紙の本
社会的共通資本の重要性を指摘した本
2001/01/29 22:12
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投稿者:WAKU - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は「豊かな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力のある社会を安定的に維持する」ためには、自然環境・社会的インフラ・制度資本(教育、医療、金融、司法、行政)などの社会的共通資本の整備が必要と主張する。そしてその管理・運用には、市場の論理や官僚の支配ではなく、専門家の職業的規律に従わなければならないと言う。
これら社会的共通資本や公共財の最適供給問題は市場や官僚にまかせっきりではいけない、との指摘は意義のあるものだ。しかし、肝心の具体策に対して、「専門家による、専門的な観点からの運営・管理」とお茶を濁すのはいただけない。
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1月?
社会的共通資本という初めて聞く言葉であったが、この言葉の持つ可能性を本を読む中で感じた。社会的共通資本とは、社会全体にとって共有の資産として、社会的に管理・運用されるものと定義している。そして、筆者はそれらの例として、農村、都市、学校教育、医療などを上げ、それらは職業的専門家によって専門的知見をもち職業規律にしたがって管理されるべきものとしている。2章以降では、社会的共通資本の例示をあげつつ、説明している。少し残念だったのは、その2章以降の内容が、個別の章としては大変興味深かったのであるが、章全体として社会的共通資本と一般化して説明していくべき必要性をうまく納得できる程説明がなかった。
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この本かなりお奨めです。そして宇沢さんの意見に賛成!
農業によりかかりすぎかな、という印象をうけるものの、このような経済と社会を結びつける視点がもてたらなぁと思います。
どこかできいたことあるぞ、と思ったらウェブレンの説をベースにしてるようですね。
2007,june
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とりあえず農業すごいのはわかった。
でも現代人は麻痺してるから、
土からでてきたばっかの野菜よりもそこらのスーパーでパック詰めにされてる野菜のがいいんだろう。
過程を観る能力。
これが私たちに欠けているのではないか。
だから、ちょっと斬新なこと思いつくと不安になるのだろう。
社会的共通資本を独占するのは誰の悪意か?
守るなら資金もそうだが良心の欠片を各人からかき集める必要があるように思う。
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拝借
えーーーーと
岩波新書だからかもしれないけど、何が言いたいのか分かりませんでした。。
ちょうどゼミで社会的資本?SC?やってるときに借りたんだけど、
読むの遅くなった上にこんな感想で申し訳ない。
前人と話していて、
当たり前のことを当たり前のように分析しなおす本とかはつまんない
という話があって、
そんなことをちょっとだけ思い出した。
幸せな状態とは「 ・・・ 」と定義していて、それにのっとって議論が進んでいくのだが・・・・
うーん。
多分導入本?
追記:違うところで新聞への寄稿を読みました。そっちはとても感銘を受けた。やっぱ導入本すぎておもしろくなかったんだな
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宇沢弘文氏が以前から提唱する「社会的共通資本」の考え方について、簡略にまとめられている。
社会的共通資本の領域については、無原則に市場原理・競争原理を導入するべきではないという視点は参考になる。
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期待していただけに残念。
現在の行き過ぎた資本主義経済に警鐘を鳴らすという姿勢には基本的に賛成だが、では具体的に何をしたいのかが伝わってこない内容であった。
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5月勉強会の課題図書
社会的共通資本とは、ゆたかな経済生活を営み、持続的安定的な社会を維持するために必要な資本。これを自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本といった3つのカテゴリーから考えることが出来る。
自分の言葉で置き換えるなら、「誰」のものというわけでなく、みんなで共有するような資本の総称。
議論がいきなり、感情的なものとなり、経済学的な知見から分析し意見されているのに、途中で破綻する話が多い。
良かった点は、新古典派→ケインズ→反ケインズという経済学の流れをざっくりと触れることが出来た点。
勉強会で話題となった部分。つまるところ、筆者の中で、「社会的共通資本」、「豊かさ」の定義付けがあいまいであるということ。そのため、議論していても途中でわけのわからない話に突入している。
まあ、こういう機会でもなければ読まなそうな本であったからよいか。
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[ 内容 ]
ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持する―このことを可能にする社会的装置が「社会的共通資本」である。
その考え方や役割を、経済学史のなかに位置づけ、農業、都市、医療、教育といった具体的テーマに即して明示する。
混迷の現代を切り拓く展望を説く、著者の思索の結晶。
[ 目次 ]
序章 ゆたかな社会とは
第1章 社会的共通資本の考え方
第2章 農業と農村
第3章 都市を考える
第4章 学校教育を考える
第5章 社会的共通資本としての医療
第6章 社会的共通資本としての金融制度
第7章 地球環境
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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こんな人間的な経済についての本を私は今まで読んだことがありません。
経済学の根本に立ち返って今のアメリカ追従の日本に疑問を提起する一冊です。
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ウエブレンの提唱した制度学派の考え方を基礎に、人間が人間らしく経済活動をするために必要な社会的共通資本について論じた著作。
マネタリズムの新古典派経済学派の対極にある考え方である。
経世済民、本来の経済活動はこうあるべきだと高邁な議論が展開されている。
社会的共通資本をガバナンスする資質を如何に育てられるかその社会のあり方が問われる。
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「エリノア・オストロム」でググったら二冊ヒットした。一冊は洋書で、一冊は「シェア」だった。どうしようかなとおもったら、「この本を買った人が読んでいる本コーナー」にあった。
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ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持する。このことを可能にする社会装置が「社会的共通資本」である。
この本でも触れられている「社会的共通費用」の概念はむしろもっと重要ではないかと思う。自動車の普及による公害、環境破壊、歩行者や子供たちがこれまでのように街路を安全に使えなくなってしまうこと等、本来所有者が払うべきコストを社会全体としてどれだけ被っているかを尺度化しようというもの。
これを読んでふと思い出したのが、CO2見える化による環境対策という名目で経産省が主導したカーボンフットプリント。実際は、売り手にとってコストが大きく、失敗に終わった模様。何となく棚上げになってしまった感があるけど、スウェーデンの炭素税導入のような国をあげた民主的なアプローチやAEONのレジ袋有料化などをもとに、負担する立場になって、社会的費用の回収を実行に移していくフェーズにあるのではないか。
また、都市、農村、医療、教育、金融制度などは「社会的共通資本」として見たときにどうあるべきなのかという点もそうだけど、電気やガス、水道等のようにこれからますます社会的インフラとして当たり前になりつつあるITはそもそもどういう役割を果たすべきなのか、代償として負担すべきコストはないのか・・等、本書をきっかけに改めて考えてみる必要がありそうだ。
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『自動車の社会的費用』で有名な宇沢氏の代表作の1つ。
「社会的共通資本」とは、「一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会装置」と定義される。
筆者は社会的共通資本としての①農業・農村、②都市、③学校教育、④医療、⑤金融、⑥地球環境のそれぞれの分野について役割を詳しく述べるとともに、現代社会の根深い問題点を指摘する。
そして最終的に、これらの社会的資本は市場原理主義や国家統制によって支配されるべきではなく、それぞれの分野の職業的専門家によって職業的規範によって管理・維持されなければならない
・・・と締めくくる。
社会的共通資本の重要性、特に自動車の社会的費用についての考察には大いに賛成。しかし、地方では自動車に頼らなければ生活できないのも事実。地方の公共交通をいかに整備し、美しい町を築くかというところまで踏み込んだ分析が欲しかった。
これからの日本社会をどうデザインしていくのか、どのような社会が持続可能なのか、考えさせられる一冊。
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社会主義及び資本主義に代わる「制度主義」の台頭の予測と、それを基づける「社会的共通資本」について解説した一冊です。
が、実際には「社会的共通資本の事例集」といった感じで、いまいち体系的な解説になってない気がします。おまけに一つ一つの事例も、主張が整理されていない感じがして、よーーーく噛み砕いて仔細に読まないと消化不良を起こします。
はっきりいえば「わかりにくい本」なので、まず社会的共通資本とは何か、を抑えたうえで読んだほうがいいかもしれません。