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虹の解体 いかにして科学は驚異への扉を開いたか みんなのレビュー

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みんなのレビュー11件

みんなの評価4.2

評価内訳

高い評価の役に立ったレビュー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2001/06/23 13:00

楽しい科学

投稿者:花梨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「利己的な遺伝子」や「ブラインド・ウォッチメイカー」など、遺伝子に関する研究で知られるドーキンス先生が、科学の楽しさを教えてくれます。
 タイトルは、ある詩人が虹の構成を分析したことについて、科学者を夢が壊れると非難したエピソードに基づいています。もちろん、先生は、それがいかに間違った考え方であるか、科学には科学の想像を書き立てる力があることを、力を込めて説明してくれます。そして、世間にあふれるエセ科学には、そうした魅力がないと遠慮なく叩きます。単に間違っているとか言うよりよっぽど説得力あります。難しい本ですけど、読む価値のある本です。

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低い評価の役に立ったレビュー

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2001/09/21 20:21

人間は遺伝子たちの築いた砂上の城

投稿者:森岡正博 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人間は遺伝子の乗り物である、と言い出して大いに話題をさらったリチャード・ドーキンスの最新刊である。遺伝子の目的は自分をどこまでも生き延びさせることだ。だから、「利己的な遺伝子」だとドーキンスは言う。
 この理論を、本書『虹の解体』では、さらに先まで押し進めている。ドーキンスによれば、遺伝子は、他の遺伝子と、つねに争っている。すきあれば他の遺伝子を出し抜いて、自分の勢力圏を広げようとする。だが、そのような利己的な遺伝子の取る戦略は、他の遺伝子を攻撃することばかりではない。
 むしろ、他の遺伝子と相互的な協力関係にはいることによって、自分自身を安定して生き延びさせようとすることが、たくさんあるのだと言う。ドーキンスは、これを「相互協力的な同盟」と表現する。そして、これらの同盟関係を結んだ多数の遺伝子たちが、協力して人間という個体の身体を作り上げるのである。
 だから、人間という生物個体は、お互いに同盟関係にはいった利己的な遺伝子たちが、いまここで仮に作り上げた砂の城のようなものなのだ。遺伝子たちは、人間という個体を作り上げたほうが、自分たちの生存に有利だからそうしているにすぎない。ドーキンスは、生物個体に対しては冷ややかだ。そのかわり、遺伝子に対しては偏愛すら感じさせる書き方をしている。
 ドーキンスにかかれば、生物たちの共生の象徴である熱帯林ですら、「森林は利己的な遺伝子たちのアナーキーな連盟である」ということになる。遺伝子は、自分自身が生き延びるために、打算的に敵と講和条約を結んでいるのだが、その打算的同盟の巨大なネットワークこそが、熱帯林だというのだ。
 われわれの細胞(真核細胞)は、二種類の細菌が共生したものだという学説が有力であるが、ドーキンスによれば、それは愛ある共生ではなくて、利己的に生き延びようとする二つの細菌が、打算的に手を組んだものである。ドーキンスは言う。「遺伝子レベルではすべてが利己的である」「協力や友好は副次的な結果にすぎない」。彼をここまで突っ走らせる動因は、いったい何なのだろうか。 (2001.05.29)

初出:信濃毎日新聞

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紙の本

楽しい科学

2001/06/23 13:00

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:花梨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「利己的な遺伝子」や「ブラインド・ウォッチメイカー」など、遺伝子に関する研究で知られるドーキンス先生が、科学の楽しさを教えてくれます。
 タイトルは、ある詩人が虹の構成を分析したことについて、科学者を夢が壊れると非難したエピソードに基づいています。もちろん、先生は、それがいかに間違った考え方であるか、科学には科学の想像を書き立てる力があることを、力を込めて説明してくれます。そして、世間にあふれるエセ科学には、そうした魅力がないと遠慮なく叩きます。単に間違っているとか言うよりよっぽど説得力あります。難しい本ですけど、読む価値のある本です。

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紙の本

人間は遺伝子たちの築いた砂上の城

2001/09/21 20:21

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:森岡正博 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人間は遺伝子の乗り物である、と言い出して大いに話題をさらったリチャード・ドーキンスの最新刊である。遺伝子の目的は自分をどこまでも生き延びさせることだ。だから、「利己的な遺伝子」だとドーキンスは言う。
 この理論を、本書『虹の解体』では、さらに先まで押し進めている。ドーキンスによれば、遺伝子は、他の遺伝子と、つねに争っている。すきあれば他の遺伝子を出し抜いて、自分の勢力圏を広げようとする。だが、そのような利己的な遺伝子の取る戦略は、他の遺伝子を攻撃することばかりではない。
 むしろ、他の遺伝子と相互的な協力関係にはいることによって、自分自身を安定して生き延びさせようとすることが、たくさんあるのだと言う。ドーキンスは、これを「相互協力的な同盟」と表現する。そして、これらの同盟関係を結んだ多数の遺伝子たちが、協力して人間という個体の身体を作り上げるのである。
 だから、人間という生物個体は、お互いに同盟関係にはいった利己的な遺伝子たちが、いまここで仮に作り上げた砂の城のようなものなのだ。遺伝子たちは、人間という個体を作り上げたほうが、自分たちの生存に有利だからそうしているにすぎない。ドーキンスは、生物個体に対しては冷ややかだ。そのかわり、遺伝子に対しては偏愛すら感じさせる書き方をしている。
 ドーキンスにかかれば、生物たちの共生の象徴である熱帯林ですら、「森林は利己的な遺伝子たちのアナーキーな連盟である」ということになる。遺伝子は、自分自身が生き延びるために、打算的に敵と講和条約を結んでいるのだが、その打算的同盟の巨大なネットワークこそが、熱帯林だというのだ。
 われわれの細胞(真核細胞)は、二種類の細菌が共生したものだという学説が有力であるが、ドーキンスによれば、それは愛ある共生ではなくて、利己的に生き延びようとする二つの細菌が、打算的に手を組んだものである。ドーキンスは言う。「遺伝子レベルではすべてが利己的である」「協力や友好は副次的な結果にすぎない」。彼をここまで突っ走らせる動因は、いったい何なのだろうか。 (2001.05.29)

初出:信濃毎日新聞

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2004/11/07 01:55

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2009/10/17 17:49

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2010/02/06 11:52

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2012/07/19 14:08

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2012/08/17 16:25

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2014/01/13 09:37

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2014/05/31 21:21

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2016/12/16 21:35

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2022/10/25 21:02

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