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言語の興亡 みんなのレビュー

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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.4

評価内訳

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7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本

言語及び言語学が興味深い分野であることが判る

2003/06/01 14:21

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 作者自身によるまえがきと翻訳者によるあとがきから引用する。言語と言語との関係を探る研究は、これまで二つのモデルに準拠してきた。言語同士が親子関係でつながっていることを示す、系統樹モデルと、語形や文法範疇が隣接言語の中に伝播波及していく関係を示す、言語圏モデルである。本書では、言語の発達を全体的に見渡す視点から、これらの統合を試みている。言語は時事刻々と変化しているものであり、生れたり死滅したりしている。生物学の用語を借りて独自の断続平衡というモデルを提唱し、言語が民族の移動や社会形態等の変化に対応して、収束や拡張、分裂を繰り返してきたと論じている、また、世界の多くの少数言語が急速に話者を失い、言語の多様性が永遠に失われる前に、一つでも多くの少数言語が調査研究され、記録に留められるべきであると、訴えている。
 専門用語も多く使われており、読みにくいところもあるが、言語及び言語学が興味深い分野であることが良く判り、興味を引き付けられた。

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紙の本

言語進化モデルとしての断続平衡理論

2001/12/11 06:01

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『言語の興亡』は著者の主張が鮮明に示された本である.著者が古生物学の「断続平衡モデル」に目をつけた動機は,歴史言語学における「系統樹モデル」への疑念に発している.シュライヒャーの系統樹モデルとシュミットの波紋モデルは,歴史言語学における対立パラダイムとして有名だが,ディクソンはこの両者は断続平衡モデルのもとで統一できるのではないかという仮説を立てる(pp.4-5).

 言語進化の断続平衡モデルでは,ある地域の言語群は長期にわたる平衡状態のもとで【言語圏】−「ちがった語族に属する言語が複数存在し,そのような言語がそれぞれ地域外の少なくとも一つの同語族の言語に見られないような言語特徴を共有しているような地域」(p.22)−を形成していく.私が理解した範囲では,言語圏とは生物地理学でいう areas of endemism に相当する地理的概念である.平衡期には言語の相互借用を通じて,ある「収束」が生じているとディクソンは考えている.この平衡が何らかの原因(自然・経済・社会など)で中断されるとき,言語は急速に「拡張-分裂」(p.129)の過程を経て,祖語からの由来による類縁族が生じる.

 著者は,「分断」期には系統樹モデルがうまく適用できるが,「平衡」期にはむしろ地域伝播に基づく言語圏モデルがよりよくあてはまるだろうと考えている(p.198).言語系統の収束(平衡)と分岐(分断)のサイクルによる著者自身の言語進化観−図6-1(p.140)の模式図−を断続平衡モデルによって表現したと私は理解した.

 言語系統学に地理的な次元を積極的に導入するという著者の意図には私も同意できるのだが,それが比較法に基づく言語系統推定そのものへの批判になぜつながるのか,その点が私には納得できない.たとえば,祖語が実在しないという批判,あるいは「比較法」は適用できないという批判は,確かに推定の過誤の可能性を指摘している点では正しいのだが,その批判の内容は,著者が進化プロセスに関する「モデル」と歴史推定の「ロジック」とを単に混同しているに過ぎないからだと私は考える.

 むしろ,著者の「言語進化モデル」が経験的にどのようにテストできるのかを考えたとき,そのよりどころは言語系統関係のより精密な推定以外にはありえないのではないか.私としては,言語系統学と言語地理学のさらなる合体を著者は目指しているという積極的なメッセージを本書から汲み取りたい.

 本書の言語進化観については上述のように根本的な欠陥があると私は見るのだが,実践に向けての著者の提言には全面的に同意する.著者は,なぜいまの言語学者はフィールド・ワークを軽視するのかと批判し,「本当になすべきことはただ一つ−現地に行き,言語を記述すること!」(p.207)と檄を飛ばす.オーストラリアの現地語族の広範なフィールド・ワークをこなしてきた著者のメッセージには重みがある.

※関連書
ネトル&ロメイン『消えゆく言語たち』

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【目次】
謝辞 i
はじめに 1
第1章 序説 9
第2章 ことばの伝播と言語圏 21
第3章 系統樹モデルはどこまで有効か 41
第4章 言語はどのように変化するか 77
第5章 断続平衡モデルとは何か 95
第6章 再び祖語について 135
第7章 近代西欧文明と言語 143
第8章 今,言語学は何を優先すべきか 161
第9章 まとめと展望 195
補論 比較方法の発見手順では見誤ってしまうもの 209
訳者あとがき 215
参考文献 (1-13)
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2006/07/13 22:40

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2011/05/14 09:25

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2014/05/21 21:24

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2016/02/05 06:00

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2020/07/26 10:22

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