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第二次世界大戦前夜、芦屋に引っ越してきた小学生「まあちゃん」は、戦争へとひた走る時代を、しかし、それなりに伸びやかに豊かに、少女になって行きます。彼女の周りには芦屋のお嬢様の生活があり、友情やほのかな恋があり、戦争の中でも、少女はやっぱり少女でした。けれど・・・・
私には、中に出てくる、「かの時に言いそびれたる大切の言葉は今も胸にのこれど」という石川啄木の歌から生まれた作品のように思われました。「胸にのこった」言葉を言うために、言いそびれた人の思いがいろんなものを乗り越えていくのだなあ、と。こんな恋は、今は、ないだろうな、とも。
この作者のものは何冊か読んでいます。円紫師匠シリーズなどでは、ほのぼのとしたものを、「スキップ」「ターン」では、苦味を感じていて、これも、多分、苦いのかなあと思って読み出したんですが、ここには、作者の優しい視線があふれていました。どちらを良しとするかは、ちょっと難しいところですが、先の2作に感じた「しんどさ」はないですね。
読んでいくうちに丹念に描かれた日常生活が、少年少女の暖かな心象風景を映し出し、しみじみとした気持ちになりました。ちょっと甘すぎるかなあ、とは思いましたが、読後感の良さがうれしい。
疲れたあなたにお勧めです。
それにしても、この啄木の歌は、良いですね・・・・・
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『時と人の3部作』の3冊目。戦時中から物語は展開します。求め合う魂はきっと出会える、そういう素敵な奇跡の物語。主人公のひとりはお育ちのいいお嬢さんなのですが、当時のお友達との遊びや日常のシーンの描写が一番好きなところです。かわいらしく、目に浮かぶようです。3部作の中で一番お勧め。
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もっと早くこの本を読んでいれば「獅子座流星群」に執着していただろう。
とはいえ、ちょうどオーストラリアにいたんだっけ・・自分。(2001.12.19)
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「時と人」シリーズその3。主人公の子供時代の描写がとても丁寧。前2作とだいぶ感じが異なり、最初は読み辛かったが、読めば読むほど味が出てきてグー。
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北村薫さんのスキップ・ターンに続く時と人シリーズの第3弾のお話。太平洋戦争の時代に出会った真澄と修一は引き裂かれながらも生まれ変わりを繰り返し現代で三度出会います。ストーリー全体に流れる空気も優しくて3作の中で私は一番好きですね。
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『時と人』シリーズ第3弾。想いはきっと時を越える・・・。
ぶっちゃけで言いますと。
初めどうしても物語に入り込めませんでした(汗)
微妙・・・。と(笑)
だけど、最後まで読んでみれば納得して
ステキな話だって感動しました。
読んで良かったと思った作品。
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「時と人」のシリーズ3部作の最終作です。しかし、この作品は前の2作とは全然違う雰囲気です。前の2作も類似性があるとは思わなかったけど、この作品を読むとかなり似ていると思うほどです。
前2作は、時が過酷な試練を主人公に与えます。それも容赦ない感じで。特に第1作の「スキップ」では、最後まで救われることはありません。しかし、「リセット」ではある意味、時はやさしく動いています。しかし、その分、主人公は時の流れに流されているような感じです。「スキップ」は時が過酷な分、それに流されることなく、受け入れて立ち向かう主人公の姿が眩しい感じでした。
この「リセット」は、そういう意味のでシリーズとしてみるか単独で見るかで評価が分かれるかもしれません。
個人的には・・・・
最初は太平洋戦争時代の少女の静かに流れる時間とともにスタートします。私の生まれる前の時代ですが、こうした時代は意外と好きだったりします。しかし2部になってから、話がよく見えなくなります。しかし、次第に明かされるとてつもない出来事、なるほど、これが時と人のシリーズなんだ、、って思っていました。
「スキップ」と言う作品が私のお気に入りです。しかし、その作品と比較することが出来ない次元の作品であると言うだと思います。そういう意味で、この3部作とも全てを読まれるのは、まるで、フルコースの料理を食べるように楽しいものでした!2004.12.17
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これから読もうと思う1冊です。
ブログ女王、真鍋かをりが絶賛してたのが、読むきっかけなんでし(^^;
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私は北村薫の作品が好きだ。
「覆面作家」シリーズや「圓紫師匠」シリーズなどの日常生活的なミステリーも好きだし、最近のものでは「スキップ」に始まる「時間もの」がたまらなく好きだ。
この「リセット」は「スキップ」「ターン」に續く「時間もの」の第三作である。
「スキップ」も「ターン」も良かつたが、今囘の「リセット」も秀逸だつた。
讀者は「時間もの」であることを意識して讀み始めるから、第一部は序章だと判つてゐて、どこに伏線があるのか考へながらも、ゆつたりと讀みすすめることができる。
第二部は第一部との關係を想像しながら讀み始めるが、やがて豫想がついて、今度は「それ」が、いつ、どのやうに判明するのか、期待を膨らませて讀むことになる。
そして、「それ」はさりげなく、意外な小道具をきつかけにして實現される。
「それ」自體は豫想できてゐるにもかかわらず、やはり、そのシーンは素晴らしい。
私などは、電車の中で讀んでゐたのだが、すつと全身の毛が逆立つやうな氣持ちがした。
そして第三部。
この第三部がまた素晴らしい。
第二部で終はつてゐたなら、これほどの感動は味はへなかつただらう。
さすがに、ここまでは豫想してゐなかつた。
この作品を讀んで、「時は親切な友達です」と云ふ詩句を思ひだした。
作者も題名も思ひだせないが、20數年前に駿河台の豫備校に通つてゐた時のテキストに載つてゐた詩である。
詩では「時」の瘉しの作用が詠はれていたが、この作品ではもつともつと「時」はやさしい。
讀んで良かつたと思ふ。
2003年8月18日讀了
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戦時中の時代背景だが、まったく堅苦しくなく、純粋な最後に心打たれました。場面展開が気持ちよく読めた。
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最初ちょっとよくわからなかったのですが、最後まで読んですごく良かったと思いました。輪廻を通して巡り会う運命。いいなぁ
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時を題材にした三部作の第三弾目。
私的には、3つの中で一番、わかりずらかった。難しかった。戦争とか、現在と過去とか、私が身近でないことばっかりで、共感も出来なかった。
でも、話が全体的にうまく通っていると思った。
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『時と人』三部作。
何度も繰り返す、出会いと別れ。
時代に翻弄されながら、2人は進んで行く。
片方の死が2人の間を離れさせていく。
しかし、時は流れ亡くなった方が生まれ変わり残った方の目の前に現れる。
しかし、よく考えると、この2人の生まれ変わりが早いなぁ・・・
普通、そんなに早く輪廻転生するものでしょうか?
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時はやさしく流れ、そう、きっとまた会える。奇跡と感動が洪水のように溢れ出す。
“時と人”シリーズ第三弾で、シリーズ最高傑作!
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〇〇〇ページで胸の奥がキュンとなって目頭が熱くなった。効果音の音楽が一瞬止まって、すべての時が止まって、そして劇的な素晴らしい感動的なメロディーが流れます。1度目の再会は感動。2度目の再会は北村薫氏の優しさだと感じました。