのはどういうことか。
絵が多くて活字が少ないからさっさと目を通そうと思えばできるけど、そうではなく、いかに豊かに読むか、という積極的な探索のようだ。
五味太郎の読みはすごい。なぜ『うさこちゃんとうみ』がさびしいのか、といったあまり明確には意識化していなかったことに焦点を当てた読み解きが始まる。絵本は生理に結び付いているという指摘はその通りで、だからこそウッ、って読めないときがあるのだと納得する。
最後の雑記はもはや対談として成り立っておらず、絵本をめぐるアフォリズムのようになってきている。絵本は子どもに読ませるにはもったいない、とまで言われたら大人ももっとよんでみたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
五味太郎氏がいくつかの絵本・児童書を深読みするエッセイ。
大御所なので、というか、五味さんのキャラクターからか、かなり上から目線なのだけど、まず、うさこちゃんをこんなに深読みできるんだ!というのに感銘。
自分が読んだことのある作品の部分だけの拾い読みだけど、自分では気づかないような視点の読み方がとても面白かった。