紙の本
入り口色々
2015/08/28 18:11
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投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
紙幣に印刷されるようになって、以前にもまして色んな方面からたどり着いて読まれている作家だと思う。
「ガラスの仮面」で主人公とライバルが演じる場面があり、
舞台のシナリオ以外の形で読みたくなって手に取った。
(さすがは美内先生、原作にノータッチでも全く問題ないほどの予備知識を授けて下さった!)
ラストの美登利に対する解釈は男女でパキっと割れる。
解説している人数もものすごいのだが、ここは男性側の見解の多くがおめでたく思えてならない。
(そうあってほしいのかもしれないが、それはそれでちょっと…。)
美登利はどこに住んでいるのか、彼女の家の大黒柱は誰なのか、…読んだのかどうか疑わしいものまであった。
一葉が新吉原付近に住んでいたときに見聞きした事が題材と言われてる。
ならば、姉さんと同じ道に進み、生計を立てる一員になったと考えるほうに一票。
美登利は姉を尊敬している。 ごくごく自然な流れだ。
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投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
一葉の延々と続く文章を読んでいると、つい、息をつめてしまいます。この時代の女性のおかれた厳しい状況は想像するだけでも辛い。
もし一葉がもっとあとの時代に生まれていたら、原稿料や印税で豊かに暮らせたのではと思ったり、それでは作家にはなれなかっただろうか、と考えたりします。
このなかでは特に「大つごもり」が好きです。後々かえって面倒なことになったのでは?という見方もあるようですが、私はこの件はこのまま無事に過ぎたのではないかな、と思っています。
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まるで子供の世界のロミオとジュリエットだ。脇役の正太郎、長吉もいい味を出している。美登利といい仲になりながら先に大人になろうとする彼女に置いてけぼりをくらった正太郎に、暴力的ではあるものの、貧乏にも関わらず熱い友情をもって信如を助ける長吉。しかしやはり子供は子供。いい子ばかりで微笑ましい。
遂にお互いの思いを伝えることができなかった2人だが、ラストで信如が美登利に水仙をそっと送るシーンは一応ハッピーエンドというべきか。しかし水仙は水辺に咲く花、ナルシスの花。女性を象徴し、花言葉は神秘。作り花であることが「根のない花、生産性のない花」を表し、「離別」への伏線である。その花によって美登利は少なからず信如の気持ちを受け取ったはず。お互いに打ち解けあおうというところでの別れは辛すぎる。
樋口一葉は幼い頃から貧乏で、金持ちで何不自由のない主人公・美登利はある種理想の姿であったのではないか。しかし生まれつき優秀な姉を持ち、ゆくゆくは遊女としての道を歩まなければならないその束縛感を、どこかで自分と共有していたのではないだろうか。
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難しい
今の自分と同じ年くらいのときに樋口一葉さんはこんなすごい文章を書いていたなんて・・・と愕然とした
まだ読みきれてません
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ガラスの仮面に出てきて、興味を持ちました。
最初は句読点が少なく、何がなにやら分からず挫折。何度か挑戦して読み終えたときは嬉しかった。
文章は今思えば、リズム感があり声に出して読みたい。
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時代に翻弄される哀しき女性にスポットを当てた社会派小説「にごりえ」、明治版「ロミオとジュリエット」と誉れの高い「たけくらべ」など、人生への哀歓と美しい夢を織り込んだ短編8編を掲載。
一葉独特の文体は相当の読書量をこなしていなければ理解不能な部分が多々あり、古文を学ぶと作品世界をより堪能出来ると思います。
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擬古典なので最初は敬遠しがちですが大体のあらすじさえ掴んでいれば読めます。切なくてきゅんとします。同時収録の十三夜は読みやすくてリズムが好き。
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中学生の頃、「たけくらべ」の一部を問題集か何かで学んだ。その後大筋をどこかで聞いたが、実際に読んだことはなかった。一度は触れようと思っていたので、古本屋で安く売られていたのを見つけて購入。
最初はかぎ括弧のない文章に多少面食らった。また、明治の文語そのままなので、とっつきにくさもある。が、いざ読み進めると文章の軽快なリズムに惹かれ、気づいたら抵抗がなくなっていた。
全編どの作品を通しても、社会や男性によって振り回される当時の女性の悲哀を感じる。「にごりえ」は主人公のお力も勿論だが、源七の妻も可哀想だ。「われから」のラストにも、義憤に似たものを覚える。男性は男性で苦労はあるだろうし、時代背景も考慮に入れるべきだと分かってはいる。だが、それでもこういう作品を読むとつい言いたくなってしまう。
男って、全くなんて勝手なんだ。
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明治の女流文学の第一人者。父親の死語、生活のために小説を書き始めましたが、師と仰いだ半井桃水(なからいとうすい)を愛してしまい、創作活動も低迷、貧困のどん底に。恋愛を諦め、一気に『たけくらべ』、『にごりえ』、『十三夜』を書いて文壇から絶賛され、翌年24歳で病死しました
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色彩の美しさは秀逸。赤と黒がものすごく綺麗だ。ジェンダーフリーとか言ってる女よりもずっと人間としての生臭い感情を抱えてて、昔の女にもちゃんと自我があったんだなって、これを読んでやっと気付きました。
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文体がかなり古文に近い感じで、慣れないと意味がとれなくて大変でした……おもしろかったけど、1回読んだだけだと、筋を追うのに精一杯、だった気も。
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言葉の美しさに圧倒されます.にごりえは怖かったのですが,たけくらべはただただ素敵.幼く淡く強い少女の恋.
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文体が古くて、一文がかなり長い。平気で一文が2、3ページに及ぶ。でもそのリズムがなめらかで、読んでいて気持ちがよかった。
主人公でヒロインであるお力は憂鬱を抱いている。お力は不幸の人生を自ら選んでしまうという性質に悩む。それは先祖代々受け継がれている性質でどうしようもないのだと。この世に満足していない、だからといって上昇しようとも思わないお力は結局、他殺か自殺かわからないまま死ぬ。
救いがなかったのだろうか。救いを選ぼうとしなかったのか。
そんなお力に男性どもは魅了される。モテモテなのである。
確かに少し羨ましく思う部分がある。憂いを抱えながら生きる女の人というものはつやっぽいというか色っぽいというか。儚げでなんとかしてあげたくなってしまうんだろうなぁ。
実際に悲劇のような日常生活なんて送りたくはない。でもそれから少しはみ出すものに惹かれてしまいがちかもしれない。
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にごりえのレビュー。これは女の悲哀。いや本望だったのか?読む人によって何通りかの解釈が出来ると思う。名作の名に恥じない。
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九州大会で3位に入賞したときの朗読作品。
これのおかげで、いろんな人に覚えてもらって、「古典の声」なんて言われたりして、印象深い作品。
現代文ではないので朗読しづらいのだけど、プロが読むのを聞くと、日本語の美しさを理解できる。