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紙の本
日常こそ小説的。日常は小説よりも...
2012/05/30 12:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学3年生のさきちゃんと作家のおかあさん。二人の「ともだちおやこ」の極めて日常の会話で成り立つ物語。小さな小さな事柄も、子どもにとってはけして小さくない、そんな当たり前のことを大人になって忘れている、と気付かされることがあります。
親子で会話する中で、ふと気付く子どもの成長、自分の変化。純粋に興味を深める子どもの「まっすぐさ」に、自分のことを振り返ったりします。本書はなんとなく「わけあり」をにおわしますが、お父さんの登場はなく、あくまでもお母さんと子どもの会話。だけれども、「お父さん」が読んでも、子どもから教えられること、はたまた自分が子どもであった時のことなどを思い出させてくれます。
自分に同年代の子どもがいればなおさら、本書の「日常での会話」が温かく、ゆるやかに、でもある意味刺激的に映ると思います。特別な出来事ではなく小さな日常の中に、ドラマはあるんですね。素人からするとそんな日常をテーマにする、ということがかなり困難だろうと思いますが、ドラマチックではないにせよ、なにか深い「あたたかみ」が読後に残る内容です。
ただ、実際の子どもと親、という日常は、実はもっと「刺激的」なんですよね。真剣に耳を傾け、眼を開いて見てみれば、これほど「勉強」させられることはないんです。子どもと大人の差は、「経験」の差であるけれども、子どもが持っていて大人が忘れているもの、って少なくないんです。敢えて眼をつむって、耳を閉じて、知らないことにしていることがいかに多いか、思い知らされることがあります。大人は自分が子どもであったことを忘れてしまう、忘れようとしてしまうことがありますが、それって損しているのかもしれません。「大人の世界は、現実は~」と自分に言い訳をしているだけなのかもしれません。
子どもと接していると、まさに「事実は小説より云々」という言葉が当てはまります。真正面から向き合うと、日常に色を添えることができます。あ、もしかしたら、子どもに対して、だけではないかもしれません。今日出会う人、明日出会う人、この人たちとの出会いに真正面から向かえば、やっぱり刺激をもらえるんです。そう考えれば、大人だって成長できる。明日が楽しくなる。
【ことば】ああでもないこうでもないと、何日も考えたよ。いろんな案が出たけど、最後に<<花が咲く>>から<<さき>>って閃いたら、すんなり決まっちゃった。
おかあさんとさきちゃんが、名前のことを話します。生まれたばかりの命に与えられる「名前」。一生つきあう名前は、それに「想い」が詰まっているんですよね。自分にもらった名前も、きっと親が真剣に愛をもって考え抜いてくれたもの。そう思うと、大切にしなければいけないことがわかります。
紙の本
優しい本です
2022/12/16 19:09
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投稿者:もこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
さきちゃんとお母さんの日常を優しく描いています。
私もさきちゃんのお母さんの様に、子供たちの言葉をもっと聞いてあげれば良かった。と感じました。
さきちゃんのお母さんの、さきちゃんに対する愛情が、優しく温かく羨ましいです。
毎日必死に子育てして余裕が無かった事を、子供たちに申し訳なくなりました。
もっと大らかに接してあげれば良かった。
私は「連絡帳」のお話が好きです。
紙の本
イラストがよい
2020/04/23 13:49
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投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
母子家庭のお母さんとさきちゃんの日常のおはなし。
おーなり由子さんのイラストでほんわかな感じ。
さらさらと流して読める話だけど、父親のいない背景だとか、そういうところを深く読み込もうとすれば色々と考えるところのある話なのかもしれない。
母娘の距離感とか、お母さんが代わってるなって思うところとか、いいな、と思った。
紙の本
いいお話なのだけど…。
2015/08/14 14:27
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投稿者:うさこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
何気ないけど、あたたかくて、どこかなつかしいお話が詰まっています。イラストの雰囲気も非常に良いです。
ですが、さきちゃんの年齢が9歳なのに引っかかってしまいました。特に前半部分。何度もページを戻って本当に9歳だったか確認してしまいました。私にはどうしても1年生かそれ以下にしか思えなくて。もちろん現実の世界の9歳とお話の世界の9歳では違うのは分かっています。それにしてもです。最後まで引っかかりながら読んでしまいました。