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限りなく五つ星に近いのだが、『ひとりっ子』と比較した時に、こっちの方が少し印象度で劣る。『ルミナス』が収録されている分の差とも言えるが。
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グレッグ・イーガンはかなり好きです。精神世界に近いものがあると思う。特にこの短編集は、素晴らしいです。
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「貸金庫」目が覚めると違う人がいて、違う人たちが違う名で私を呼ぶ。
それが数人でも、数百人でも、赤ん坊に区別はつかない。
これをフィクションとして読めた人は幸福です。
グレッグ・イ―ガンはアイデンティティをテーマに書く作家だから、ことごとくトリガーに触れてきます。
親という役目をする人たちがいるのだと理解したと文中にあるように、兄も私も、子どもを養うものという役目の人がいるのだと理解しました。
親と言う言葉が理解できたのは、兄は小学校高学年、私は中学生になってからです。
それぞれが違う呼び名をし、それぞれが違う要求をし、時に嵐が起き、時に平穏がすぎ、その中でアイデンティティをどう保つのか。
私は二十代で、よりどころとなるアイデンティティを失った青年の話を書きました。当時はまだ、無自覚だったのでそういう客観視ができたのです。
今は駄目。
今から創らなきゃいけない時期。
トリガー読書禁止なのに、どうしてこう当たりをあててしまうのかな。しかも、そういうものでないと、頭に入ってこないのはどういうことかな。
だけど、何とか治まってます。少しは進歩があるのだと自分で思いたいです。
力のある作者です。ただ、面白いかどうかは今のわたしには判断できません。
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文明が発達した未来社会。
肉体や魂の存在すらも限りなく物質化・経済化された世界における人間の生を描く短編集。
SF小説としてはかなりオススメ。
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「無限の暗殺者」が試読に最適。
イーガンを知らない人は立ち読みでもなんでもさっと目を通してみるとよい。
世界がどんどん崩壊してく派手な演出。
追っているはずなのにいつの間にか追い詰められているというプロットも短編に適している。
あ〜なるほど、並行宇宙をそういうふうに使うのか、と一発でわかる。
イーガンの多用するテーマの一つ、多世界解釈モノの入門編。
宇宙消失の様な長編にいきなり手を出して、拡散・収縮の話とかで躓いてしまうと読了すら危うい(それこそイーガンを楽しめなかった世界の自分になってしまう)。こういうワンアイデアの短編をいつくか読んで、好みに合うかどうか探っていくのが大人のやり方かと。
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貸金庫
キューティ
ぼくになることを
繭
百光年ダイアリー
誘拐
放浪者の軌道
ミトコンドリア・イヴ
無限の暗殺者
イェユーカ
祈りの海
解説 瀬名秀明
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イーガン作品は美しいです。深い余韻が残ります。短編集なので読みやすいけど、SF初心者には少しきついかもです。
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SF短編集。SFではあるけどメインテーマはアイデンティティかな。
とにかく巧みなアイディアに驚かされるけど、ちょっと取っつきづらい文章なのでハードSFに慣れてる人向けかも。そこを乗り越えれば面白いよ!
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初イーガン。難しいけど面白かった。表題作「祈りの海」がすごい。科学と宗教の折り合いはいつの時代もつきにくいんでしょうね…。「貸金庫」「キューティ」も印象深かったです。
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90年代以降では最高のハードSF作家のひとり、としてその筋ではつとに名高い作家の短編集です。90年代以降のSFは短編集の拾い読みぐらいしか体験したことのない鴨、どんだけトンガった作風なんだろうと心してページを開いたら、意外にも淡々として優等生風のイメージでちょっと拍子抜けしましたヽ( ´ー`)ノ最新の科学理論を生身の人間の日常レベルに溶け込ませて新たな視点を提供するのが、この人の作品の特徴のようです。科学理論なくして物語が成立しない点では明らかにハードSFでありつつも、物語の主眼はあくまでも人間ドラマ。がちがちのSFというよりも、昔ながらのアイデア・ストーリーといった方がしっくり来るかもしれません。
もう一つの特徴は、収められている短編のほぼ全てが「アイデンティティ」をテーマとしていること。冒頭の「観測される自己」とは、解説文を寄せている瀬名秀明氏がイーガンSFの共通テーマとして挙げている言葉です。実に言い得て妙な表現です。ストーリーの終盤でも明確なオチはなく、読者を突き放して考えさせるようなラストが多いです。イーガン本人のテーマでもあるんでしょうか。
鴨的に印象に残った作品は、「キューティ」「繭」「放浪者の軌道」「無限の暗殺者」あたりかなぁ。「キューティ」の主人公の気色悪さはSF史上に残るかもしれない(^_^;「繭」は「こういう視点でもSFが書けるんだ」という新鮮な驚き、「放浪者の軌道」は世にはびこる宗教の本質を突いた鋭さがそれぞれ印象的でした。「無限の暗殺者」はよくある多元宇宙ものではあるんですが、ここまで多元宇宙をダイナミックに描いた作品はなかなかないと思います。
でも何よりもインパクトがあったのは、登場する男性キャラの壮絶なまでの情けなさですね(笑)偶然の一致なのかイーガンが狙ってるのか、何故か女に振り回されて(しかも惚れ込んだ女でもなくただ惰性で付き合っている程度の女ヽ( ´ー`)ノ)自分では「やばい」と自覚しつつもずるずると自滅していくパターンの主人公が何と多いことか。ひょっとしてイーガン自身もそうなのかヽ( ´ー`)ノ人間ドラマに重きを置いている分、この情けなさがまたイヤにリアリティがあって尾を引くんですよ。最たる者が、「キューティ」の主人公です。ここまでくると、情けないのを通り越して腹立ってきますね。
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イーガンさんの短編です。
キューティを読むたび、
肉体は弱いもので魂だげ不滅だ
っていう某映画の台詞が頭に浮かぶ。
しかしながら、人間というやつは魂だけでは触れ合えなくてイレモノも必要なんです。
だから貸し金庫の主人公は自分自身について彷徨い続ける。
この人の物語からはプラトニック過ぎるというか、バカ正直すぎるものが詰まっている。数学者のさだめなのかな?
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いまSFを読み漁っているけど、
グレッグイーガンの作品が一番いい気がする。
抵抗なく読めて、いろいろなことを考えさせられる。
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進みすぎたテクノロジーと、それに置いていかれた人の精神を取り扱う、イーガンならではのセンスが光る短編集。
あらすじを語ること自体がネタバレになってしまうので、実にもどかしいのですが…。
短編集の一話一話の密度が濃く、どれも考えさせられます。
「ぼくになることを」を読んだショックは相当なものでしたし、
「貸金庫」は今まで読んだSF小説の中で一番ほろりと来ました。
紙面には、幾何学や量子力学の話題がばらばら出てくるので、一見読みづらいと思うかもしれませんが、そんなのは雰囲気作りの装飾です。本質はもっと分かりやすくて、不可解なところにあります。最初は苦痛に感じるかもしれませんが、是非読み通してみてください。
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しあわせの理由に先立つ短編集。楽しみにしていた作品だ。
なかなか面白い「貸金庫」、人口赤ちゃんの話「キューティ」、脳のスイッチを描くディック風の「ぼくになることを」、発想は面白いがイマイチの「繭」、未来日記がテーマだがひねりが見られない「百光年ダイアリー」、脳のコピーを題材として面白いのだがオチガイマイチの「誘拐」、意味不明の「放浪者の軌道」、わからないでもないが乗り切れない「ミトコンドリア・イヴ」、ほとんど読み飛ばしてしまった「無限の暗殺者」、同様に読み飛ばした「イェユーカ」、表題作かつ中編並みの分量を誇るものの感性には訴えない「祈りの海」。
どうも私はイーガンとは相性が悪いようだ。
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短編集。
どれも人のアイデンティティを問うような作品で、アイデアは素晴らしく、雰囲気も良いです。
最初はとても楽しく読んでいたのですが、どれも同じようなテーマ、展開、結末でだんだん飽きてきてしまいました。